今さら人に聞けない“ERP”と”SCM”の違い

 2016.12.14 

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今回はビジネスワードとして混同されがちな、ERP(Enterprise Resource Planning)“SCM(Supply Chain Management)“の違いを明確に解説していきます。

同時にシステムとしてのERPとSCP(Supply Chain Plannig)システムの違いを紹介しつつ、最後にはクラウドERPソリューションNetSuite(ネットスイート)”についても紹介しますので、ぜひご覧ください。

SCMは調達~販売まで一連の流れを効率化するための管理手法

まずSCMでは、“広義の意味でのSCM”“狭義の意味でのSCM”という2つの解釈があります。

広義の意味でのSCMは、原材料/部品の調達から製造、在庫管理、販売、配送/輸送といった連鎖的に繋がっているサプライチェーン全体を最適化することで、顧客に最良価格で製品を提供し企業としての利益を最大化していくという概念です。

対して狭義の意味でのSCMは、企業内におけるサプライチェーン全体を最適化することで、生産性を高めていくための管理手法だと言えます。

このSCMの概念を具体化している代表的な管理手法が、トヨタ自動車が開発した“かんばん方式”です。

かんばん方式とは?

かんばん方式とは「必要なときに、必要なものを、必要な分だけ」という“ジャストインタイム”のもと、在庫をできるだけ持たずに効率よく生産していくための管理手法です。

各部品箱には“かんばん”が付いており、部品を使用するたびにかんばんが外され供給元へと回収されます。

供給元は回収してかんばんを確認することで、「何を、いつ、どこに、どれくらい」供給すればいいのかが分かり、極力在庫を持たずに生産プロセス全体を効率化できます。

このかんばん方式は現在電子化され、データでのやり取りによりさらに効率化された生産環境を構築しています。ちなみに後述するSCPシステムはこのかんばん方式の概念を取り入れた管理システムです。

参考:トヨタ自動車「かんばん方式とは何ですか?

ERPはヒト/モノ/カネ/情報といった企業資源を有効活用するための管理手法

企業にはヒト(人材)、モノ(製品やサービス)、カネ(資産)、情報(売上/顧客データ等)という4つの資源を回すことで機能しています。

ERPとは、この企業資源を最大限活用するために、適切な管理を行おうという概念です。

SCMとの明確な違いは“調達~販売といった業務に限定されない”ところでしょう。つまり、ERPはSCMを含んださらに広い意味での効率化だと言えます。

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もう一つの違いは、ERPを実現するためには“統合的なシステム環境が不可欠”という点です。

前述のようにSCMを実現する上で、物理的なかんばん方式を取り入れれば比較的小規模な環境ならばシステムレスで実現可能です。

しかし、ERPでは企業資源すべてを一つに集約し、かつリアルタイムで可視化できるようにする必要があります。

従ってERPを実現するためには統合的なシステム環境が不可欠なのです。

ERPシステムとSCPシステムの違い

ERPシステムとは、ERPという概念を実現するため会計システム調達管理システム受注管理システムなど経営上必要な基幹系システムを統合的に提供するためのものです。

対してSCPシステムとは、SCMを実現するため調達~販売までのサプライチェーン全体を管理するためのシステムになります。

つまり、SCPシステムはERPシステムの一部として提供されている機能の一つだと言えます。もちろんSCPシステム単体でも提供されているので、SCMを実現するためには必ずしもERPシステムを導入しなければならないわけではありません。

ERPシステムでは何を実現できるのか?

では、ERPシステムで実現できる具体的な事とは何でしょうか?第一に挙げられるのがやはり“企業資源の可視化”です

ERPシステムでは会計システムや販売システム、購買システムや在庫システム、人事システムなどによってヒト/モノ/カネを常に確認することができます。

また、各システムから生成されたデータやBI(Business Intelligence)によりダッシュボードで可視化されるので、全ての情報をリアルタイムに閲覧することができるのです。

もう一つ、ERPシステムで実現可能なものとして代表的なのが“組織全体の業務効率化”です

ERPシステムで提供される各システムでは、それぞれがシームレスに連携され常にデータのやり取りが行われています。

例えば従来の分断されたシステム環境では、営業が在庫確認を行うためには製造部へ連絡するか、自らが管理場所まで赴き確認する必要がありました。

しかしこうした環境では、顧客へのレスポンス速度が低下するのはもちろん、管理不備によるトラブルが発生しやすくなってしまいます。

これがERPシステムを導入していると、営業は管理部門に連絡せずとも在庫管理システム上で製品在庫数を確認でき、顧客へのレスポンス速度が向上すると同時に適切な在庫管理を行いやすくなります。

そしてこの効率化例はあくまで一部のものです。ERPシステムを導入することで、組織全体で上記のような効率化を実現し、労働生産性の向上や利益の最大化を図っていくことができます。

[SMART_CONTENT]

クラウドERP“NetSuite”が提供するSCMとは

クラウドERPとは、前述したERPシステムをWebベースで導入することにより、導入期間の短期化や導入コストの削減、運用管理の効率化などを実現するソリューションです。

今回詳しい解説は割愛しますので、クラウドERPの詳細については以下の記事を合わせてご覧ください。

参考:「クラウドERPを導入する10のメリットと選ばれている理由

そしてNetSuiteは、クラウドERPとして世界No.1のシェアと導入実績を誇るソリューションです。

NetSuiteではSCMとして、各業界に最適化された在庫システム/購買システム/仕入システム/生産システム/需要予測/Eコマース/出荷配送システム/受注システム/顧客システムなどを提供し、SCMを実現するための全てが詰まっていると言えます。

さらに、開発プラットフォームを提供することで柔軟なカスタマイズ性を実現しており、企業ごとに管理コードの変更やアプリケーション開発が行えるので、クラウドERPながらオンプレミス同様に最適なシステム環境を構築することができます。

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まとめ

従来ERPシステムは大企業が導入するソリューションというイメージが強くありましたが、NetSuiteのようなクラウドERPの有用性が認知されたことで、中小企業における統合的システム環境が拡大しています。

同時に、SCMを最適化し利益向上なども行えるので、今後は企業規模を問わずERPシステムで統合的システム環境を構築するという光景が多方面で見られるでしょう。

そしてNetSuiteは、そうした環境を迅速かつ低コストな導入で実現する製品です。運用管理なども不要ですので、管理にリソースを割けない中小企業におすすめなクラウドERPソリューションです。

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