ERP導入で得られるメリットを解説

 2019.05.16 

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もはや説明不要というほど、ERP(Enterprise Resource Planning)は昨今のビジネス環境と深いかかわりを持っています。クラウドERPの台頭でERPを導入する企業は年々増加傾向にあり、大企業だけでなく中小企業もそのメリットに着目しています。本稿では、そんなERP導入で得られるメリットについて解説しています。

ERPって何ができるの?どんなメリットがあるの?デメリットはないの?といった疑問を解消していきたいと思います。

ERP導入のメリット

それではさっそく、ERPを導入することのメリットについて一覧で解説します。

1.経営情報を統合したデータベースが構築できる

ERPを導入することにより、現在部門ごとに分断化されているICTシステムのデータをすべて一ヵ所に統合したデータベースを構築できます。既存環境を繋ぐ単一データベースを構築するよりも圧倒的に簡単に経営情報を統合できます。

2.大規模なICT環境を少ない工数で実現できる

ERPは非常に大規模なICT環境であり、これを独自に開発するとなると少なくとも3年以上の長期プロジェクトが必要になります。ERPパッケージソフトウェアを導入することで、開発期間を最小限にとどめます。

3.運用保守作業の一元化によって担当者負担が軽減する

ICT環境が統合されることによって、今まで運用保守作業にかかっていた工数を大幅に削減することで担当者負担が軽減されます。それにより余ったリソースをICT戦略に回すことで、成長体質を作り上げることにもつながります。

4.ICTシステム同士の連携によって各部門で業務効率が向上する

ERPに統合されているICTシステムはすべて事前に連携が取れています。たとえば販売管理システムに入力されたデータが自動的に在庫管理システムに反映されたり、原価管理システムに反映されることで自動的に原価計算を行ったりできます。これにより、各部門での業務効率が大幅にアップします。

5.リアルタイムな経営情報可視化ができる

経営者はERPが提供するダッシュボードを通じて、企業全体から必要な情報だけを抽出して確認することができます。リアルタイムな経営情報可視化を実現することで、経営戦略に関する意思決定が迅速化します。

6.データの整合性が取れ信頼性を担保できる

ICTシステムが部門ごとに分断されている環境では、さまざまな問題からデータの信頼性が低くなります。これに対して、ERPではICTシステムがそれぞれ連携しているため、二重のデータ入力作業等は無く、データの整合性が取れた信頼性を担保できます。データの信頼性が低いと、営業が在庫管理システムを見てもそのデータを信用できないがためにわざわざ在庫保管場所に足を運んだりするため、ERPがあればこうした手間を効率化する効果もあります。

7.既存の業務プロセスに改革を起こしやすくなる

既存の業務プロセスに問題があることを認識していても、それを改善できないケースも少なくありません。そこでERPを導入すると一種の業務改革を起こすことができるため、業務プロセスをより効率的に再設計することができます。

8.システム運用保守対象が狭くなることで情報セキュリティが強化される

ERPは従来に比べて運用保守となる対象が狭くなります。それはつまり、情報セキュリティの範囲も狭くなるということで、必然的に情報セキュリティが強化されることになります。

9.コーポレートガバナンスが強化されグリップの利いた経営が実現できる

データの整合性が取れているとコーポレートガバナンスを強化するための体制が整えられ、グリップの利いた経営を実現することができます。

10.グループ企業と連携することでグループ全体の情報可視化が可能になる

昨今ではERPを本社企業だけで活用するのではなく、グループ全体に適用することで全体的な情報可視化を行おうとする活動が増えています。その際はクラウドタイプのERPを検討することが多く、インターネット回線を通じてERP共有を容易にします。

11.ビジネスニーズの変化へ迅速に対応できる

各ICTシステムで連携が取れていると、ビジネスニーズの急激な変化にも迅速に対応できます。特に開発プラットフォームを提供しているERPならば、常に最適なICTシステム環境を構築できます。

12.グローバルビジネスを展開しやすくなる

多言語や多通貨、各国税制対応のクラウドERPを採用すれば、比較的容易に海外へのシステム展開が行えます。これにより世界規模で業務プロセスの均一化やビジネスの見える化が可能になります。

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ERPがあると何ができるのか?

ERPは「経営資源計画」といって、企業が保有する人・物・金の情報を統合的に管理することによって、データにもとづいた経営戦略・人事戦略・営業戦略・販売戦略等を立てたり、それらの戦略における意思決定を迅速にしたりするためのマネジメント手法です。ただし、昨今ではERPといえば「経営資源計画を実現するためのICTシステム」という認識が一般的であり、本稿でも「ERP=ICTシステムとしてのERP」で話を進めていきます。

まずは、ERPでなにができるかを一覧で確認していきましょう。

●財務管理

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企業の財務体質の把握と改善を行い、将来的な財務計画を立てる

●会計管理

財務会計・管理会計のための情報を提供し素早い決算業務を行う

●生産管理

商品の生産計画や調達計画、在庫管理などを統合的に行う

●販売管理

商品やサービスの受注・売上・出荷・請求を管理する

●品質管理

商品やサービスの品質保証など、品質に関わる管理を行う

●資産管理

ICTシステムやネットワーク機器などの固定資産に限らず、リース契約などの変動資産の管理を行う

●債権管理

顧客への代金請求・代金回収など債権履行を効率良く行う

●債務管理

取引先への代金支払いなど債務履行を効率良く行う

●原価管理

複数のICTシステムから原価情報を収集して適切な原価管理を行う

●人事管理

人材情報の集約を行い適材適所を実現する

顧客管理

様々な顧客情報を管理しあらゆるビジネスに役立てる

●プロジェクト管理

プロジェクトの進捗・コスト・収支等を管理しプロジェクト利益を向上する

●ワークフロー

経費関連の申請・承認、人事総務関係の申請・承認、社内稟議や請求書等の申請・承認を効率良く行う

Eコマース

販売管理とEコマースを連携させてWebサイト上での販促活動を実現する

●マーケティング

顧客情報を集約してマーケティングに活用できる形でアウトプットする

●BI(Business Intelligence)

データベースに蓄積されたデータ全てを対象に、必要なデータを抽出したりグラフ化を行ったり、任意の項目で分析を実行する

ERPは製品によって提供されている機能が違うため、これらの項目をすべて実現できる製品もあればそうでない製品、あるいはまったく別の項目を実現できる製品もあります。

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ERP導入にデメリットはあるのか?

メリットがあればデメリットもあるのが理ですので、当然ながらERPにもデメリットはあります。特筆すべきデメリットはやはり「初期投資」です。いくらパッケージソフトウェアを利用するといっても、ERP導入に数千万円の初期投資が必要になるケースは少なくありません。そのため、中小企業としてはこの初期投資をいかに抑えるかが至上命題になるでしょう。

このデメリットを解消するには、クラウドERPなど初期投資を大幅に抑えられ、かつ運用保守作業をERPベンダーに任せられるような製品が必要です。自社にとって最適なERPの形について考え、最適なERP導入を目指していただきたいと思います。

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