納期回答とは?正確な回答を実現するために重要なポイント

 2019.02.26 

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たかが納期回答、されど納期回答。皆さんにとって「納期回答」とは何でしょうか?「顧客に商品を納品できる日を連絡することに決まっている」と考えた方が多いかもしれませんね。確かに、納期回答とは注文があった商品をいつまでに顧客のもとに届けられるかを、具体的な日付で顧客に伝えることです。

しかしサプライチェーンがグローバル化していたり、複雑な製造プロセスを経て製品が完成するような企業においてはこの納期回答が難しいのも事実です。そして、この納期回答を正確に行えないと企業の信用が失落するため成長を目指す企業は怠ってはいけない重要な要素の一つなのです。

今回は納期回答の本質を解説すると共に、納期を短縮するための手段についてご紹介します。

納期回答とは?

顧客から商品の注文が入ると、現時点で出荷できる数量と生産の必要性、それと納品日または出荷日等を連絡します。これがいわゆる納期回答ですが、サプライチェーンマネジメント(SCM)においてとても重要な役割を持つのが納期回答の姿でもあります。

その大きな理由が「納期回答は商品価値の一要素に成り得る」ということです。皆さんが、店舗で在庫にない商品を注文するシーンを想像してみてください。

たとえばスポーツ用品店でデザインが気に入ったランニングシューズの在庫有無を確認したところ「当店に在庫はございませんが、お取り寄せして後日お渡しすることは可能です。」とスタッフから言われたとします。あなたはそのランニングシューズがとても気に入ったので、お取り寄せで購入することになりました。そこでいつ店舗に届くのかを尋ねたところ、「出荷状況にもよりますので、恐らく3日~5日ほどかかるかと思います。商品が届き次第ご連絡しますのでご安心ください。」と返答されたとしましょう。正直、そのスポーツ用品店の曖昧な納期回答と在庫管理についてちょっと疑いたくなりますね。

その数ヵ月後、別のスポーツ用品店で同じような状況に遭遇したとします。その際もあなたは商品がいつ店舗に届くのかを訪ねました。しかし先日購入した店舗とは対応が違い、「この商品ならば近隣店舗に在庫がありますので、本日ご購入いただければ明日発送し、2日後にはご自宅もしくは当店に届きます。」と返答されました。こうした対応をされると「おっ!」と思い、その店舗への評価が上がります。

2つの店舗の違いは「納期回答を正確に行っているかどうか」です。顧客に対して「どれくらいの商品をいつまでに納品できるか」を正確に回答し、それを実行することだけで商品価値を高めたり、会社としての信用を高めることができるのです。ただし、正確な納期回答を実現するためには相応の苦労もあります。

New call-to-action
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ほとんどの企業で正確な納期回答が難しいわけ

顧客は何か商品を注文すると、回答された納期に沿ってスケジュールを決定します。上記の例に関しても「2日後に届く」と言われればそれに合わせてスケジュールを調整して、店舗まで足を運びます。企業同士の取引でもこれは同じであり、製造メーカーが部品サプライヤーに商品を注文した場合、その納期回答に応じて生産計画を調整します。従って納期回答には想像以上の「責任」を伴っているわけです。

しかしながらこの納期回答を正確に行えていない企業は少なくありません。一般的に、正確な納期回答を実現するためには次のポイントを押さえる必要があると言われています。

  • 正確な在庫数を把握していること
  • 各リードタイムを正確に把握していること
  • 在庫引き当てルールが明確になっていること
  • 営業が製造プロセスを十分に理解していること
  • 現時点と今後の生産状況を把握していること

これら5つのポイントのうち1つでも欠けていると正確な納期回答は実現しません。たとえば正確な在庫数と各リードタイム(生産リードタイムや出荷リードタイムなど)を把握している場合でも、営業の製造プロセスに対する理解が不十分で無理な短納期を顧客に約束してしまうと正確な納期回答はできなくなってしまします。そしてこれらのポイントを確実に押さえることがどんなに難しいかは、現場で奮闘している人ならば十分に理解しているでしょう。

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正確な納期回答を実現するために必要なこと

では、正確な納期回答を実現するためにはどんなことに取り組めばよいのでしょうか?まず大切なのが「部署間の連携を高めること」です。製造部と営業部は本来協力し合って顧客要求に最大限応える必要がありますが、両部門が対立していることも少なくありません。製造部は「営業はいつも無理な納期を約束してくる」と不満を漏らし、営業部は「生産能力は十分なはずなのに、生産量がそれに伴っていないのは製造の怠慢だ」と不満を漏らします。こうした状況下にあっては両部署が連携するなど不可能でしょう。

部署間連携を実現するためには、まずお互いの部署を理解するきかっけを作ることです。両部署が参加するディスカッションを積極的に開催したり、思い切ってデスクを隣同士にしたりと、まずは物理的距離を縮めることでお互いの業務内容について理解するきかっけを作ります。もちろん、それだけで両部署が打ち解けるわけではありませんが、お互い何が出来て何が出来ないのか、なぜサポートし合わなければいけないのかが見えてくるかもしれません。

もう1つ、正確な納期回答を実現するために大切なポイントが「サプライチェーンマネジメント」のシステム化です。ちなみにサプライチェーンとは「供給連鎖」といって、原材料や部品の仕入れから納入、生産現場への供給、生産、在庫保管、出荷引き当て、出荷、納品といった、1つの商品が顧客の手元に届くまでのプロセス全体を指します。これを企業が能動的に管理し、納品までの時間を短縮したりして商品価値を高める取り組みがサプライチェーンマネジメントです。

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具体的にどういったシステム化が必要かというと、仕入・在庫・生産・保管・販売・出荷・納品といった一連のプロセス全体を俯瞰して管理できる、統合的なシステム環境が必要となります。多くの企業では部署ごとに特化されたシステムが構築されていますが、いわゆる「サイロ化」といって各システムは分断された状態にあります。システム同士の連携が難しいため、それを扱うユーザー同士の連携も難しく、データ受け渡しや正確な情報共有ができていない環境が多いでしょう。

もしもサイロ化されたシステムを1つに統合することができたら、仕入・在庫・生産・保管・販売・出荷・納品のデータはすべて全体で共有され「どの商品をどれくらい、いつまでに生産でき、いつまでに納品できるか」という正確な情報を把握することができます。こうしたシステム統合を図れるITソリューションがERP(Enterprise Resource Planning)です。

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ERPで実現する正確な納期回答

ERPは本来サイロ化されたシステム同士を事前に統合し、総合的なシステム環境として提供されているITソリューションのことです。すべてのシステムは連携し、1つのデータベースで管理され、部署間の垣根をやすやすと越えて組織全体でのデータ共有を実現することができます。

仕入・在庫・生産・保管・販売・出荷・納品の情報は任意の部署にてさまざまな形で共有されるので、特定部門ではなく組織全体での業務効率アップを実現することができます。何よりも、ERPがあれば正確な納期回答が実現し、商品価値を高めて会社として信用をアップすることも可能です。さらに、納期回答が正確になるだけでなく、情報共有力が高まることで納期自体を短縮することも可能です。

納期回答を正確に行いたい、納期を短縮したいといったニーズをお持ちならば、Oracle ERP CloudやOracle NetSuiteなどのERPの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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