設備管理・監視システム
設備管理・監視システムとは?
設備管理・監視システムの対象は、非常に多くの分野があります。工場の生産ラインの設備やビルの空調設備など、対象の設備によっても求められることが変わります。
では、設備管理・監視システムはどのようにして設備を管理するのでしょうか。
一般的にはまず設備の「ロケーション管理」が基本です。どこに、どんな設備が設置されているかをシステム上で明確にして、いわば資源管理のような機能を提供します。「設備」と聞くと大規模なものを想像しがちですが、小さなネットワーク機器などあらゆるものが設備として管理されます。つまり企業の中には無数の設備があるため、これを完全に人手で管理することは困難でしょう。
そのためロケーション管理によってどこにどのような設備があるかを把握し、さらに設備の状態を可視化します。
もう一つの基本的な役割が「設備モニタリング」です。設備にIoTなどセンサーを搭載したデバイスを設置することで、そこから様々なデータを収集し、分析した上で設備の状態が見える状態にする機能です。
これらの機能によって、企業内の色々な設備を管理・監視することができます。
背景/目的
設備管理・監視システムが注目されるようになった理由はいくつかありますが。大きな理由は「保全業務の標準化」と「資源の適切な管理」でしょう。
企業によってどんな設備を保全するかは違いますが、多くの企業に共通して言えることは熟練従業員によって業務が属人化してしまっていることです。属人化とは、特定の従業員しかその対象業務が行えないことです。その業務に関して経験を積めないため若手社員が育たなかったり、熟練従業員が不在だと業務が回らないなどのリスクが強まるといった問題があります。
設備管理・監視システムを導入すると、経験や勘ではなくデータをもとにした管理業務が可能になるので、業務を標準化することができるようになります。各管理業務をマニュアル化して、すべての従業員が同じように仕事がこなせるようにします。
もう一つの理由である「資源の適切な管理」は、これまで多くの企業が適切な資源管理をできずに、無駄遣いをしてきたことに起因しています。設備を含めた企業の資源全体を管理できていないと、新しい資源に無駄な投資をしてしまったり、設備の問題に気付かず業務が停止してしまう可能性もあります。そのため、資源を適切に管理することは多くの企業にとって重要な課題です。
設備管理・監視システムなら各設備の場所や稼働状況を常に可視化できるため、適切な管理によって諸問題を解消できます。
課題
設備管理・監視システムにとっての大きな課題は、設備全体を管理するための基盤が必要になるという点でしょう。各設備を管理したり監視するためには、無数のIoTデバイスを設置したりそこから得られるデータを統合管理するための大きな基盤が必要です。
ただし、このようなシステム全体の設計や導入のためのリソースが足りないという企業では、そうした基盤を構築することは難しいでしょう。そのため設備管理・監視システムの導入になかなか踏み出せないという企業も少なくありません。
ソリューション(解決)
設備管理・監視システムの課題を解決するソリューションはズバリ「クラウド」でしょう。クラウドとはインターネット上で提供されるサービスの総称であり、様々な業務アプリケーションでもクラウドサービスが登場しています。
クラウドを採用する利点は「インフラ構築やシステム運用が不要」であることです。設備管理・監視システムはインターネット上で提供されているので、社内サーバを設置したりソフトウェアをインストールして細かいパラメータを設定するといった作業は一切不要です。さらに、システムはベンダーが運用しているので、ユーザー企業が独自にシステム運用をする必要はありません。さらに月額利用料金として費用が固定化・見える化されるため、設備管理・監視システムにいくら投資しているかが明確なので費用対効果も算出しやすいでしょう。
そのため設備管理・監視システムを導入するにあたってクラウドを上手く活用すれば、様々な課題を解決できます。
あるいはもっと広範囲にクラウドのメリットを引き出したい場合はクラウドERPも非常に有効です。クラウドERPとは、経営上欠かせない複数の業務システムを統合し、それをクラウドで提供するサービスです。そのため大規模なシステム環境でも運用負担を大幅に軽減し、かつ設備の管理や監視まで可能です。
機能
設備管理・監視システムには一般的に次のような機能があります。
- 個々の設備管理
- 全体の設備管理
- 各設備の稼働状況
- 問題予兆のアラート
- 保全予算作成
- ワークフロー管理
- モバイル対応
- 情報入力の簡略化
これらはあくまで基本的な機能ですので、製品によって提供している機能は様々です。企業は何を管理・監視したいかによって、導入すべき設備管理・監視システムを選択する必要があります。
メリット
設備管理・監視システム最大のメリットは業務の標準化と設備の可視化によって適切な管理が可能になることです。企業では障害が発生すると業務に大きな影響をきたす設備がいくつもあります。しかし、それらの稼働状況を人手で管理することは難しく、どこかのタイミングで設備が止まり業務に影響が出るでしょう。設備管理・監視システムを導入するとそうしたトラブルを回避できるため、リスクを減らすことができるというメリットがあります。
この他にも資源を適切に管理して投資対効果を高めたり、無駄なコストを削減したり、設備の管理・監視負担を軽減して、より付加価値の高い業務に集中してもらったりと様々なメリットがあります。
デメリット
設備管理・監視システムのデメリットはこれまでの管理・監視プロセスが大幅に変更になることで、現場に混乱を招く可能性があるということです。もちろん、事前に運用計画を立てて適切な導入を目指せば、そうしたデメリットが発生することはありません。
そのため導入検討段階から設備管理・監視担当者と協力して、導入すべき設備管理・監視システムを検討することが大切です。
選び方のポイント
設備管理・監視システムを選ぶにあたって欠かせないポイントは「システムの使いやすさ」でしょう。設備管理・監視システムでは実に様々なデータを扱うので、高度な機能ばかり提供している製品ですと扱いにくいという印象を受けます。設備管理・監視にあたる人材がすべてプロフェッショナル集団というのなら話は別ですが、平均的なITスキルを考慮して導入すべき製品を選びましょう。
また、今後はIoTなどの活用により、よりリアルタイムな設備管理が求められるでしょう。そのためにはIoTと相性の良いクラウドサービスを選択するのが合理的です。各設備の状態を定期的に収集し、状態の管理や予防保全に活かすことができます。
さらに、設備は企業の資産の一つでもあるため、他の業務システムとの連携も考慮するとよいでしょう。そのためには、ERPもよい選択肢になります。他の業務システムと設備のデータを連携することで、リアルタイムに整合性の取れた管理が可能になります。
これらを合わせると、クラウドERPが両方の要件を満たす選択肢になります。ぜひ設備管理システムにはクラウドERPをご検討ください。
まとめ
皆さんの会社では設備をどのようにして管理・監視しているでしょうか。社内の設備は大切な資源であり、投資対象でもあります。そのため投資対効果を最大限に高めるためには設備管理・監視システムのようなソリューションを導入することも大切です。今後のニーズに合うクラウドERPをはじめとした設備管理・監視システムの導入をぜひご検討ください。
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