急拡大するNECグローバルビジネスを支えたOracle Fusion Cloud EPM

 2021.06.29 

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かつて国内市場で苦境に立たされたNECですが、近年グローバルビジネスで急拡大しています。競合を寄せ付けない確固たる地位を築きつつあると言えるでしょう。しかし、グローバルビジネスにおいてもNECには大きな課題がありました。
この課題を解決し、NECのグローバルビジネスを支えたのがOracle Fusion Cloud EPMです。

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急拡大するNECグローバルビジネスを支えたOracle EPM Cloud

グローバル事業を急拡大させるNEC

NECは近年グローバル事業を取り組み始め、急拡大されています。しかし、NECは国内市場で大きく頓挫した経験も持っています。

NEC長年の苦境

NECは1899年に最初の外資系企業として設立されました。写真電送機やテレビ事業で成功し、その後はビジネスPCの名機PC-9801で一世を風靡しました。PCと言えばNECの時代だったのですが、Windows時代の到来により市場を失います。

またPC以外でも海外勢に押されて家電部門から撤退し、収益構造が悪化していきました。首が回らなくなったNECは1990年代から2000年代初めにはリストラを重ねています。

その結果ライバル企業である富士通などの大企業とは大きく差が開き、2009年には大規模なリストラを行い、さらに一般社員の賃金カットも実施しました。企業の先行きも不透明で、まさに八方ふさがりの状況と言えるでしょう。

ここからいかにしてNECは急成長を遂げたのでしょうか。

グローバルでの成長基盤確立を果たすNEC

国内市場で長年苦境を強いられたNECは、その後グローバルでの市場を模索します。最初の大きな取り組みとしては、2015年に「グローバルでの成長基盤の確立」を経営方針としたことです。

早期からグローバルでの市場拡大が軌道に乗ったNECは、2018年に海外事業を「グローバルビジネスユニット」に集約しました。そして2020年には5000億円弱の売上を達成し再成長の起爆剤にしています。

海外展開に成功した結果国内事業も軌道に乗り、直近ではNTTとの資本提携、5G無線機の量産、はやぶさ2のミッションへの貢献などが注目されました。こういった取り組みがありますが、現状NECの主軸は海外事業にあります。

NECのグローバルビジネスユニット

NECのグローバルビジネスの中核はセキュリティです。特に中華・アジア圏に強みを持ち、世界中に海外拠点を展開しています。今後も海外のセキュリティに力を入れる方針で、NEC全体の売上比率30%を視野に急拡大を続けています。

従来までのビジネスモデルとの大きな違いとしては、物理的な機器や環境の提供だけでなく、サポート体制を充実させていることでしょう。NECの海外子会社はそれぞれローカル事業に精通しており、国や地域ごとに最適なサービス、サポートを提供しています。

日本と現地担当者が効率的な連携を行うことで最適なサービス、サポートを提供し、世界各地で確固たる地位を築きつつあります。

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NECのグローバル事業が抱えた課題

NECはグローバル事業に力を入れ始めて数年で急成長を遂げました。国内事業で競合に後れを取っていた頃とは事業が大きく異なるのですが、グローバル事業にも課題が潜んでいます。

各国の現地法人管理の複雑化

NECは物理的な機器や環境を提供するだけでなく、世界各地でのサービス提供、顧客サポートに力を入れています。つまり各地の子会社が独立してローカル事情に精通する必要があるということです。

子会社が独自の動きを取った結果、各国の現地法人管理が複雑化しています。国ごとにインフラ環境等も異なるため、NECの子会社はそれぞれ独立した事業に取り組んでいます。これにより、一層管理が難しくなっています。

非効率的なデータ収集・管理方法

上述の通りNECのグローバル事業は急成長を遂げ、なおかつ現地密着型で各子会社が独自に事業を推し進めました。そしてデータ収集や管理においても一元化しないまま各子会社が取り急ぎ着手したため、現状非効率な状態で散らばっています。

具体的には、現地法人のデータの収集と管理は表計算ソフトに手入力していたのが実態です。また予算管理のルールや考え方が統一されていないため、NEC本社側から子会社の状況や改善案が見えにくく、なおかつ現場の子会社でも手探り状態で動いているということです。

データ収集や管理が効率化されれば、各子会社で情報を連携し、極力無駄を排除した経営が可能になるでしょう。

意思決定の遅れ

各子会社がバラバラにデータを収集しているため、NEC本社に報告する際にデータを成形する必要があります。これにより報告データの反映に時間がかかり、意思決定が遅れます。またこのような状況なので当然データの精度にも難があり、不確実な情報があった場合その都度確認作業を入れる必要がありました。

非効率な確認作業などが介在した結果、さらに意思決定のスピードが遅くなります。NECの提供しているサービス、サポートは特に迅速さが求められるため、意思決定のスピードは最大限高める必要があります。

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クラウドサービス導入による課題の解決

以上のような課題に対して、NECはどのような解決策に取り組んでいるのでしょう。もっとも注目すべきはクラウドサービスの導入です。

NECは「Oracle EMP Cloud-Planning」の導入を決断

NECはグローバル事業の問題解決のために、2018年にOracle EMP Cloud-Planning(PBCS)を導入しました。PBCSは予算管理クラウドサービスです。具体的には、会計や予算管理に必要なデータ入力やデータ管理を半自動化し、効率的に共有するサービスになります。

たとえば各子会社はフォームに従って情報を入力するため、NEC本社に報告する際にデータを成形する必要がありません。またクラウドサービスなので情報を入力すれば自動的に共有されます。

そのため、そもそも報告のために資料等を送る必要もないのです。NEC本社は随時各子会社の情報を把握できるため、迅速の判断ができます。

世界的に使われるOracle製品を使用することで円滑な導入を実現

Oracle製品はNECが先導して導入したというわけではなく、すでに世界中で使われているものです。世界的に導入されている利便性の高いツールをNECが導入したということです。またNECはグローバル展開に力を入れ始めた頃に、「Oracle Hyperion Planning」という経理管理のクラウドサービスを導入していました。

すでにOracle Hyperion Planningが浸透していたことで、PBCSの導入が抵抗なく進みました。

リアルタイムでのデータ把握が可能

PBCSを導入したことの一番のメリットは、リアルタイムでデータ把握ができるようになったことです。以前は現地のデータが把握できるまでに大幅なタイムラグがありました。これが現地法人で入力すれば即座に全社のシステムへ反映されるようになったのです。

そしてリアルタイムの数字を見ての迅速な経営判断が可能となりました。NECはPBCSをテコに「パイプライン経営」を実現しています。パイプライン経営とは、現場の状況と本社の状況が双方向に一早くわかる経営のことです。

厳密な定義は企業によって異なりますが、NECの場合は現地法人の動きと本社の動きが可視化され、随時連絡を取らなくてもクラウド上で簡単に確認できるようになりました。

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まとめ

かつて国内市場で苦境に立たされたNECは、海外市場で見事成功を収めました。しかし海外市場への展開は急だったため、現地法人と連携が取れず、業務が非効率になる、判断が遅れる、といった大きな問題も発生していました。

これらの問題の解決に大きく貢献したのがOracle EPM Cloudです。Oracle EPM Cloudは世界中の企業で導入されていますので、多数の拠点を持つ企業が改善策を打つための方法として活用されている「Oracle EPM Cloud」の導入を一度検討してみてはいかがでしょうか。

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