選ばれる中小企業はここが違う!会計ソフトではなくクラウドERPで実現する“攻めのIT経営” 〜時代が求めるイノベーショナルなIT活用のヒント〜

 2021.10.14 

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ITシステムを使ってシリコンバレー流と言われる革新的な経営戦略を推進する米国のベンチャー企業と、市販のパッケージを購入して業務の効率化を図る日本の中小企業。同じITシステムを導入するのでも、そのスタンスに大きな違いが現れているようです。経済産業省はその違いを、“攻め”と“守り”という言葉に象徴しました。

今回は、中小企業の成長につながるITシステム投資のあり方について考察していきます。

経済産業省が推進する“攻めのIT経営”とは

ビッグデータや人工知能などのITの急速な進展により、既存の産業構造やビジネスモデルがかつてないスピードで変革されていく時代を迎えています。

ITを活用して厳しい国際競争を勝ち抜いていかなければならない環境下で、欧米の高収益企業が“企業の製品・サービス開発強化やビジネスモデル変革を行い、新たな価値の創出やそれを通じた競争力の強化”を目指す、いわゆる“攻め”のIT経営を積極化しているのに対して、国内企業のIT投資が“社内の業務効率化やコスト削減”などの“守り”に主眼が置かれている現状を鑑み、経済産業省では国内企業における生産性向上に向けたIT導入及びその活用の方向性を示す「攻めのIT活用指針」を策定しています。

同指針では、企業が従来の社内業務の効率化・利便性の向上を目的としたIT投資にとどまることなく、新規事業への進出や販売チャネルの創出など、中長期的な企業価値の向上や競争力の強化に結びつける戦略的なIT投資を推奨し、IT導入前の段階から発展的に戦略的な活用へと結びつける成長モデルを例示しています。

これに連動して、経済産業省では東京証券取引所と共同で戦略的なIT活用に取り組む株式上場企業銘柄を「攻めのIT経営銘柄」として選定する取組みを推進し、平成26年度からは攻めの分野でのITの効果的な活用に積極的に取り組み、中小企業経営の目標となる成果を上げている中小企業をベストプラクティスとして選定する「攻めのIT経営中小企業百選」を開始しています。

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“攻め”の中小企業は価値創出型のIT投資を推進

「攻めのIT経営中小企業百選」は平成26年度からの3年間で合計100社を選定するもので、平成27年10月に最初の選定となる33社が発表され、「2015年『攻めのIT経営中小企業百選』選定企業の概要」として経済産業省のホームページ上で公開されています。その中から、幾つかのイノベーショナルなIT活用事例をご紹介します。

  • 東京オート株式会社(小売業)

新車・中古車販売、買取り、鈑金塗装、整備・車検など、トータル・カー・サービス事業を展開する同社は、従来から適用する車両販売・整備履歴情報を管理する中古車販売業総合支援システムに販売管理、会計・経理、広告媒体、共有在庫、CRM等のシステムを連動させ、顧客のカーライフを一貫してサポートする全社統合システムとして運用。収益伸長率1.5倍規模の成長を維持しています。

  • 株式会社陣屋(宿泊業)

大正7年創業の老舗旅館「陣屋」では宿泊客減少の打開策として、限られた投資で導入可能なクラウドプラットフォーム上に旅館で行われる業務に必要なすべての機能を一元管理できる基幹システム「陣屋コネクト」を開発。予約・顧客管理から仕入原価管理、宿泊・食事部門別の収支状況を全従業員がスマホやタブレットでどこからでも共有できる仕組みを構築し、顧客接点の強化と顧客満足度の向上に役立てています。

  • 株式会社浜野製作所(製造業)

板金、溶接、金型、プレスなどの製造基盤技術を活用した多品種少量生産に取り組む同社では、製造工程別作業進捗などの生産管理情報やクレーム情報、見積情報など、社内で個別に管理されていた情報の一元化を図り、実績原価をリアルタイムで追える仕組みを構築して、日次単位で個別案件ごとに収益管理を行う生産管理体制を推進し、多様化・複雑化する顧客ニーズへに対応しています。

  • 名豊ファシリティワークス株式会社(建設サービス業)

建設の基本計画から設計検討、工事発注、工程管理等のマネジメントサービスをトータルに提供する同社では、蓄積した基礎データを完了後の顧客資産状況も含めて詳細に解析し、進行中のプロジェクト情報とともにクラウドサーバー上で社内外の事業関係者と共有。明確なベンチマークを設定して的確な意思決定を促し、あるべき方向や目指す課題を共有したフェアで透明性の高いプロジェクト管理を実現しています。

  • 有限会社COCO-LO(介護サービス業)

理学療法士や作業療法士などの専門職員の定着率向上を課題とする同社では、クラウド上で日報を運用し、iPhone・iPadから職員同士の日報情報の共有と管理者の迅速な判断が可能なITシステムを構築。日々の業務実績をグラフで「見える化」されることによって従業員の仕事への取組み意識に変化が現れ、介護職員のワークライフバランスも実現する質の高い介護サービスを提供しています。

上記は33社のうちの一例に過ぎませんが、「攻めのIT経営中小企業百選」に選ばれた企業のベストプラクティスを概括すると、“見える化”“情報の共有・一元化”“クラウド”といったキーワードが散見され、“攻め”のスタンスに立つ企業は個別業務の効率化よりもビジネスプロセス全体を統合する基幹システムを再構築し、新たな市場や価値を創出することを目的にIT投資を行っている傾向が顕著なことがわかります。

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企業のバリューチェーンを可視化するクラウドERP

どの中小企業も目まぐるしく変化する市場と厳しい競争に直面し、業界ごとに複雑な経営課題を抱えています。その中で生き残りを図るためには、自社の現状を正しく見定めて戦略的に成長のシナリオを描き、限られた予算の中で最も効果的なIT投資を行うことが求められます。

多くの中小企業で導入されている会計パッケージ在庫管理ソフトなど、業務単位での効率化を目的とするIT投資では、経営実態を分析するための元となるデータが部門別に分断されてしまい、ビジネス全体の利益構造を“見える化”“することができないため、成長のシナリオを推進する上での経営判断を阻害し、新たな市場や価値の創出へと結びつけることができません。

矢野研究所では、中小企業のIT投資として“情報の共有・一元化”を促すERP(統合基幹業務システム)への投資は「合理的な選択肢」とし、その導入の際に重視すべきポイントとして、①変化に柔軟に対応できること、②迅速に導入でき維持管理の負担も少ないこと、③経営実態の分析と把握が行えることを挙げています。

米国のベンチャーでは、リーンスタートアップという手法がスタートアップ企業に大いに受け入れられいます。 リーンスタートアップのポイントは、新たな事業を小さく始めて成功しそうかどうかを早期に見極め、芽がないと判断したら、すぐに製品やサービスを改良したり、事業の内容を一新したりして、軌道修正を繰り返すことにあります。傷が浅いうちに進路を変更し、重傷を負って事業そのものが継続できなくなる事態に陥るのを防ぐためです。。こうしてチャレンジを続け、成功へと近づいていくことにあります。

このようなスタイルでは、スピードが圧倒的に重要です。クラウドERPはまさにスピード重視の経営を支援する基盤であり、リーンスタートアップ型の企業には非常にマッチするでしょう。

また、破壊的市場参入と言われるトレンドが生まれています。

Uber(ウーバー)とは、アメリカ合衆国の企業であるウーバー・テクノロジーズが運営する、自動車配車ウェブサイトおよび配車アプリです。現在は世界58カ国・地域の300都市で展開していますが、設立は2009年です。

世界最大のタクシー会社となったUberの出現により、サンフランシスコとのイエローキャブが倒産に追い込まれるという、既存市場の破壊的とも言える事態が起こっております。Airbnbの出現により、民泊という新たなインバウンド市場のでの旅行の楽しみ方、自分の家をホテル代わりにするなど、従来の宿泊の概念をことごく変える現象すら起こっているのです。

このようなリーンスタートアップや、破壊的市場の参入モデルのトレンドは、IT技術の進化と現在向けられている既存市場への投資を考えると、今後もこのトランジションはとどまるはないでしょう。様々な業種業態での破壊的な転換時期が加速すると考えると、国内の中小企業の事業社も新たな参入企業や顧客の多様化、市場環境の変化により大きな影響を与えるに違いありません。一方で、それは単に脅威ではなく、新たな市場参入への大きなチャンスともなり得るのです。

クラウドERPの導入は、事業全体の価値創出構造(バリューチェーン)を俯瞰的に可視化し、戦略的な成長シナリオに沿ってビジネスプロセスを最適化します。また、スケーラビリティのあるクラウドサービスにより規模の拡大や機能の拡張にも柔軟に対応し、システムのTOC(維持運用コスト)の低減にも貢献して企業の成長と連動したITシステム投資を実現します。

“攻めのIT経営”を実現するNetsuite

NetSuiteは、経営の根幹となる財務会計を中核とし、販売管理、顧客管理、Eコマースなどのの情報を一元管理し、フロントからバックオフィスまで経営や業務に必要なあらゆる機能をひとつのアプリケーションで実現するクラウド型ビジネスアプリケーションサービスです。リアルタイムに業務と経営の進捗を“見える化”し、ビジネスインテリジェンス機能を発揮して迅速な意思決定を促して、業務全体のプロセス統合と最適化を推進します。

NetSuiteは、過去18ヶ月に同社の導入企業40社が上場するなど、シリコンバレーのデファクトスタンダードERPとして、中堅中小企業、スタートアップ企業に大変高い評価があります。国内においても、新たな付加価値を提供し続ける数多くの企業がいち早く導入しています。

新たな価値の創出や競争力の強化を図る戦略的なIT投資として導入し、構造的優位性を持って“攻めのIT経営”他社との圧倒的差別化を図り、顧客への永続的付加価値の高いサービス提供を推進してみてはいかがでしょうか。

ERP(統合基幹業務システム)の導入を成功に導く10のステップ

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