経理とは?経理の役割について

 2019.01.09 

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「経理」と聞くとなんとなくお金の計算をするための部署や仕事というイメージが想起されますが、実際のところ詳しい業務内容について知っているという方は少ないかもしれません。ただ、そうした何となくの理解はビジネスパーソンにとって良いことではありません。

会社全体の業務プロセスをすべて理解する必要はありませんが、各部署がどういった仕事を行っているかある程度理解しておくことで、社内での行動も変わるはずです。そこで本稿では経理の役割や仕事内容について分かりやすく解説します。

経理ってなに?どんな仕事をしているの?

簡単に説明すれば、経理とは経営活動で生じる様々なお金の情報を収集・管理して、帳簿に記帳するのが基本的な役割になります。経理の基本業務としては次のようなものがあります。

出納業務

現金による経費精算や各種支払いと残高の管理、銀行からの出入金等を管理します

記帳業務

経営活動におけるお金の流れを企業間取引のルールに従って記録するために、売上伝票などを発行し、現金出納帳や総勘定元帳といった帳簿類を作成します

集計業務

帳簿をもとにして計算表や決算書などの集計表を作成し、経営者に報告します

給与計算

勤怠項目、各種手当、社会保険、厚生年金、住民税などを算出します。

以上のように経理には様々な仕事がありますが、基本となるのが「決算書作成」です。経理部では決算書の作成を中心に日々発生するお金の動きを管理します。さらには、集計データ等をレポートとして出力し、経営層や関係部署に経営状況を示す資料として提出します。経理が日々作成している試算表や損益計算書といった資料は、正しい経営判断を下すうえでとても重要な書類になるのです。

日常業務としては代金の支払いや売上の集計、交通費の計算など細かい事務処理や集計作業を行います。さらには経営活動の中で発生する現金や預金の管理も行い、請求書、納品書、領収書の発行や確認、仕訳後の伝票作成等もあります。

月次業務の主な内容は「請求および支払い」です。当月が期日になっている売掛金に関して請求業務を行い、買掛金に関しては支払い業務を行います。売掛金の管理では細かい締め日や支払日、支払い方法を把握し入金状況を確認することも大切です。売掛金は会社の将来的な資金になるため、経理は会社の経営活動における重要な部分を管理していることになります。給与計算も重要な月次業務です。単純な給与以外にも引っ越しや結婚、出産等の家庭環境変化による手当や社会保険、税金の金額変更等をしっかりと繁栄させなければなりません。

年次業務としては会社の経営状況を決算資料としてまとめます。経理業務の最終目標は年次決算書の作成ですので、日々正確な集計作業が求められます。決算日の2ヵ月以内には集計業務を終えて、税務署に申告を行い納付期限までに納付します。株主総会を行う場合は決算日より3ヵ月以内に開催します。

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決算関連資料について

会社が年に1度、経営状況を利害関係者(ステークホルダー)に向けて開示することを「決算」と呼びます。決算では経営状況を可視化するための様々な資料を作成しますがそれを「財務諸表」と呼びます。ここでは経理が決算時に作成する主な財務諸表について解説します。

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賃借対照表

賃借対照表とはある時点において、会社がどれくらいの資産を保有していて、どれくらいの負債があるかを明示するための書類です。賃借対照表を観ればその会社がどこから資金を調達して、それをどう使用したかが判断でき、会社経営の安全性や健全性を把握することができます。

たとえば「会社が今持つ資産の中で現金化できるものはどれくらいあるか?」や「事業に必要な資金を過度に調達していないか?」などの情報を、賃借対照表を見るだけで理解できます。

損益計算書

事業年度間に会社がどれくらいの費用を投じ、どれくらいの利益を得たかを示すのが損益計算書です。その中でも利益ごとにいくつかの種類が分かれていることが通常で、以下が代表的な指標になります。

≪売上総利益≫

商品の販売やサービスの提供によって得た売上高から、売上られた商品またはサービスにかかった原価を差し引いた金額のことです。企業にとって最も基本的な利益の考え方となります。

≪営業利益≫

売上総利益から仕入れ以外の人件費、広告費、光熱費等の販管費を差し引いた金額のことです。「商品や原材料を仕入れて販売する」という本業で稼いだ利益を指します。

≪経常利益≫

営業利益以外に預金利息や為替差損金など、会社の本業とは異なる財務活動によって得られる利益と費用を含めて計算した金額のことです。

≪当期純利益≫

事業年度に計上されるすべての収益からすべての費用を差し引き、当期に得られた最終的な純利益のことです。

キャッシュフロー計算書

文字通りお金(キャッシュ)の流れ(フロー)を計算するための書類です。会社の一定期間における収入(キャッシュイン)と支出(キャッシュアウト)を捉えて、キャッシュフロー計算書を見えることでお金がどのように増え、どのように減ったかが把握できます。

他にもいくつかの財務諸表が存在しますが、これらの財務諸表を作成するにあたって何よりも重要なのが「真実性」です。企業会計原則には「企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならない。」と記載されており、どんな経営状況においても真実を開示することが強く求められています。

真実性の無い財務諸表を作成、いわゆる粉飾決済はその種類にもよりますが「10年以下の懲役、または1,000万円以下の罰金」といった罰則を受けることになります。

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「会計」と「財務」との違いは?

経理と混同しがちな言葉として「会計」と「財務」があります。この違いについても解説しておきます。

会計とは?

会計業務は大きく分けて「財務会計」と「管理会計」があります。

≪財務会計≫

営業活動の成果をもとに損益計算書(PL)や賃借対照表(BS)といった財務諸表をまとめ、利害関係者(ステークホルダー)に企業の経営状況を開示するための会計。

≪管理会計≫

経営層が意思決定をするための材料として、企業の経済状況を独自のルールにのっとって資料にまとめるための会計。

つまり会計とは大きな括りでの経理のことを指します。会計の中に色々な経理業務があると理解するとよいでしょう。

財務とは?

財務の主な仕事内容は経理部が作成した財務諸表などを参考に、資金計画を立てて以下のような行動を起こすことです。

  • 銀行などの金融機関から資金を調達する
  • 株式を新たに発行して資金を調達する
  • M&Aや投資によって会社の資産運用を行う
  • 会社の予算を管理する

会計と経理は過去の取引に関するデータをまとめるのが仕事であるのに対して、財務は会社の将来的な資金計画等を実行するのが仕事です。これらの仕事をこなす人を財務や財務担当者と呼びます。

経理をもっと理解しよう!

経理部に所属していないビジネスパーソンでも、経理について深く理解することで会社のお金の流れを把握することができます。自分が属している会社を分析することも時には大切ですし、お金の流れを理解することで業務に対する姿勢も変わるでしょう。これを機に、ぜひ経理について深く理解していきましょう。

最重要ミッションは「経営への貢献」経理・財務部門が10年後も生き残る方法

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