工場管理とは?その管理項目と方法

 2018.08.29 

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“工場管理”と聞くと生産設備を管理したり、保守作業にあたることをイメージしがちですが実際はもっと広範囲な業務です。その内容は生産をより効率的に行うために様々な管理業務を実行することです。

今回は工場管理と工場管理システムについて、その管理項目と方法をご紹介します。

工場管理の管理項目

工場管理にはたくさんの管理項目があるので、一人の担当者が全体を管理するというよりも各部門が協力して行う管理業務だと言えます。その管理項目は次の通りです。

  • 生産管理
  • 工程管理
  • 品質管理
  • 運搬管理
  • 設備管理
  • 安全管理
  • 衛生管理

各管理項目を細かく説明していきます。

生産管理

生産管理は、製品生産における核になる管理業務です。中長期的な販売計画をもとに生産計画を立て、生産能力を計算した必要な人材を確保したり、生産に必要な資材を決定して調達計画を立てます。ただし生産計画は絶対ではなく、顧客の要望によってスケジュールが変更になる可能性も高いため、常に柔軟な対応ができるよう計画を立てることが大切です。

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工程管理

工程管理は現場での作業を直接的に管理するための業務です。一つの製品を製造するためにより効率的な方法は何か?を考え、設置する設備や人材について計画を立てます。さらに、日常的に生産ラインでのテストなどを実行し、より素早く各工程が終了するための改善策も提案します。

品質管理

高品質な製品を製造し、かつ顧客や最終消費者まで届けるためには一定の基準を設けて、常に製品を検査することが欠かせません。品質管理はそのための業務であり、製品品質について様々なテストを実行します。たとえば自動車部品ならば厳しい耐久テストを実行して、製品がどんな環境に耐えられるかをチェックします。生産ごとに初品の品質チェックを行い、生産のGOサインを出すのも品質管理の仕事です。

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運搬管理

工場内で資材の運搬および供給はとても重要な業務です。どの生産ラインへ部品を供給すればよいのか、これを正確に把握していないと製造は停止して遅延を招きます。そのため生産計画と密に連携を取り、運搬管理や物流管理を実行することは欠かせません。

設備管理

工場内の設備はすべて経年によって劣化するものなので、少しでも長く同じ設備を使い続けるためには徹底した管理が必要です。定期的なメンテナンスを実行し、故障や機能低下が発生すればすぐに対応します。何より大切なことは、故障や機能低下が起きないよう管理する予防保全です。最近ではIoTセンサーを設備に取り付けることで、設備状況を可視化してトラブルを未然に防ぐ取り組みやそれを実現するための設備管理システムが増えています。

安全管理

安全管理は文字通り、製品の製造にあたって従業員の安全を守るための管理業務です。工場では様々な設備が稼働しており中には危険なものもあります。生産効率をあまりに重視している現場では高い危険性が発生している可能性もあるため、専門の管理部門を設けて安全を確保します。この他従業員への安全教育を実施したり、安全調査を実施するのも業務のひとつです。効率よく確実に行うために、安全管理システムが利用されます。

衛生管理

主に食品メーカーの工場にて衛生面の管理を実施します。製造した製品による食中毒や遺物混入などのトラブルは断固としてあってはならない事態です。特に人の口に触れて体内に入るものだからこそその安全性を確保しなければいけません。食品だけでなく医薬品や化粧品などの製品も同様です。食品メーカーでは製造過程で起こる汚染問題を工程ごとに管理するためのHACCP(ハサップ)という手法がグローバルスタンダートになっています。

このように、工場管理とはかなり広範囲な管理業務を指すものであり、一人の担当者や一つのシステムでカバーできるものではありません。

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工場管理に欠かせない“7つの可視化”

工場管理ではここまでご紹介した管理項目に加えて“7つの可視化”が大切です。工場管理の9割以上は可視化にあると言ってもよいほどでしょう。それは次の7つです。

  • モノ
  • 4M
  • QCDS
  • 情報
  • 日常管理
  • 方向性
  • 全体・経営

それぞれ細かく説明していきます。

モノの可視化

モノとは具体的に、完成品、仕掛け品、材料、不良品、工具、冶具、ゲージなどのことです。これらのモノが見えていない状態は作り過ぎや不良品を増やすことになったり、モノの探索や修理に多大な時間を費やすことになります。こうした無駄を排除するため5Sを徹底し、常に物を可視化することが大切です。

4Mの可視化

4Mとは生産に欠かせないインプット(取り込む)アイテムのことです。Man(人)、Machine(設備、機械)、Material(部品、原材料)、Method(方法)の4つの頭文字を取っています。4Mは生産に何らかの問題が発生した際に、このいずれかの要素に原因があることも示しています。そのため4Mを可視化することは何かトラブルが発生した際に、迅速に対処するための基盤にもなるのです。

QCDSの可視化

QCDSとはQuality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)、Safety(安全)の4つの頭文字を取ったものです。生産目標を達成するためのQCDはよく聞きますが、これにSを加えることで生産の安全性にも目を向けています。各要素が可視化されていないと、不良品や原価高騰、納期遅延や労働災害といった重大な問題が発生します。

情報の可視化

一つ一つの製品は最初、情報から作られます。製品の企画という情報が作られ、その後設計という情報、生産計画という情報が作られていき、いよいよモノの製造に着手していきます。さらに製造段階でも様々な情報が生まれていきますので、これらをすべて可視化できていないと多くの無駄が発生するでしょう。

日常管理の可視化

日常管理とは従業員が日々当たり前に行うべき管理業務です。たとえば身近なところで言えば、使用した工具をもとの場所に戻すなどのことを指します。かなり当たり前なことばかりですが、意外と徹底できていないケースも多いので、日常管理を可視化することは小さな効率化の積み重ねに繋がるものです。

方向性の可視化

企業としてどういった成長を遂げたいか、どこの市場に向けた製品か、どのターゲットに向けた製品なのか、これらの方向性を可視化することは経営判断を素早くさせるのと同時に、従業員を共有することで組織に一体感を生ませます。あるべき姿やありたい姿を明確にすることで、そのビジョンを組織全体で共有しましょう。

全体・経営の可視化

工場全体と経営が見えていないと成長するビジネスはあり得ません。特にサプライヤーから始まるモノの流れ、顧客や最終消費者から逆流してくる情報の流れを可視化しないと、機会損失を生んだり無駄なコストを生んでしまいます。

これら7つの可視化を実現することは工場管理においてとても大切なことです。今後本格的に工場管理に取り組むという場合は、これらの可視化項目に注意しましょう。

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工場管理とERP

ERP(Enterprise Resource Planning)とは経営上欠かせないあらゆる業務システムを一つに集約したIT基盤です。ERPを導入することで、財務会計システムや生産管理システム、顧客管理システムといった様々な業務システムが統合されたシステム環境を手にできます。

さらに、ERPをクラウドサービスとして提供しているクラウドERPであれば、地理的に分散している工場の情報の収集や分析も行いやすく、よりメリットが大きくなるでしょう。

工場管理はクラウドERPで大幅に効率化します。特にIoTとの連携が可能なERPならば、IoTから得られるデータを自動的に処理して、工場管理に欠かせないあらゆる情報を可視化します。もちろん、情報の管理にも適しているのであらゆる業務の効率化にもつながるでしょう。

工場管理を徹底したいという企業はERPの導入もぜひご検討ください。

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