用途によって異なるERPの種類と選び方

 2018.11.27 

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企業内の業務を効率化するため、これまで様々な業務内容に対応したソフトウェアが開発されてきました。近年の傾向として、クラウドを活用した新しい機能やさらに使い勝手の良いものが開発されていることはもちろんですが、近代的なERPの導入も進んでいます。

しかしERPもその形態によって種類が分かれます。それぞれの種類にどのような特徴があり、また、どのように選ぶと良いのかを紹介していきます。

ERPとは

ERPとは、広義にとらえると業務システムなどと役割が近く、よりその守備範囲が広くなったものであるともいえます。しかし単に機能が拡張されたものというわけではありません。大きく異なる点が2つあります。1つは各システム間における連携が取れるということです。ERPを使う場合、使用していく中で手に入った情報は部門などをまたいで一元的に管理されます。ただデータを渡したり受け取ったりできるだけではありません。異なるシステムが働いている場面であってもERP内の情報は互いに結びつき、無駄な重複作業を解消させてくれます。

さらに、データをまとめて管理できることで社内の状況が把握しやすくなります。このことが2つめの特徴に関係してきます。もう1つの特徴とは、経営の意思決定を助けてくれるということです。集められたデータはシステム内で分析され、そこから予測される傾向などを読み取ることもできるようになります。

ある特定の業務を効率化させるシステムなどと比較したとき、一般的にいわれているERPの特徴としては以上のようなものがあります。

ただし、ERPにも様々なタイプがあります。また開発元も様々です。そのため、できることにも違いが出てきます。 ERPが周知され始めたころは、大きな企業に導入されるものとして考えられていました。しかし中小企業向けに作られたERPパッケージなども登場し、製造業向けにパッケージされたものや海外進出企業に向けたパッケージなど、その他様々なパッケージの種類が存在します。

ERPは大きく3種類に分けられる

どれだけの機能が入っているのか、またどのように組み込まれているのかという視点からは以下の3種類に分けて考えることができます。

様々な機能が網羅的に統合されたオールインワンのタイプ、特定の機能のみを組み込んだ業務ソフトのようなタイプ、そして求める機能を組み合わせるように拡張していけるコンポーネントタイプです。

企業の基幹的なシステム、そしてその他様々な業務をカバーした統合型はERPとしてイメージする形に最も近いタイプであるといえるでしょう。会計システムや在庫管理システムサプライチェーン管理システム、人事給与システムなど、できることの幅が非常に広いことが特徴です。

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一方、業務ソフト型ではできることに限りがあります。しかし比較的規模の小さな企業や、ある特定の機能だけ導入したいという場合には有効です。また、ERP導入の際にネックとなる導入期間の長さについても短縮することができ、すぐに稼働させることができるという良さもあります。ただし、機能に特化したものをERPと言えるのかどうかは意見の分かれるところです。

コンポーネント型では必要になったタイミングで欲しい機能を選択し、それを追加させることができます。より柔軟性の高いタイプといえるでしょう。このコンポーネント型は統合型ERPでありながら随時拡張していけるものも存在します。企業規模や業務内容が大きく変わりつつある企業にとっては、こうした導入の仕方が合っているかもしれません。

ERPで利用できるシステム

それではERPでよく組み込まれているシステムにはどのようなものがあるのか、具体的に見ていきましょう。

定番のモジュールとしては

  • 在庫管理
  • 購買管理
  • 販売管理
  • 顧客管理
  • 生産管理
  • 会計管理
  • 人材管理

を行うシステムなどがあります。業界によってそれぞれの重要度に違いはありますが、どれも企業活動の基幹をなすものです。これだけの機能を備えたERPを導入すれば、業務効率などは大きく改善されることでしょう。

また、勤怠管理などができるものや、AIや機械学習と連携可能なもの、IoTなどとの連携ができるもの、社内のコミュニケーションを円滑にするツールが使用できるようになっているものまで、各ERPによって個性も出てきています。

こうした機能の違いはERPシステムの導入方法の違いも影響してきます。つまり、オンプレミス型による導入なのか、クラウド型による導入なのかといったことが利用形態を左右することにもなるのです。

オンプレミス型とクラウド型とは?

ERPの導入では「オンプレミス型」と「クラウド型」に大きく分けることができます。

オンプレミス型とは、これまで業務ソフトなどを導入する際に一般的に用いられてきた方法のことをいいます。つまり、自社のサーバーにシステムを構築することになり、導入したその企業が管理・保管していくものです。一方でクラウド型は近年登場したタイプで、急速に成長してきています。これはERPのシステムをインターネット上に構築し、利用側がここにアクセスするようにして使っていく、というタイプになります。それぞれにメリット・デメリットはあるものの、徐々にクラウド型へと移行が進むとも見られています。

オンプレミス型については、自社内で保有することになるため、カスタマイズが自由にでき、完全に自らの企業活動に適した形を構成することができます。しかし、デメリットとしては費用と導入期間の長さなどが挙げられます。当然自社サーバーの準備が必要になるため、サーバー構築やライセンス費用なども合わせてかかってきます。カスタマイズをすればさらに費用は増してくるでしょう。

クラウド型の場合、サーバーの構築などは不要で、比較的手軽に導入ができます。導入にかかる期間も、すぐとはいきませんが、オンプレミス型と比べるとはるかに短縮されます。システムにバージョンアップなどがあっても即座に適用することが可能です。例えばOracle ERP Cloudでは四半期に一度、更新があり常に最新のソフトウェアを利用いただけます。

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ERPの選び方

機能面では統合型から業務ソフト型、コンポーネント型などに分けられ、導入方法もオンプレミス型・クラウド型と分かれています。導入方法については、同じERPソフトで選択できることもありますが、異なる別の商品として分けられていることもあります。また主要の開発会社だけでもいくつもあります。

ERPは会社全般のシステムを司ることになります。そのためできるだけ慎重に選ばなければなりません。そのためにもしっかりと目的意識を持って導入に踏み切るべきです。漠然と業務効率を上げようとするのではなく、現状抱えている問題としてどのようなことがあるのか、そしてどのようなシステムがあると便利なのか、見直さなければなりません。

また、導入して終わりではなく、導入後の在り方まで考えながら選ぶ必要があります。ERPは必ず良い結果をもたらすとは限らないからです。残念ながらERPの導入で失敗してしまった企業もあります。費用や機能性はもちろん、使いこなすために社員の教育が必要になるのかどうか、システムの操作性なども大切です。企業の目的や状況、コストパフォーマンスなども考慮しながら選択するようにしましょう。どのようなサポートが受けられるのかということも重要になるでしょう。

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まとめ

ERPでは導入方法の違いもありますが、企業ごとの用途に合わせて種類が多様に存在します。ERPを選ぶ前に、一度社内の状況を把握することから始めると良いでしょう。具体的にどのような機能が必要で、どのような利用形態が望ましいのか知らなくてはなりません。自社には何が問題となっていて、何が必要なのかをしっかりと理解した上で選択するようにしてください。

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