AIによる自然言語処理 – サプライチェーンマネジメントにおける応用と可能性

 2018.09.11 

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私たちを取り巻く現代社会において人工知能や機械学習が急速に進化しており、日々の生活や企業活動に貢献しつつあります。

これらの技術は、ERPCRM、SCMと言った業務システムにも組み込まれ初めており、効率化や業務品質の向上に貢献します。今回はサプライチェーンマネジメントにおいて人工知能がどのような影響をおよぼすのかを人工知能の歴史と現状をご紹介しながら考察します。

サプライチェーンとは?5つのポイントで理解する物流の話

サプライチェーンとは?5つのポイントで理解する物流の話

製造業・小売業・食品業などモノを"作る”、"売る”、あるいは"流通する”というビジネスに身を置いている方なら誰もが「サプライチェーン」という言葉を耳にするのではないかと思います。
しかしその意味をしっかりと理解している方はどれくらいいるでしょうか?
本ページでは、きちんと理解しておきたいサプライチェーンについて分かりやすく解説していくと同時に、サプライチェーンマネジメント(SCM)として最適なシステム環境について紹介していきたいと思います。

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人工知能の現在

コンピュータが言語を読み、意味を解釈することは人工知能の大きな課題の一つとされてきました。日々生活する中で質問を正しく解釈して正確に回答する能力は知識や経験から導き出されるため文章の読解は人間にとっても難しい作業なのです。

しかし、この作業自体はすでに現段階でコンピュータは比較的容易に行うことができます。SiriやGoogle Homeなどすでに私たちの生活に浸透している状態です。

実はこのコンピュータによる読解の研究は1950年代後半から始まり、徐々に自然言語処理(NLP)の分野へと進化しました。このNLPは、機械学習(ML)、人工知能(AI)、言語学の技術を組み合わせて行われ、人間の言語情報を理解し、解釈し、さらには生成させることに焦点を当てている分野です。

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研究機関の具体例

米国スタンフォード大学は2016年にSQuAD(The Stanford Question Answering Dataset)を作成し、この分野における研究を先導しました。この研究では幅広い分野のウィキペディアのページから得られた文章をまとめ100,000以上の質問に対応するように知的アルゴリズムを開発するものです。

この研究での自然言語処理の典型的な例をご紹介します。

SQuADの具体例:
気象学では、降水とは重力によって降下する大気水蒸気の凝縮の生成物をいいます。主な降水には、霧雨、雨、みぞれ、雪、凍雨、あられが含まれます。小滴が雲の中の他の雨滴や氷晶と衝突して合体することで降水が発生します。短時間で集中的に激しく降る雨は「シャワー」と呼ばれます。

質問1:何によって硬水は降下しますか?
回答1:重力

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質問2:霧雨、雨、雪、みぞれ、あられ以外の降水は何ですか?
回答2:凍雨

質問3:小滴はどこで氷晶と衝突して硬水が発生しますか?
回答2:雲の中

参考:SQuAD:機械によるテキスト解釈のための100,000以上の質問集

今現在でも世界中の研究者は、この研究分野に注力しており独自の質問応答アルゴリズムを開発し、試験することに集中しています。

自然言語処理能力は人間を超えるのか

すでに2018年6月現在、評価の高いアルゴリズムは83.88%の精度に達しており、平均的な人間のパフォーマンス(82.30%)を超えています。

このようにすでに人間を超えるほどの読解力をコンピュータが持ち始めているケースもあるということなのでしょう。

しかし、残念なことにコンピュータは情報が不足しているケースに置いては現段階では苦手のようです。コンピュータは与えられた質問に対して何らかの答えを出そうと試みます。現在、研究者たちは情報が不足していることを特定させ、その場合には「申し訳ございませんが、わかりません」と答えさせることに注力している段階です。

参照:わからないことを認識する:SQuADに答えられない質問

これらの研究における公平性に関して(課題がコンピュータ優位に設定されているかどうか、コンピュータが本当に人間より優れているかどうか)は、議論の余地はあるかもしれませんが、AI研究の最前線がどれほど速いスピードで浸透しているのかを知ることはご理解いただけたのではないでしょうか。

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サプライチェーンマネジメントにおける人工知能の応用と可能性

さて、このAIや機械学習の技術は急速に発展しており業務システムにも組み込まれ始めています。

たとえば上記でご紹介した自然言語処理技術はサプライチェーンマネジメントにおける多くの領域に貢献することが可能です。以下はほんの一例ですので参考になさってください。

知的な商品分類

小売企業は、製品名や製品説明を分析することで、新商品のための購入プロセスを合理化し、これらを分類してオンラインカタログの正しいページに取り込むことが可能になります。

貿易コンプライアンス

正確な製品分類は、国際貿易を行う際のコンプライアンス要件として重要です。分類によって税率が変わるだけでなく処理方法が違うため、しっかりとした正確な処理が必要になります。これら人工知能が発達することで正確な製品カテゴリーを特定し、関税コードを推奨できるだけでなく、製品情報や関税スケジュールに関連する人間の言語を解読でき、企業は膨大な時間を節約することができます。

チャットボットと統合した説明対応

ユーザーが手動で入力したテキストは、システムデータの貴重な補足情報となり、サプライチェーンプロセスに貢献します。出荷を例に挙げてみましょう。社内関係者が遅延やその他の問題を記録した場合、自然言語処理をシステムが理解してユーザーに知らせます。これによりユーザーは「備考」や「注釈」を読むことを避けることができます。また、チャットボットによりユーザーが「なぜ出荷が遅れているの?」と質問すれば関連情報を収集して分析し、人間の言葉で回答してくれます。これはユーザーに限ったことではなく社内業務を円滑にするめることにも貢献します。

ビジネスインテリジェンス

構造化されていないテキストデータを定期的に分析することで、集計された結果を新しいデータストリームとして活用し、モニタリングやレポートのためにビジネスインテリジェンスツールに供給することができます。より多くのビジネスパターンを明らかにすることは企業組織に利益をもたらします。

オラクルが提供するOracle ERP CloudではAIや機械学習といった先端技術が急速に搭載されつつあります。。ぜひ最先端の業務システムをご確認ください。

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