本記事では、クラウド会計ソフトの概要やさまざまなメリット・デメリット、導入時のポイントを詳しく解説します。また、主要なクラウド会計ソフトの価格や特徴を比較し、企業の規模に応じたおすすめソフトも紹介していますので、自社に適したソフト選びでお悩みの際は、ぜひ参考にしてください。
クラウド会計ソフトとは?
クラウド会計ソフトとは、インターネット上で動作する会計ソフトのことを指します。従来のインストール型会計ソフトとは異なり、クラウド会計ソフトはインターネット環境さえあれば、どこでも使用可能です。このため、専用のPCやサーバーを用意してソフトをインストールする必要がありません。また、クラウド上で運用されるため、データのバックアップが自動的に行われ、データ消失の危険性がありません。さらに、仕訳・伝票の入力や帳簿の作成など、さまざまな機能が付随しており、企業の会計業務を効率的にサポートします。
クラウド会計ソフトは、このような利便性の高さと充実した機能性から、多くの企業に選ばれています。
会計ソフトの概要について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
従来型の会計ソフトとの違い
従来型の会計ソフトとクラウド会計ソフトの大きな違いは、アップデートの方法にあります。従来型のソフトでは、新しいバージョンや機能の追加に際しては、手動でのインストールや更新作業が必要でした。そのため、アップデートのたびに時間や、場合によっては追加の費用がかかることもありました。
一方、クラウド会計ソフトはインターネット上で動作するため、ソフトウェアのアップデートは自動的に行われます。これにより、常に最新の機能やセキュリティ対策が適用され、ユーザーは安心して利用できます。
クラウド会計ソフトの価格比較表
▼ソフト名|月額価格(税抜き)|特徴|提供元
- freee会計|スタンダード:11,980円~(年払い8,980円~/月)、スターター:7,280円~(年払い5,480円~/月)、ひとり法人:3,980円(年払い2,980円/月)、|法改正に完全対応、金融機関並みのセキュリティ|freee株式会社
(参照元:https://www.freee.co.jp/accounting/sb/pricing/) - MFクラウド|ビジネス:5,980円(年払い4,980円/月)、スモールビジネス:3,980円(年払い2,980円/月)|業務効率の大幅な改善、経営状態の見える化を実現|株式会社マネーフォワード
(参照元:https://biz.moneyforward.com/accounting/price/) - 弥生会計オンライン|ベーシックプラン:3,133円(年払い37,600円)、セルフプラン:2,316円(年払い27,800円)|最初の1年間は0円、簡単な操作|弥生株式会社
(参照元:https://www.yayoi-kk.co.jp/kaikei/price/) - ジョブカン会計|エンタープライズ:50,000円、ビジネス:5,000円、スタートアップ:2,500円|軽快な操作性、他のジョブカンシリーズを利用している場合に特別料金が提示|株式会社ジョブカン会計
(参照元:https://ac.jobcan.ne.jp/) - 勘定奉行クラウド|iSシステム:28,000円~+70,000円(初期費用)、iBシステム:23,500円~+60,000円(初期費用)、iAシステム 19,500円~+50,000円(初期費用)、iJシステム:11,750円~+50,000円(初期費用)、iEシステム:7,750円~|導入から稼働までサポート、AIのアシストを活用してミスを削減|株式会社オービックビジネスコンサルタント
(参照元:https://www.obc.co.jp/bugyo-cloud/kanjo/price) - OBIC7|要相談|業務プロセスの可視化、内部統制の強化|株式会社オービック
(参照元:https://www.obic.co.jp/erp_solution/accounting_info/) - PCAクラウド会計|4,200円~(ユーザー利用ライセンス)+12,000円(サーバー利用ライセンス)|他のPCAソフトを利用した数に応じて、PCAクラウド会計の利用料金が安くなる|ピー・シー・エー株式会社
(参照元:https://pca.jp/area_product/cloud/plan_initial.html) - Biz∫会計|要相談|グループ利用を想定し、連結決算の業務を効率化|株式会社NTTデータ・ビズインテグラル
(参照元:https://www.biz-integral.com/solution/kaikei/)
※記載の情報は2024年8月時点のものです。
おすすめのクラウド会計ソフト
続いて、企業規模に合わせたおすすめのクラウド会計ソフトやクラウドERPを3つ紹介していきます。
中小企業向けなら「弥生会計オンライン」
「弥生会計」は、会計ソフトの先駆け的存在として長年多くの企業に支持されており、特に中小企業での導入率が非常に高いです。中でもクラウド版である「弥生会計オンライン」は、従来の使い慣れた操作性をそのままに、クラウドの利便性を活かした機能を備えています。
さらに、簿記や会計の知識がなくても安心して使用できる点が大きな特徴です。取引データはAIが自動で仕訳し、日付と金額を入力するだけの「かんたん取引入力」を利用することで、簡単に帳簿を管理できます。
また、初年度無料で利用できるため、初めてクラウド会計ソフトを導入する企業にとって導入のハードルが低い点も魅力です。
サポート体制も充実しており、操作方法や設定方法のサポートだけでなく、仕訳や経理業務に関する相談にも対応しているため、業務の安心感を高められます。コストパフォーマンスに優れた本ソフトは、中小企業にとって最適な選択肢といえます。
大企業向けなら「MFクラウド」
「MFクラウド」は既存のプランに加え、会計や法務などの幅広い業務領域に対応するシステムを、ひとつから導入できる柔軟なプランを提供しており、企業の成長に合わせて最適な組み合わせで利用することが可能です。この柔軟性により、企業は成長段階に応じて必要な機能を追加でき、効率的な業務運営を実現します。
さらに、MFクラウドは外部連携機能に強みを持っており、他社のクラウドサービスや銀行の金融システムとスムーズに連携します。これにより、データの一元管理やリアルタイムな情報共有が可能となり、業務効率を大幅に改善します。
また、事業規模が大きい上場企業などの場合でも、「MFクラウド会計Plus」など、より上位のソフトへの移行が可能であり、企業の成長に伴うニーズにも対応しています。総合的に、業務効率の向上と企業の成長をサポートするMFクラウドは、大企業にとって最適な選択肢です。
会計分野に留まらない事業データの可視化ならERP「NetSuite」
クラウドERPとは「統合基幹業務システム」とも呼ばれ、企業に必要な業務システムをオールインワンで提供するソリューションです。会計データはもちろん、販売データ、在庫データ、営業データ、Eコマースなど、あらゆるデータを統合的に可視化し、経営戦略の意思決定を迅速化します。また、グローバル対応が可能で、国をまたいだ拠点間での情報共有も容易です。
数あるクラウドERPの中でも「NetSuite」は、会計分野を超えた包括的な事業データの可視化と、業務効率の大幅な向上を実現する強力なツールです。
NetSuiteは、さまざまな業務プロセスを統合的に管理し、異なる部門間でのデータの一元化を可能にします。ダッシュボードやレポート機能により、リアルタイムでの情報共有や分析が容易に行える点も特徴です。特に、事業規模が大きく複雑な業務フローを持つ企業にとって、NetSuiteの柔軟なカスタマイズ機能は、各企業のニーズに応じたシステム構築を可能にします。さらに、クラウドベースであるためどこからでもアクセスでき、常に最新の状態でシステムを運用できます。加えて、27種類の言語、190種類を超える通貨や為替レートに対応しており、グローバルなビジネス展開を支援してくれます。
クラウド会計ソフトの主な6つの機能
クラウド会計ソフトの代表的な機能としては、以下の6つが挙げられます。
1. 仕訳・伝票の入力
領収書や請求書をスマートフォンでアップロードすると、日付や金額などの情報が自動的に認識され、仕訳が自動生成されます。これにより、手動で仕訳を入力する手間が大幅に省け、入力ミスのリスクも軽減されるため、日常的な経理業務の効率化に大きく貢献します。
2. 帳票の作成
帳票とは、仕訳帳や総勘定元帳、試算表など、会計業務に必要な書類を指します。これらの帳票は、入力された取引データに基づいてリアルタイムに生成されるため、最新の情報を常に反映した帳票を手軽に作成できます。また、ExcelやPDFなどの帳票のフォーマットも柔軟にカスタマイズできるため、企業のニーズに合わせた帳票管理が可能です。
3. 決算書類の作成
決算書類には、決算報告書や確定申告書などが含まれます。入力されたデータをもとに、これらを自動作成できる機能は、決算期の業務負担を大幅に軽減します。さらに、電子申告や電子納税に対応しているソフトも多く、作成した書類をそのままオンラインで税務署に提出することが可能です。これらの機能により、企業は書類作成から提出までの一連のプロセスを効率的に行えます。
4. 外部システムとの連携
外部システムと連携することで、業務の効率化がさらに進みます。外部システムには、取引先の銀行口座、POS端末、給与計算システム、勤怠管理システムなどが含まれます。事前に連携することで、取引データが自動的にクラウド会計ソフトに反映されます。例えば、銀行口座との連携によって、入出金データが自動的に会計ソフトに取り込まれるため、手動での入力作業が不要となり、記帳ミスのリスクも減少します。
5. 経営・事業の分析
上述したように、クラウド会計ソフトは銀行口座などと連携することで、自動でデータが反映されます。その機能を使って、事業状況をリアルタイムで把握し、最新の財務データをもとにした経営・事業の分析が可能です。ソフトによっては、月次ベースでの予算分析やキャッシュフローの予測など、高度な経営分析機能を備えたものもあります。経営者にとって必要な情報をタイムリーに取得できるため、経営戦略の立案や事業の方向性をより的確に判断できます。
6. 自動アップデート
クラウド会計ソフトはSaaS(Software as a Service)として提供されるため、常に最新状態でソフトを利用できます。先述したように、従来型の会計ソフトでは、バグ修正や機能追加の際に手動でパッチを適用する必要がありました。しかし、クラウド会計ソフトでは、これらの修正が自動で行われます。さらに、法改正や税制改正に伴うソフトの更新も自動で反映されるため、利用者側での追加作業や設定変更の手間がかかりません。加えて、アップデートの費用もかからないのが一般的です。
クラウド会計ソフトを導入するメリット
クラウド会計ソフトを導入することで、さまざまなメリットを享受できます
PC・サーバー不要で使える
クラウド会計ソフトは、PCやサーバーを用意する必要がないため、導入費用を大幅に抑えられます。初期投資を最小限に抑えたい中小企業やスタートアップにとって、非常に魅力的な選択肢となります。
また、物理的なサーバーの設置や管理が不要なため、システムのメンテナンスや保守費用もかかりません。運用コストを削減しながら、安定した会計業務を実現することが可能です。
さらに、クラウド環境で動作するため、複数のPCやデバイスから同時にアクセスできます。これにより、社内の各部署がリアルタイムで同じデータを共有し、効率的な業務遂行が可能となります。
インターネット環境下であれば、どこからでもアクセスできる
クラウド会計ソフトは、インターネットに接続できる環境さえあれば、世界中どこからでもアクセス可能です。これにより、オフィスに限らず、自宅や出張先などで経営状況の確認や会計業務を行えます。特に、働き方改革によりリモートワークが普及している現在、クラウド会計ソフトの利用は柔軟な働き方を支える重要な要素となっています。
法改正・税制改正へも迅速に対応できる
定期的に法改正や税制改正が行われるため、企業は柔軟に対応する必要があります。その点、クラウド会計ソフトは常に最新の状態に自動アップデートされるため、法改正に迅速に対応できるメリットがあります。例えば、2023年に導入されたインボイス制度や、2024年から完全義務化された電子取引データの保存に関する改正にも、即座に対応できる仕組みが整っています。これにより、企業は安心して最新の法令に準拠した業務を進めることが可能です。
クラウド会計ソフトのデメリット
メリットがある一方で、クラウド会計ソフトにはいくつかのデメリットが存在します。
サービス事業者側で問題が発生すると使用できない
クラウド会計ソフトはサービス事業者側に依存しているため、事業者側で問題が発生すると、サービスが停止し、復旧までソフトを使用できなくなるリスクがあります。例えば、サーバーダウンやネットワーク障害が発生すると、データへのアクセスが一時的に制限されます。これにより業務が滞り、重要な決算作業や報告書の作成が遅延するリスクが生じるため、こうしたリスク管理も考慮する必要があります。
インターネット環境が悪いと動作が重い
クラウド会計ソフトは、インターネット接続を前提にしているため、ネット環境に依存します。特に、インターネットの下り速度が低い場合や、接続が不安定な場合、ソフトの動作が重くなることがあります。そのような環境下では、従来の会計ソフトと比較して、データの入力や帳票の作成に時間がかかり、業務効率が低下するリスクがあります。そのため、クラウド会計ソフトを利用する際は、安定した高速インターネット環境を確保することが重要です。
使用方法によっては費用が高くなる
クラウド会計ソフトは、一般的にサブスクリプションモデルで提供されており、月額基本料金が発生します。また、従量課金制を採用している製品も多く、使用するユーザーごとにアカウントIDが必要で、アカウンドIDの数に応じて料金が加算されます。
そのため、ユーザー数が増えすぎたり、オプションで必要以上に多くの機能を追加したりすると、コストが予想以上に高くなる可能性があります。適正な利用範囲を超えた場合、従来の買い切り型の会計ソフトに比べて総費用が高くなることもあるため、使用状況に応じた費用管理が求められます。
クラウド会計ソフト選定時に確認したい5つのポイント
クラウド会計ソフトの導入後に後悔しないためには、ソフト選びのポイントを事前に確認しておく必要があります。特に注意すべきポイントとして、以下の5つが挙げられます。
1. 自社の事業規模に合っているか
クラウド会計ソフトには、個人事業主やSOHO向けのシンプルなものから、大企業向けの複雑な機能を備えたものまで、さまざまな製品があります。個人事業主用のソフトは青色申告に対応していますが、法人向けの機能を備えていない場合も多いです。
法人向けの場合、小規模企業では、コストパフォーマンスに優れたシンプルな機能を備えたソフトが求められます。対して大企業では、多機能で大量のデータを扱える、スケーラビリティのあるソフトが必要です。自社の成長段階や将来の拡張性も考慮しながら、適切なソフトを選定することが、業務の効率化や経営の最適化につながります。
2. 連携機能が適しているか
次に確認すべきポイントは、クラウド会計ソフトの連携機能が、自社のシステムや他の外部システムと適切に連携できるかどうかです。既存の業務システムや銀行口座、POS端末などとスムーズに連携できるか、連携可能なシステムの種類や数に制限がないかを確認することが重要です。
業務システムとクラウド会計ソフトが同じサービス事業者であれば、連携がスムーズになるだけでなく、月額料金の割引が適用される場合もあるため、これも考慮すべき要素です。場合によっては、クラウド会計ソフトを導入する際に、同じサービス事業者の業務システムに切り替えるのも手です。
さらに、事業規模が大きくなると、複数のシステムと連携する必要が生じるため、連携機能が充実しているソフトを選ぶことが業務の効率化に直結します。
3. 誰でも使用できるか
クラウド会計ソフトを導入する前に、経理の知識がなくても使用できるか、システムやITに詳しくない人でも使いやすいかを確認することが重要です。直感的に操作できるユーザーインターフェースや、AIを活用して自動仕訳を行う機能などがあると、専門知識がなくても安心して利用できます。本格的に導入する前に、経理担当者のスキルレベルを考慮し、体験版などで実際の操作性を確認しておくことをおすすめします。これにより、ソフトが自社のニーズに合致しているかどうか、しっかりと見極めることが可能です。
4. 費用が適正か
クラウド会計ソフトを導入する際には、従来の買い切り型会計ソフトと比較して、費用が高くなりすぎないかを確認してください。先述したように、クラウド会計ソフトは従量課金制を採用しているサービス事業者が一般的です。そのため、事前に使用する人数を明確にし、「月額基本料金+アカウント料金」で試算を行うことで、全体のコストを把握しやすくなります。
また、オプション機能を増やしすぎないように注意が必要です。本当に必要な機能が何かを慎重に考えることで、無駄な出費を抑えつつ、最適なソフトを選定できます。
5. サポートが充実しているか
クラウド会計ソフトを選ぶ際には、どのようなサポート機能が用意されているかを必ず確認しましょう。
サポート機能にはいくつかの種類があります。まず、導入時における設定や初期データの移行など、スムーズにスタートできるような導入サポートが挙げられます。特に、ITに詳しくない担当者がいる場合には、このサポートが非常に有益です。
また、導入後にソフトの使用方法について不明点が出た際に、丁寧に対応してくれる体制が整っているかどうかも重要です。例えば、チャットや電話でのサポートが24時間利用できると、安心感が増します。
さらに、システム障害が発生した際の対応の速さも見逃せません。上述したように、クラウド会計ソフトの特性上、サービス事業者のサーバーがダウンした場合、データにアクセスできなくなる可能性があります。そのような状況で、迅速かつ適切に対応してもらえるかどうかは重要なポイントです。
加えて、経理業務に不安がある場合には、業務相談を受け付けているソフトを選ぶのもひとつの方法です。
ただし、サポート機能が充実しているほど、料金が高くなる傾向にあります。必要なサポート機能とコストを考慮しながら、最適なソフトを選定することが大切です。
クラウド会計ソフト導入時の注意点
クラウド会計ソフトを導入する際には、セキュリティとインターネット環境に気をつける必要があります。
セキュリティ
クラウド会計ソフトを利用する際には、データを外部のサーバーに保管するため、セキュリティ対策が極めて重要です。まず、データセンターが国内にあり、SSL暗号化通信を採用しているかだけでなく、データセンターの認証や物理的なセキュリティ対策、アクセス管理体制など、幅広いセキュリティ要件をサービス事業者に確認することが必要です。これらの要件を満たしていない場合、サイバー攻撃や人的ミス、システムの脆弱性により、データ漏洩のリスクが高まる可能性があります。
また、クラウド会計ソフトの特性上、どこからでもアクセスできる利点がある一方で、不正アクセスのリスクも増大します。これを防ぐためには、サービス事業者側のセキュリティ対策だけでなく、利用する企業側でも社内のセキュリティポリシーを強化し、アクセス権限を厳格に管理することが求められます。加えて、セキュリティソフトの導入や定期的なセキュリティチェックを行い、脅威に対する備えを強化することが重要です。
最悪の場合、サービス事業者のトラブルやサイバー攻撃により、データが消失するリスクも存在します。重要なデータは定期的にバックアップを取り、オンプレミスや別のクラウドに保管することで、データの保護に万全を期してください。
インターネット環境
クラウド会計ソフトはインターネット経由で利用するため、通信速度が業務効率に大きく影響します。そのため、導入に際してはインターネット環境の見直しが不可欠です。特に通信回線の選定は重要であり、トラフィックの増加によって回線が輻輳(ふくそう)し、速度が低下するリスクを考慮する必要があります。法人向けのインターネット回線を利用し、帯域保証のあるサービスを選ぶことで、安定した通信品質を確保することが可能です。
さらに、法人向け回線では、個人利用と法人利用のトラフィックを論理的に分離することで、通信品質の安定が期待できます。これにより、業務中に必要な通信速度を確保し、クラウド会計ソフトをスムーズに利用できます。
セキュリティ面でも、インターネット環境の強化が求められます。セキュリティ機能がセットになっているインターネット回線を選ぶことや、クラウドサービスにセキュリティ管理を委託する方法も検討してください。
さらに、従業員全員にセキュリティ対策のルールを周知徹底させることで、内部からのリスクも最小限に抑えられます。クラウドの利点である、どこからでもアクセス可能な環境を有効に活用しつつ、万全のセキュリティ対策を講じることが重要です。
会計システムの導入や手順について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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クラウドERPも検討を
クラウド会計ソフトは経理業務の効率化に大いに役立ちますが、会計分野に留まらない事業全体のデータを可視化し、より包括的な経営判断を支援したい場合には、クラウドERPの導入も検討してみましょう。クラウドERPは、多岐にわたる業務データを統合し、リアルタイムでの情報共有と分析を可能にします。各部門間の連携が強化され、経営の透明性と迅速な意思決定が実現されます。
さらに、NetSuiteのようにグローバルに対応しているクラウドERPもあり、異なる地域や国での事業運営においても、統一されたプラットフォーム上でデータを管理可能です。海外拠点との連携がスムーズになり、国際的なビジネス展開を支援してくれます。
成長を目指す企業にとって、クラウドERPの導入は、将来的な競争力の向上へとつながります。
まとめ
クラウド会計ソフトは、従来型の会計ソフトとは異なり、自動アップデート機能や外部システムとの連携による業務効率の向上、さらには物理的なサーバーが不要といった多くのメリットがあります。ただし、導入前にはコストの検討はもちろん、インターネット回線やセキュリティの見直しも必要です。
また、本記事では企業規模に応じたおすすめのソフトも紹介していますので、企業の会計業務に最適なソフトを選ぶためのガイドとしてご活用いただけます。会計ソフトでは物足りないと感じる方は、ぜひクラウドERPの導入も検討してみてください。
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