販売管理システムと財務会計システムの関係
それでは、販売管理システムと財務会計システムの関係を確認してみましょう。
売上が計上された段階で、受注データは受注管理システムを通じて、売上データとして財務会計システムに送られます。また、仕入が確定した段階で、発注データは調達管理システムを通じて、仕入データとして財務会計システムに送られます。この際、売上データや仕入データを受けとった財務会計システムで発生する処理が仕訳です。仕訳については、『財務会計システムとは(第3回)~仕訳)』でお話しましたが、復習の意味も兼ねて例をあげてご説明します。
まず、4月1日に得意先から、パソコンを100万円で受注しました。この段階で、受注データが受注管理システムに入力され、受注残に100万円が加算されます。
翌日4月2日に90万円でパソコンを仕入先に発注しました。この段階で、発注データが発注管理システムに入力され、発注残に90万円が加算されます。
続いて、4月10日にパソコンが仕入先から納品され仕入れが確定しました。この段階で、仕入管理システムで、仕入確定処理を実行すると、仕入れデータが財務会計システムに送られます。販売管理システムでは、発注残から90万円が削除されると同時に、仕入れデータを受け取った財務会計システムでは、最初の仕訳が行われます。仕訳の内容は、資産-商品の借方に90万円、負債-買掛金の貸方に90万円となります。
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次に仕入れたパソコンを4月11日に出荷しました。売上計上基準が出荷基準の場合は、ここで売上計上が行われますが、この例では検収基準を使用します。出荷されたパソコンは、4月20日に得意先への納品が確認されました。この段階で、売上管理システムで、仕入計上処理を実行すると、売上データが財務会計システムに送られます。販売管理システムでは、受注残から100万円が削除されると同時に、売上データを受け取った財務会計システムでは、2回目の仕訳が行われます。仕訳の内容は、収益-売上の貸方に100万円、資産-売掛金の借方に100万円となります。また、出荷に伴い、商品がなくなりましたので、資産-商品の貸方に90万円、費用-商品仕入れの借方に90万円となります。
以上の関係を図1にまとめてありますので、確認してください。また、参考までに仕訳の結果の総勘定元帳を図2に示します。
[SMART_CONTENT]ERP入門: 販売管理システムとは(第1回)~ 販売管理システムの構成
ERP入門: 販売管理システムとは(第2回)~ 受注管理システムと発注管理システム
ERP入門: 販売管理システムとは(第3回)~ 仕入管理システムと売上管理システム
ERP入門: 販売管理システムとは(第4回)~ 販売管理と財務会計
ERP入門: 販売管理システムとは(第5回)~ 販売管理と企業業績管理
ERP入門: 販売管理システムとは(第6回)~ 販売管理と製造原価
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