車両管理アプリの機能と課題

 2021.11.26 

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物流や運輸業に限らず、営業や役員などのために企業は多くの車両を保有しています。従業員が社用車を使用する際、管理者はその使用状況を把握することはできません。そのため管理の目が届かないことで、車両を適切に使用していなかったり無駄に時間を費やしている可能性もあります。経営者や上司としてはもちろん「我が社の社員に限ってそんなことはない」と信じたいものですが、現実問題として管理を徹底しないとトラブルを生みだしてしまうことも少なくないのも事実です。

もう一つ、車両管理を徹底すべき理由は無駄なコストを使わないためです。車両は走行のためにガソリンを消費しますし、維持するだけでも税金がかかります。さらに定期点検や故障対応など意外とコストがかかるものです。そうした中で車両管理が徹底されていないと、無駄なコストを費やすことになります。

車両は“会社の資産”なので、より厳しい基準でこれを管理することが大切になるのです。そこで今回ご紹介するのが“車両管理アプリ”についてです。車両管理におけるアプリケーション利用の有用性と、課題についてお話します。

車両管理アプリとは?

文字通り車両管理を実行するためのアプリケーションです。スマートフォンやタブレットにインストールするだけで、車両の走行に関するデータを収集したり様々な機能を提供しています。

たとえばとある車両管理アプリは、スマートフォンやタブレットのGPS信号を受信して現在の走行速度や走行距離に加えて、急ブレーキ、急発進、急ハンドルまで可視化でき管理者はそれをタイムリーに監視できます。運転手はその日の運転を振り返ることで、より安全な運転を目指せるというわけです。

この他には安全啓発動画等のコンテンツを運転手に発信したり、様々な機能によって車両管理を徹底することが可能です。

車両管理アプリを使用すれば従業員がどのようにして社用車を使用しているかが把握できますし、どこに立ち寄ったか、どこで停車したか、どれくらい時間がかかったかなどすべての情報を把握できます。

しかもアプリケーションをスマートフォンやタブレットにインストールするだけなので、容易に導入できるのもメリットの一つです。

車両管理アプリの課題

色々とメリットの多そうな車両管理アプリですが課題もあります。各課題について詳しく説明しましょう。

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GPSが無効だと機能しない

車両管理アプリは基本的にスマートフォンやタブレットのGPS信号をキャッチした、車両データを収集します。そのためGPSが無効になっているとデータが取得できないので走行状況を把握することは不可能です。GPSの有効無効はワンタッチで行えるものなので、従業員が「気づかないうちに無効になっていました」と言えばそれ以上は追及できないでしょう。

バッテリー切れ問題

スマートフォンやタブレットはGPSを常に有効にしているとバッテリーの消費が早くなります。車両に充電アダプタを設置しておけばよいのですが、挿し忘れによってバッテリーが切れてしまう可能性もあるでしょう。

管理に限界がある

車両管理アプリはそれ単体で稼働するものなので、他のITシステムとの連携は原則として考慮されていません。そのためすべての情報が管理できるわけではなく限界もあります。たとえば会社が保有している車両の中で、車検が近づいている車両だけ抽出して表示させたいといった高度な検索機能はないでしょう。こうした機能はやはり資産管理システムなど他の業務システムと連携することで実現します。さらに昨今普及しているIoTセンサーを車両に搭載して、そのデータを収集することもできないでしょう。車両管理アプリはあくまでスマートフォンやタブレットで使用するアプリケーションですので、やはり管理には限界があります。

抵抗感が生まれる

これは車両管理アプリに限った話ではなく、大規模な車両管理システムでもよくある課題です。車両運転中に管理されていることを嫌う従業員が必ずいます。彼らの中には真面目に仕事に取り組んでいるが車両運転中をリフレッシュの時間としてる人もいます。そのため、「従業員は管理されて当たり前だ」と簡単に切り捨てることはできません。車両管理アプリを導入するメリットを、企業視点と従業員視点で説明し、理解を得ることが大切です。

以上のように車両管理には課題も多く残されています。次に、これを解決するためのERPについてご紹介しましょう。

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車両管理とERP

車両管理アプリにある課題の半分以上はERPを導入することで解決します。ERPとは“Enterprise Resource Planning(経営資源計画)”の略であり、企業に欠かせないあらゆる業務システムを一つに統合したIT製品です。日本では1990年代後半から2000年代にかかえて普及が進み、当時は「海外有名企業のベストプラクティスを導入できる」というキャッチフレーズから人気を集めました。

ただし当時ERP導入に成功した企業はそう多くはありませんでした。なぜなら海外企業と日本企業では商習慣の違いが大きく、システムと業務実態のギャップを埋めるために導入プロジェクト以上の労力が必要になるケースが多かったためです。そこでERPブームはいったん下火になったものの、現在では再度大きく燃えています。

その理由は日本企業のグローバル化が進んだことで海外企業との商習慣の違いが埋まりつつあり、さらにはクラウドERPの登場によって中小企業でもERPを活用できる時代が到来したからです。

クラウドERPとはインターネット経由にてサービスとして提供されるERP製品のことです。企業は大規模な社内インフラを構築する必要はなく、パソコンとインターネットに接続するための環境さえあればERPを導入できます。システムはERPベンダーが管理しているので運用負担もほとんどありません。加えて通常のERPよりも導入コストをかなり抑えられるので経済的負担も少なくなっています。

このERPがなぜ車両管理に適しているかというと、ERP製品によっては車両管理システムを搭載していたり、IoTセンサーとのデータ連携で高度な車両管理を実現できるからです。

たとえば車両管理アプリではスマートフォンやタブレットのGPS無効、あるいはバッテリー切れにデータを収集できません。しかしERPならIoTセンサーを車両に取り付けることで、IoTセンサーから様々なデータを収集し、GPS無効やバッテリー切れに関係なく車両を管理できます。

もう一つ大きなメリットは収集した情報を自動的に分析して様々な知見を見出したり、他の業務システムと連携して業務を円滑に進められることです。ERP製品の中にはビジネスインテリジェンス(BI)といって、収集したデータを自動的に分析する機能が備わっています。これを利用すれば車両のより効率的な走行ルートを探索したり、車検が近づいている車両について自動的にアラートするなどの効率化が実現します。

クラウドERPならこうした基盤を簡単に構築できるので、これからの車両管理の徹底におすすめです。

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まとめ

車両管理は会社の中でも見落とされがちな業務の一つです。車両は動くものでそれを使用するのは人だからしょうがない、と諦めるのではなく徹底的に管理した車両に関するたくさんの無駄を排除した、コスト削減と生産性向上を目指しましょう。その際は、どういったITソリューションを導入すべきか慎重にご検討ください。手軽に導入できる車両管理アプリか、高度な車両管理を実現するERPか、どちらが最適化は環境によっても違うので十分検討した上で最適なものを選びましょう。

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