クラウドERPが製造業のサービスイノベーションを加速する! 〜IoTの進化が製造業に与えるインパクト〜

 2016.04.25 

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生産機器に通信機能を持たせてインターネットでつなぐIoT技術の進化は、自動計測や遠隔制御により生産プロセスを合理化するだけでなく、広範囲なサプライチェーン管理やカスタマイゼーションの推進により製造業の創出価値を最大化します。

今回は、IoTの進化が製造業に与えているインパクトを具体的に解析することで、製造業におけるクラウドERPの導入効果を検証していきます。

製造業の提供価値が「プロダクト」から「サービス」へシフト

大容量の情報が送受信できるインターネット通信網の発達とセンシング技術の向上は、個別に稼働している機器同士をネットワークで接続し相互にデータを交流させることで、自律した最適な制御を実現するIoT(Internet of Things/モノのインターネット)技術を見いだしました。

コンピュータや通信装置などの情報機器以外の機器にセンサーや通信機能を組み込み、それぞれの機器でリアルタイムに生成される大量のデータを相互に連携することによって、人的オペレーションを介在しない遠隔からの計測や監視、制御が実現されます。

これにより、IoTを適用した機器を活用するユーザーサイドにおいては、飛躍的に高度化したサービスを享受できることとなりました。現在、都市インフラにおいては最適な居住環境を提供するスマートグリッドやスマートシティへの取り組みが推進され、カーナビゲーションではユーザーの走行状況に応じて渋滞や交通規制などの道路情報をリアルタイムに配信し、究極のカーライフを提供する自動運転システムの実現はもはや目前に迫っています。

一方、製造業においてはコンピュータ導入黎明期から推進したFA(ファクトリーオートメーション)により生産現場内のインテリジェンス化が図られていましたが、IoT技術の進化でインターネットを通じて生産現場外とのデータ共有も実現されたことにより、製造業のビジネス構造そのものに抜本的な変化が生じる結果となりました。

その顕著な事例として、米ゼネラル・エレクトリック社(GE)が提唱した「インダストリアル・インターネット」が挙げられます。GEでは、同社が全世界に供給する航空機エンジン、発電機、医療機器などの製品をネットワークでつなぎ、機器の稼働状況や計測指標、操作ログなどの膨大なデータを自社および顧客企業と共有することで、トラブル箇所の事前探知や製品機能の改善に役立てています。リアルタイムな解析データをベースにハードウェアの最適なパフォーマンスを実現する同サービスは、GEが追求する価値を「プロダクト本来の機能や付加価値」から「提供されるサービスに対する顧客満足度」へと大きくシフトさせることとなりました。

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製造業の創出価値を最大化するための課題

生産現場の内部と外部を結ぶデータの連携は、製造業の創出価値を最大化します。GDPの26%を製造業が担うドイツでは、製造コストが低い中国や最先端技術を駆使する米国に対抗してグローバル競争力を強化するために、国家的なプロジェクトとして国内製造業のビジネスプロセスを変革する「インダストリー4.0」を推進しています。

IoT技術を活用して生産現場と自社のオフィスやパートナー企業、さらには顧客をネットワーク化し、大量生産と顧客満足度の高い商品提供を両立する仕組みを構築する国家規模での取組みは、ドイツ国内製造業に900~1,500億ユーロ分の生産力拡大効果を促すと報告されています。

高付加価値化、低価格化、カスタム化を同時に達成する「マス・カスタマイゼーション」の推進は、製造業のあり方を、完成した製品を提供する「メーカー」から、ユーザーや他のパートナーとの連携を強化して高品質なソリューションを提供する「ハードウェア・ベンダー」へと変えていきます。これにより、従来は製造現場内部に集約されていたデータ管理とマネジメント統制の領域はマーケティングから製品配送に至るサプライチェーン全般へと広がり、組織全体で最適化されたビジネスプロセスの再構築が求められてきます。

ドイツでは「インダストリー4.0」を推進する基盤技術として、経営やマーケティングでの意思決定を製造プロセスに連動させるビッグデータ解析技術や、全サプライチェーン間でのデータ交換やネットワーク連携を推進する水平的・垂直的統合型システムの高度化に取り組んでいます。

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モデルチェンジする製造業の必然の選択肢・クラウドERP

サプライチェーン全体で最適化されたビジネスプロセスの再構築は中堅・中小規模の製造業においても必然の課題とされ、米国では基幹業務システムを従来の生産管理システムから他の業務とのスケーラブルな連携を確保するクラウドERPへとシフトさせる動きが加速しています。

米国ニュージャージー州を拠点とするUnionwear社は、米国全土に生産拠点と販売拠点を構築する従業員120名規模のアパレルメーカーです。個性的なデザイナーズブランドの直販展開は競合も多く、また生産拠点ごとにExcelを使ってKPI(主要業績評価指標)の集計を行っていたため、販売店での製品販売動向と各生産拠点の生産計画にギャップが生まれ、余剰在庫が発生しがちでした。同社の管理部門ではCRM顧客関係管理)システムを導入し顧客管理を強化していたものの、生産部門とは分断されていたため、サプライチェーン全体で最適化された顧客サービスを実現するに至りませんでした。

Unionwear社では、顧客ニーズを反映した生産管理を実効化する基幹業務システムの必要性を強く認識し、生産拠点と販売拠点の情報をシームレスに連携し、初期投資コストを抑えてシステムのアップグレードも容易なクラウドERPを導入。リアルタイムな生産・販売情報に連動した在庫管理の実現により、クラウドERP導入初年度だけで22万5,000ドル分の余剰在庫削減を実現しました。また、各生産・販売拠点のKPIが可視化されることにより生産スケジュールの調整やカスタムオーダーへの対応も容易になり、売れ筋商品をタイムリーに反映した生産・開発体制を構築することができました。

このように製造現場にクラウドERPを適用することで、明確な作業指示や適正な調達・在庫管理を伴う最適な生産管理体制の構築と同時に、フロントからバックヤードの業務が分断なく連携するフルフィルメントが確立され、顧客視点からのビジネスプロセスの最適化が実現します。IoT技術を活用した製造業のサービスイノベーションの推進には、生産管理ソフトからクラウドERPへの基幹業務システムの移行は必然の課題とされています。

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自立した最適なサプライチェーンマネジメントを支援するNetSuite

NetSuiteは、高付加価値な生産プロセスを統制する財務会計管理と原価計算、適正な在庫管理や生産計画、CRM(顧客関係管理)による顧客やパートナー関係の維持、顧客接点を拡大するEコマースなど、サービスイノベーションを推進する製造業に向けたソリューションを包括的に提供するクラウドERPサービスです。

IoT機器からの膨大なビッグデータから経営やマーケティングでの的確な意思決定を促すKPIを抽出し、共有するリアルタイムダッシュボード上に可視化することにより全サプライチェーン間でのデータ共有やネットワーク連携を推進して、効率的な生産スケジュールやキャパシティーの管理と受注処理からサポートに至るフルフィルメントを実現し、顧客視点から最適化された高品質なカスタマー・エクスペリエンスを提供します。

高い付加価値を創出する統合サプライチェーンマネジメントの実現にお役立ていただければ、幸いです。

NetSuite SuiteSuccess

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