ERPの導入が失敗だったと感じる5つの瞬間

 2016.02.09 

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昨今、様々な企業がERP導入を実践しています。今までは大企業が主体に巨額の投資を実現しながらERPを導入してきました。しかし、最近ではクラウドERPの台頭により中堅・中小企業にまでERPを採用できる時代になってきたと言えます。

今回の記事では、オンプレミス型ERPを導入してきた企業(おおよそが大企業や中堅企業)にありがちなERPの導入は失敗だったと感じる5つの局面をご紹介し、失敗だったと感じる企業がその状況を打開するためのヒントをご紹介します。

オンプレミス型ERP導入の背景と失敗の理由

20年ほど前のころは、ERPを導入すると一つの統合データベースにあらゆる業務システムのデータが統合されることができ、業務フローを統合一元化し業務を省力化できると信じられていました。そして、データが一元化されているために正確な経営データをリアルタイムに可視化できるとも信じられていました。さらにはERPというパッケージを利用することで開発コストの削減と導入期間を短縮できるとも信じていたでしょう。また、ベンダーが提唱し提供する世界で利用されるベストプラクティスが自社にとって最適であり同時に内部統制強化に効果を発揮するとも思われていました。

これらのERP導入のメリットは、あながち嘘ではなくすべて真実であることは変わりありません。しかし、その裏に隠された真実として「資金力のある企業に限る」という注意書きがあることを理解していなかったのかもしれません。

現代社会において、企業競争力を高めるために経営のスピードに追従するITが必要不可欠になってきています。むしろ、ITやテクノロジーが企業経営の合理化やプロセスの強化の礎となり、他者との差別化や付加価値向上を支えている重要な基盤となっています。しかし、相当な体力と資金がないかぎり既存のオンプレミスERPを経営スピードに追従されることは至難の技であり、逆にその複雑かつ巨大なシステムが足かせになってしまっている場合も散見されます。このような間にも、新興の競合企業はよりモダンなバックオフィスシステム、例えばクラウドERPを活用して、破壊的とも言えるアプローチで柔軟に変化をチャンスと捉え、チャレンジし続けており、その根幹が、シンプルな強い経営基盤を利用し急成長を図っているのです。

自社のERPが失敗だったと感じる5つの瞬間

ここで貴社のERPが経営スピードに追従できなくなり、成長する企業が目指すものに合わなくなる最も一般的な5つの理由をご紹介しましょう。

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1.    業務拡大のたびに多額の追加費用

多くの企業が、業務を拡大するために支店や支社、子会社などを設立します。これらは国内だけにとどまらずグローバルを意識した販路拡大やコスト削減を理由に海外展開も頻繁に行われるでしょう。また、その逆に撤退も経営判断に合わせて行われます。

このような時にオンプレミス型ERPを新しい地域や子会社に拡大することは、ほぼ確実にサーバーやネットワークハードウェア、そしてIT要員への投資を意味し、多額の追加費用がかかることによりITへの負担=間接費が増大するわけです。シンプルに事業を拡大するためには、シンプルな経営基盤でなくてはなりません。特に振興事業では、リニアに間接費が増大してしまうことは事業拡大と利益を下げる大きな要因となります。

2.    膨大なアップグレード費用

一旦オンプレミス型ERPが導入されると、企業は必ず最新版にアップグレードしなければならなくなります。アップグレードする理由は、ERPソフトウェアのサポートサイクルの問題もありますし、それを動作させるOSのサポートやハードウェアのサポートの問題もあるでしょう。このようにスタック全体を意識したライフサイクルを管理し最適に維持することをユーザー企業は強要されることになります。企業はそのたびに費用や時間をかけて対応する必要があり負担を強いられます。本来は最新の業務アプリケーションを利用することで企業競争力を高めることが可能になるはずなのに、なるべく最新版へのアップグレードをしないという本末転倒な選択をせざるおえなくなります。これもまた、固定費、間接費が導入後に広がってしまう、利益を圧迫する要因に他なりませんし、システムの柔軟性を阻害する大きな要因だと言えるでしょう。

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3.    業務のプロセス改善が滞る

新たな業務プロセスが必要になった時にはERPのカスタマイズが必要です。しかし、多くの企業ではこのカスタマイズのコストが負担になっているだけでなく、大企業によっては時間軸を気にせずにコストの関係で後回しにされたりしています。このようにして起こるシステムの停滞が成長と革新を妨げ、ビジネスリーダーは目標を保留にするか、多大な費用をかけてIT要員を増やさざるを得なくなります。

4.    インテグレーションコストがかさむ

上記のような理由から企業はERPを塩漬けにしがちです。しかし、業務を止めるわけにはいかないので、それに適した特化型のパッケージを導入することで凌いでいることもあります。しかし、これらのパッケージはオンプレミス型のERPと調和することはほぼありません。企業は本社と支社や子会社との間にリアルタイムでの可視性がない状態になるでしょう。そして、それらを強引に統合することでインテグレーションコストがかさみます。そして、それらは何方かがアップグレードした場合には、再度接続テストなどの無駄な作業を強要されることになります。また、そのインテグレーションのためのアプリケーションやシステムに対するメンテナンスが従来システムの安定稼働を阻害することも時に起こります。インテグレーションを軽視すれば、そこがセキュリティーホールとなったり、内部統制上問題のあるプロセスになるかもしれません。

5.    可視化出来ないだけでなく経営スピードに追従できない

オンプレミス型ERPを導入するとコストと人手がないかぎり経営スピードに追従することは困難であることは理解いただけたと思います。パッチワークで本来のERPの目的を忘れてしまい結局、創造性や柔軟性、スピードに欠けた基幹システムになりがちになります。

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オンプレミスERPとクラウドERPのハイブリッドで課題を解決

多くの大企業やグローバル企業は、統一性に欠け可視性を殆どもたらさないようなオンプレミス型ERPの課題に直面しています。マニュアル化されたプロセス、障害、バージョンコントロール、各国や支社、子会社の財務を統合することの困難さ、決算処理や財務レポートの遅れに悩まされるため、企業はビジネスの効率性や成長の可能性を阻害させられてしますのです。加えて、高い先行投資の費用とバージョンロックされたシステムは成長とともに、間接費の増大をもたらし、利益を圧迫する経営ゴールの阻害要因となる可能性もあるでしょう。

それらの課題を解決するためには、クラウドERPの導入が極めて合理的選択肢であります。全面的なリプレースが難しい場合には、支店や支社、子会社のみにクラウドERPを展開して本社のオンプレミスERPと接続する2層ERPを実装すれば良いのです。この2層ERPにより、投資を保護し、一方でパワフルかつ迅速でより低コストなERPの展開が可能になります。財務的観点から見ても、固定費が売り上げの5%と仮にゴール設定した場合、その枠の間でバージョンロックさせることもなく、常に最新のシステムを一定の枠の中で運用し続け、事業成長と利益増大、さらには限られた経営リソースを優先順位の高い事業等に最適に割り当てることが可能となるのです。皆様は今後の事業拡大成長に阻害する要因を自ら作ろうとしていないでしょうか? システムにはそれぞれの役割と適材適所があります。ぜひ、社内で今一度システムのあるべき姿を吟味してはいかがでしょうか?

(記事:ERPの導入で失敗しないための大原則もご確認ください)

ERP(統合基幹業務システム)の導入を成功に導く10のステップ

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