在庫管理システムとは(第1回)~ 在庫の目的

 2013.06.18 

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在庫とは何か

今回は、まず、在庫とは何かというお話から始めます。簡単に言うと、在庫とは、販売のために仕入れた商品で、まだ販売されていない状態で倉庫などに保管されているものということになります。このような、商品の在庫は、流通・小売業でいう在庫に相当し、読者の皆さんが普通在庫ということばを聴いたときに思い浮かべるものです。

これに対して、製造業では、もう一つの種類の在庫があります。それは、生産のために仕入れた原材料で、まだ生産に使用されていない状態で倉庫などに保管されているものです。従って、製造業では、生産済みで販売できる状態だがまだ販売されていない製品(製造業の場合、商品を製品と呼ぶ場合が多い)と原材料の2種類の在庫があるということになります。今回のお話はより一般的な、流通・小売業における商品の在庫のお話を中心にしていきます。

在庫が必要な理由

さて、それではなぜ在庫が必要なのでしょうか。皆さんがお店で商品を買うとき、ほしい商品が見当たらなくて、お店の人に聞いたとします。その際に、①お店のどこかから探してもってきてくれる場合と、②今お店にないので取り寄せになる、取り寄せにはxx日かかるといわれる場合の、2つのパターンがあると思います。

①の場合はともかく、②の場合は、皆さんはおそらく、それでは別の店にいってみようと思うはずです。これは、そのお店にとっては、売上をあげる機会を失ったことになります。在庫を行う一番大きな目的は、このような売上の機会損失を減らすということにあります。

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このように商品があるかないかで機会損失が発生する例は、消費者向けの店舗販売業にあてはまります。企業に対して商品を販売するような業種の場合は、もう少し複雑になります。

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このような業種では、商品購入の問合せがあった際に、いつ納品できるか、つまり納期を回答する必要があります。この納期が早いか遅いかが、販売価格とともに、この商談が受注できるかどうかの重要なポイントになります。自社の倉庫に在庫があれば、運送に要する期間をそのまま納期として回答すれば良いのですが、もし在庫がなければ、さらにメーカーに問い合わせるなどして、より長い期間の納期を回答することになってしまいますし、メーカーからの回答によって納期自体がだいたい1ヶ月くらいといったあいまいなものになってしまうかもしれません。このような状況になると、やはり販売機会を失うことになりがちです。このように、受注の場面においては、その場で確実な納期を回答すること、その納期が短いこと、つまり在庫が常にあることが理想的であるといえます。

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ERP入門: 在庫管理システムとは(第1回)~ 在庫の目的①
ERP入門: 在庫管理システムとは(第2回)~ 在庫の引き当て
ERP入門: 在庫管理システムとは(第3回)~ 在庫の目的②
ERP入門: 在庫管理システムとは(第4回)~ 在庫管理システム
ERP入門: 在庫管理システムとは(第5回)~ 在庫金額計算
ERP入門: 在庫管理システムとは(第6回)~ 在庫と会計
ERP入門: 在庫管理システムとは(第7回)~ 在庫の最適化

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