連結決算とは?クラウドERPで実現する決算処理の簡素化

 2018.10.16 

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企業が株式市場に上場すると株式を売ることで資金調達が行えるようになります。それに伴って株主やその他のステークホルダー(利害関係者)に対して会社の経営状況を可視化するための、決算を行いその内容を財務諸表としてまとめます。ただし、決算として経営状況を可視化すべきは上場した企業だけでなく、その子会社及び関連会社を含めて決算対象になります。これを“連結決算”といいます。

事業拡大が進んでいくと経営効率化のためや収益向上のために、子会社及び関連会社を設立していきます。近年ではM&Aによって他社を買収し、子会社及び関連会社とすることも多くなっています。大企業ともなると数十社もの子会社及び関連会社を持つことも少なくありません。

そうした中で、親会社単独の決算情報のみを開示したとしても透明性は低く、ステークホルダーは、それを参考に投資はできません。そのため親会社だけでなく連結グループ全体の決算情報を合算した連結決算が必要になります。

連結対象になるのはすべての子会社・関連会社?

連結決算の対象となる子会社及び関連会社は原則として“すべて”です。ただし連結グループ全体への影響度が低い(年間売上が連結グループ全体の0.1%未満等)子会社及び関連会社に関しては連結対象から外すことができます。

この影響度については経営戦略上の子会社及び関連会社の位置づけや資産、売上、利益、利益剰余金といった観点から判定します。具体的に「売上高がいくらを上回ったら連結対象とする」という明確な数値が定められているわけではないので、企業ごとの実績に応じて判断するのが一般的です。

会計監査を受けている企業の場合は、監査法人と協議して連結対象とするかどうかを決めていきます。子会社及び関連会社が多い企業では社内規定によって基準を明確にしておくことも大切です。

連結決算の処理方法

連結決算の処理方法としてはまず、親会社と子会社及び関連会社の貸借対照表や損益計算書を単純に合算します。その次に連結特有の調整である資本連結、債権債務の相殺、損益取引の相殺、未実現損益の消去を取り入れていきます。

資本連結

親会社から子会社及び関連会社に対する投資は親会社の貸借対照表において“投資有価証券(子会社株式、関連会社株式)”として計上され、子会社および関連会社の貸借対照には“資本金”として計上されます。連結グループとして考えた際は連結グループ内の投資になるため、連結上は一体として考えます。

債権債務の相殺

親会社と子会社及び関連会社の間で取引を行っている場合は、それぞれの貸借対照表に売掛金などの債権や買掛金などの債務が計上されていることが少なくありません。親会社と子会社及び関連会社の貸借対照表を単純に合算しただけでは適切な連結貸借対照表にはなりません。それらは連結グループ内の債権と債務になるため、連結調整を入れて債権と債務を相殺する必要があります。

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損益取引の相殺

親会社が子会社及び関連会社に100の売上を計上し、子会社が外部に120の売上を計上するような場合、親会社の損益計算書に売上100を、子会社の損益計算書に売上120が計上されている状態になります。これを単純に合算すると売上220となります。ただし、このうち親会社から子会社及び関連会社に対する売上100は連結グループ内の売上になるため、連結損益計算書の作成において調整を入れる必要があります。このケースでは売上と仕入を相殺し、連結調整を行います。

未実現損益の消去

親会社が80で仕入れた製品を子会社及び関連会社に100で販売し、その製品がまだ外部に販売されておらず子会社の在庫として残っている場合、親会社と子会社及び関連会社の損益計算書を単純合算すると、親会社で計上された利益20が計上された状態になります。ただし、この利益は連結グループ内で生じたものであり、外部に売却されたことで計上しているものではないため未実現の利益となり、連結損益計算書の作成にあたって調整が必要です。

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子会社及び関連会社が海外にある場合はどうすべきか?

親会社と子会社及び関連会社が個別に作成した財務諸表を合算していくわけですが、子会社及び関連子会社が海外にある場合はどうすべきか?その際は外貨ベースの財務諸表から予め円貨への換算を行います。在外子会社の財務諸表の円換算に用いる為替レートは次の通りです。

資産・負債

決算時の為替相場

純資産

株式取得時の資本項目

株式取得時の為替相場

 

株式取得後の資本項目

発生時の為替相場

収益・費用

原則:期中平均相場

容認:決算時の為替相場

なお、親会社との取引による収益および費用の換算については、親会社が換算に用いる為替相場による。この場合に生じる差額は当期の為替差損益として処理する。

さらに、子会社及び関連会社の決算日が連結決算日と異なる場合の調整方法としては次の通りになります。

原則

連結決算日に正規の決算に準ずる合理的な手続きにより決算を行う

容認

決算日の差異が3ヵ月を超えない場合、子会社の正規の決算を基礎として連結決算を行うことができる、ただし重要な不一致については調整が必要

連結決算は複数ある子会社及び関連会社の決算をもとに行っていきます。そのため連結決算を公表する期限があるため、各子会社及び関連会社において余裕を持ったスケジュールで取り組んでいくことが大切です。さらに、親会社と子会社及び関連会社間の取引など連結特有の調整を行うために、必要な情報を効率良く入手できるよう事前にパッケージを作り込んでおく等の準備も大切です。生産性を低下させないためにも連結決算をスムーズに進めることに重点を置きましょう。

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NetSuiteやOracle ERP Cloudで実現するスムーズな連結決算

連結決算をスムーズに行うためには、連結決算をスムーズに行えるERP会計ソフトウェアが必要不可欠です。以前はExcelベースで各企業などから情報を集める企業が多かったのですが、決算作業において合算や調整にかなりの時間を要してしまうという欠点がありました。また、人的ミスから正しい決算情報を導き出せないという問題も抱えてしまいます。

そのようなことを防ぐためのソフトウェアが必要不可欠ということになります。

ここでご紹介するのは“Oracle NetSuite(ネットスイート)”および”Oracle ERP Cloud”というクラウドERPです。ERPとは経営に欠かせない業務アプリケーションを統合的に提供するITシステムであり、これをクラウドサービスとして提供するのがクラウドERPとなります。

両者の使いわけは中小企業やスタートアップ向けのERPとしてNetSuite、中堅・大企業向けのERPとしてOracle ERP Cloudということになります。

NetSuiteもしくはOracle ERP Cloudがあれば子会社及び関連会社が国内外にあるかを問わず、連結決算をスムーズに進めることができます。クラウドサービス故に連携が容易であり、かつ複数言語や複数通貨に対応しているため在外子会社及び関連会社との連結決算もスムーズに行えます。

加えてグループ全体の経営状況をリアルタイムに可視化できるため、ERP本来のメリットを最大限受けることも可能です。連結決算の効率性に悩んでいたり、もっと生産性を向上したいと考えているのならばNetSuiteやOracle ERP Cloudのご利用をぜひご検討ください。

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