予算管理を行うことで、企業は計画と実績の差異分析ができるようになったり、予算編成に対する進捗を管理できるようになります。これらの行為はすべて”事業の利益を確保する”ためのものであり、予算管理を行っている企業とそうでない企業とでは、利益率に大きな開きが生じます。
Excelで行う予算管理が難しいワケ
予算管理を正しく行うためにはその方法論を理解することはもちろん、PDCAサイクルを回すということも大切です。しかも、そのサイクルは細かく高速でなくてはなりません。
となると、Excelでの管理では難しい問題が多数発生してしまいます。そもそもExcelとは表計算ソフトで予算管理を行うことを想定していないので、予算管理として最適なフォーマットを作り出すことができません。、作れないことはないですが、ほとんどの場合複雑な構成になってしまって、直感で理解できるようなフォーマットにはならないでしょう。
また、Excelでは配布・収集・集計にかなりの時間がかかってしまいます。スピード感あるPDCAサイクルが大切な予算管理において、1ヵ月も前のデータを取得して行う管理には、あまり意味はないのです。
他にも、最新版がわからなくなる、クライアントに誤送信してしまったなど、Excelでの予算管理環境では様々な問題が発生してしまいます。企業が正しい予算管理を行いたいのであれば、まずはExcelでの管理環境を見直すのが先決と言えるでしょう。
では、予算管理に最適な管理環境とは何でしょうか。経営者や経理担当が予算管理について深く理解するといったこともそうですが、まず大切なのは“予算管理システム”や、それを含んだソリューションを導入することです。
予算管理をシステム化することによって、Excelでの管理環境で生じていた問題の大部分を解消することができます。各ユーザーが同じシステム上で予算編成や管理を行うので、配布・収集・集計には1時間もかかりません。また、常に最新版で保持されたりそもそもメールでの送信が不要なので、クライアントへ誤送信してしまう心配もないでしょう。
そんな予算管理システムを導入する際、第一に大切なのが“最適な製品選び”です。自社にフィットするような製品を導入できなければ、いくら予算管理システムといっても機能してくれることはありません。最適な製品選びができてこその、予算管理システムです。
そのためにはまず、予算管理システム各製品の特長を知ることが大切となります。次項より予算管理システム8製品の特徴を紹介していくので、ぜひ製品選定時の参考にしてください。
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1.Adaptive Planning
「Excelからの脱却はしたいが、やはり使い慣れたものがいい」という企業には、Excel操作に近いインターフェースを持つAdaptive Planningがおすすめです。前述したようにExcelでの予算管理には様々な問題がありますが、我々ビジネスパーソンにとって慣れ親しんだ、使いやすいソフトウェアであることは確かです。
ならば、Excel操作に似た機能を提供している予算管理システムを選べばいいだけの話。Adaptive Planningは、そんな企業のニーズをかなえる製品です。
https://www.adaptiveinsights.com/jp/products/adaptive-planning
2.Attack Board
Attack Boardはどちかというと“経営管理システム”に近い製品ですが、徹底して予実管理を行えるという特徴もあります。また、マイナンバー管理にも対応しているので、幅広い機能を活用したいという企業におすすめです。
Attack Board for WEBをオプション製品として導入することでWeb上からのデータ入力も可能になります。
3.DIGGLE
「無料ではじめる予実管理サービス」をコンセプトに提供されており、基本機能はすべて無料で利用できるのがDIGGLEです。業種別のテンプレートやデータのエクスポート機能、権限管理機能などのオプション機能を追加することで費用が発生します。
Excelから脱却して、とりあえず予算管理システムを試用したいという企業におすすめです。
4.Jedox
Jedoxは予算管理や業績管理に加え、ビジネスインテリジェンスによってデータ分析が可能な海外製品です。クラウド版ならば低コストで予算管理とデータ分析を取り入れることができるので、低予算で導入したい企業におすすめです。
5.Oracle PBCS(Planning and Budgeting Cloud Service)
Oracleが提供するクラウド型の予算管理システム。価格は月額1万4,400円/ユーザーと高めに設定されていますが、Excelから脱却したいという企業におすすめの製品です。予算管理システムとしての機能はトップクラスなので、高度な予算管理が行えるようになります。
ただし、オーバースペックとならないよう、要件定義としっかりと照らし合わせた上で導入を検討しましょう。
http://www.oracle.com/jp/applications/performance-management/pbcs/overview/index.html
6.PBCS 予算管理・多軸分析クラウドサービス
Oracle PBCSをベースにして提供されている予算管理システムです。機能面はほぼ同じですが、多軸分析を取り入れたことによって高度な分析が可能になりました。
https://www.tis.jp/service_solution/pbcs/
7.Sactona
Sactonaは予算管理だけでなく管理会計や経営管理といった、意思決定を下す上で重要な情報を提供する管理業務に特化しています。また、運用サポートを受けることができ、導入後の運用に自信がないという企業でも安心して導入できます。
https://www.outlook.co.jp/sactona
8.予算管理クラウド(Fujitsu)
日本の商習慣を理解している企業だからこそ、日本企業にあった業務テンプレートを提供しています。また、企業の変化に対しても柔軟に対応できる製品なので、昨今活発になっているグループ再編やM&Aが起きても最適な予算管理環境を維持できます。
まとめ
予算管理は経営そのものです。事業の利益を上げ、プロジェクトを継続して改善していくためには欠かせません。現在Excelで予算管理を行っているという企業は、今回紹介した製品情報を参考に、予算管理システムを検討しましょう。
また、ERPで統合されたシステム環境を導入するという方法もあります。単体システムとして導入するよりも、組織全体の作業効率をアップできるので、こちらも併せてご検討ください。
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- カテゴリ:
- 経営/業績管理
- キーワード:
- 予実管理