生産管理とは

 2018.08.08 

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“生産管理”とは何か?この質問に対し簡潔に、かつ分かりやすく回答できるという人は意外と少ない脳ドックでしょうか。生産管理に従事している方であっても、その一部を担当している場合も多く、その全体像をつかみ切れていないというのはよくあることです。

そこで今回は生産管理について基礎からご紹介します。

生産管理とは何か?

生産管理という言葉は、そこに関わる数多くの業務を一括りにしたものであり、実際は一言では説明し切れないほどのものです。以下に、一般的な生産管理の業務内容を挙げてみましょう。 

  • 現時点での生産能力の算出する
  • 販売計画に基づいた生産計画を立てる
  • 生産計画から調達計画を立てる
  • 生産に必要な予算を確保する
  • 生産能力に応じて人員を手配する
  • 調達計画にもとづいて仕入先を選定および開拓する
  • 仕入先との価格交渉や契約締結を行う
  • 予算に応じて治工具の手配や配備を行う
  • 適切なタイミングで資材調達を実行する
  • 生産設備や生産ラインの調整を行う
  • 品質管理と連携し品質維持・改善に取り組む
  • 生産全体の進捗管理を行い調整する
  • 標準原価を設定し、実際原価との差異分析を行う
  • 原価維持や改善に向けた取り組みを行う
  • etc…

いかがでしょうか?ざっと挙げただけでも生産管理にはこれだけの業務があり、他にも様々な業務があります。もちろん企業によって生産管理の定義は微妙に違うので、この業務は含まれない、この業務は含まれるといったものもあるかと思います。

共通して言えることは、いずれも広範囲な業務を総じて生産管理と呼んでいる点です。では生産管理の目的とは何でしょうか?

それは、現場がスムーズに生産の着手ができ、順調な進捗と完了を支援することにあります。一つの商品を生産するためには部品や原材料の調達から始まり、仕入から在庫への移動、在庫から生産現場への供給、作業場所や設備の確保、人員配置や必要に応じた教育など様々な要素が必要です。生産管理はそれらのすべてにおいて現場を支援することが大切です。 

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生産管理は難しい?

モノづくりに従事する企業の多くは、生産管理に多くの問題を抱えています。その問題を一つ一つ確認していきましょう。

部門間の連携不足で利益を損ねている

企業の多くは、「生産管理全体のプロセスを提示してください」と言ってもその場ですべてを明確にすることができません。それは生産管理の業務範囲が多岐にわたるだけでなく、部門間の連携が不足しているために誰も生産管理全体のプロセスを把握できていないからです。 

各部門はそれぞれ「どうしたら業務効率化できるか?」という個別最適化ばかり考えているため、生産管理全体としての効率化ができていないのです。

単純なミスが無くならない

営業部門が顧客から確定受注をもらい、生産数や納期を生産管理部門に指示をする。この過程で営業部門がイレギュラーに対応できるようにと必要以上の生産個数を指示したり、反対に生産管理部門が勝手な予測で生産個数を少なくするといったケースがあります。 

しかしこれでは、過剰在庫を生んでしまうか飛び込み受注に対応できないかのどちらかに転ぶことが多いでしょう。これは営業部門と生産管理部門のコミュニケーションを取り、情報共有を怠らないことで解決できる問題です。 

需要予測に時間がかかる生産計画が遅れる

見込生産の場合、マーケットにある需要を予測しそれに応じて販売計画および生産計画が立てられていきます。しかし、データ分析基盤が整っていないことから需要予測に大幅な時間がかかり、生産計画への反映が遅れます。 

生産負荷の平準化ができていない

生産現場の負担は決してすべて同じではありません。たとえばラインAは余裕をもって生産していても、ラインBでは生産に追われているという可能性があります。こうした際に大切なのが生産負荷の平準化です。しかし、生産ラインごとの負荷状況を可視化することが難しいため、多くの企業が諦めている点です。 

不良率管理を徹底していない

不良品とはいわば生産の無駄です。たとえば原価5,000円、販売価格10,000円の商品の場合、不良品が発生すると5,000円分のコストだけがかかったわけではありません。10,000円で販売できる商品ですから、機会損失を生んだということ5,000円+10,000円で合計15,000円以上の損失になります。 

原価変動リスクの管理ができていない

商品を生産するなら必ず原価がありますし、この原価を極力維持できるよう努めなければなりません。しかしもっと大切なのは原価変動リスクを管理して、原価の上昇を抑えることです。原価が少しでも上がってしまうと利率は下がっていくので注意しましょう。 

データそのものが信用できない

生産管理にてデータ分析を取り入れようにも、入力するデータに謝りがあって使用できないのは多々あることです。その内データの信用性を低くなっていくので、誰もデータを信用しなくなります。 

生産管理の問題は他にもたくさんありますが。これら7つの問題が最も大きく立ちはだかる壁ではないかと思います。

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生産管理を効率良く行うためには?

非常に多岐にわたる業務を持つ生産管理ですが、効率化する方法はあるのか?その答えの一つが「生産管理システムの導入」でしょう。生産管理システムとは生産管理、調達管理原価管理在庫管理、工程管理、品質管理、出荷管理など生産に関わる様々な管理機能を一手に集約したものです。

そのため本来は連携が難しい生産管理に関わる様々な部門も、生産管理を通じてコミュニケーションを取ることができます。適切な生産管理を実行するために、今や欠かせないシステムでしょう。

さらに生産管理システム以上の効率化を実現するのがERP(Enterprise Resource Plannning)です、これは生産管理システムを含め、顧客管理システム、営業支援システム、財務会計システムなどあらゆるシステムを統合した製品です。

ERPは1990年代後半に日本へ上陸し、当時は「大企業が導入するもの」という認識が強かったでしょう。事実、当時のERPは大規模なパッケージ製品であり、導入だけで1億円以上のコストがかかるケースも珍しくありませんでした。

しかし現代になり、多くのERPベンダーがクラウドサービスとしてその機能を提供しています。インターネット経由でシステムを利用できるので、社内サーバーを設置する必要はないですし、細かいパラメータ設定も要りません。さらに、システム運用はすべてERPベンダーが行うので、運用業務まで効率化できます。

このためERPは企業にとって身近なシステムになり、今では中小企業を中心に“クラウドERP”の導入が進んでいます。

クラウドERPの利点は運用リソースの少ない企業でも大規模ERP並みの機能が手に入ることです。費用は月額固定なので予算取りも簡単ですし、費用対効果も見えやすいでしょう。

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まとめ

皆さんの会社ではどういった生産管理を実施していますか?生産管理は適切に行われていないと、気づかない内に多くの無駄を生みます。その無駄が業務を阻害したり利益拡大を抑えてしまったりするので、改めて生産管理環境について見つめ直してみて下し。少しでも問題があると感じたら、生産管理システム並びにクラウドERPを検討し、適切な生産管理を実現してください。
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