中小企業のリソースを最大化! 〜アメーバ経営を推進するNetSuite〜

 2016.06.10 

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厳しい経営環境の中、企業体力に勝る競合に立ち向かい、社員一丸となって活路を切り拓く――限られた人員と資源で高いパフォーマンスを求められる中小企業にとって、全社員が経営者意識を持って収益性向上に取り組む「全員参加型経営の実現」は、必然の選択肢とされています。

今回は、ベンチャー企業・京セラをグローバル企業へと成長させ、会社更生法が適用されたJALを僅か数年で再生した名経営者・稲森和夫氏の経営管理手法「アメーバ経営」にスポットを当て、限られた中小企業のリソースを最大活用するマネジメント・システムについて検証していきます。

全員参加で部門別採算を追求するアメーバ経営

京セラ名誉会長の稲盛和夫氏(日本航空名誉会長、KDDI最高顧問)が構築した経営管理手法「アメーバ経営」は、「経営は一部の経営トップのみが行うのではなく、全社員が関わって行うべきだ」という稲森氏の経営理念に基づき、組織内の「市場に直結した部門別採算制度の確立」により、「経営者意識を持つ人材の育成」を促し、「全員参加型経営の実現」を目指すものです。

組織を「アメーバ」と呼ばれる5~10人単位の小集団に細分化し、各アメーバのリーダーが中心となって部門ごとの採算性を管理し、各アメーバが自部門の利益拡大に集中することで全社の業績に貢献する「全員参加型の経営」は、従業員数28名のベンチャー企業として創業した京セラをグローバル企業に押し上げ、稲森氏が再建に携わったJALをはじめ、約600社の企業の成長エンジンの役割を果たしています。

アメーバ経営の原理;「時間当たり採算」を指標化し全社に適用

1959年に創業したファインセラミックスの専門メーカー・京都セラミック株式会社は、人員の拡大、取扱い品目の増加、製造工程の複雑化を受けて、1963年に初の自社工場となる滋賀工場を新設するに至ります。急成長に伴い事業全体の経営状況の掌握が困難となった稲盛和夫氏は、経営の実態を共通して把握できる指標づくりに取り組み、「時間当り採算制度」という独自の経営管理手法を見出します。

経営の真理を一言で表せば、「売上を極大に、経費を極小にする」ことにあります。これを実現するために、稲森氏は「{(①総生産(総収益)-②控除額(労務費を除く各種経費合計)}÷③総労働時間」の公式で導かれる「時間当たりの付加価値」を指標化したのです。これにより、採算性管理の対象は、「①総生産を上げる」「②経費を抑える」「③効率よく仕事をして労働時間を抑える」の3つに集約されることになります。また、この指標の導入により、異なる部門間の経営進捗を公平な尺度で評価することもできます。

稲森氏は、「時間当りの採算性向上」という明確な経営課題を全社で共有するために、組織を「アメーバ」に細分化する部門別採算管理制度を導入します。同時に、家計簿と同じようなわかりやすい構造で売上・経費・利益の流れを明記する「採算表」をアメーバごとに作成させて、採算性(時間当り付加価値)の進捗管理を促しました。「時間当たり付加価値」という共通の指標により、アメーバ単位での目標や課題がより明確になるとともに、全社的にも経営の進捗が「見える化」され、全従業員がその能力を最大限に発揮する「アメーバ経営」の基盤が確立されていったのです。

採算性を可視化し共有する仕組みを取り入れる

もとよりアメーバとして機能する(小規模集団で活動する)中小企業やベンチャー企業にとっては、部門別の採算管理よりもむしろ全方位的な採算管理が求められるところとなりますが、経営の実態を可視化する共通の指標が社員が取り組むべき目標や課題を明確にし、その進捗を共有し管理する仕組みが市場の動きに即座に対応できる俊敏な組織を育てる原理は同一のものとなります。

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成長企業がこれから12ヶ月で変えていくべき3つのこと

1人の社員が複数の部門の採算性を担う中小企業では、KPI(重要業績評価指標)の進捗を管理する仕組みとして、財務会計や販売、調達、購買、生産、物流、在庫管理顧客管理などのビジネスに必要な業務アプリケーションを統合的に提供するクラウドERPが有効に機能します。

さらに、ビジネスインテリジェンス機能を持つNetSuiteならば、標準で実装されているダッシュボード画面上に70種類以上の標準的なKPIと企業ごとにカスタマイズ設定した独自の経営指標のトランザクションとフローを可視化し、プロジェクトや製品ごとの採算(売上・経費・利益そして時間当り付加価値)の進捗を全社員と共有することが可能になります。

限られた経営資源で最大のパフォーマンスを追求する中小企業にとって、全社レベルでの目標と課題の共有は必然の経営課題となります。最適化されたインターフェースでリアルタイムなKPIの変動を可視化するNetSuiteで、市場や経営環境の変化に俊敏に対応する収益基盤を確立してください。

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タイムリーなKPIの把握が「経営者意識」を育てる

「市場に直結した部門別採算制度の確立」は、「経営者意識を持つ人材の育成」を促します。「アメーバ経営」では、アメーバ単位のリーダーが任命され、経営計画、実績管理、労務管理、資材発注などの細分化された小集団の経営をアメーバのメンバーと協働して行います。

各メンバーからは毎日概算の収支実績が報告されますので、月の後半になるとリーダーが立てた月次採算計画の進捗が明確になってきます。順調に進捗していなければ、リーダーは「時間当たりの付加価値」の指標に基づき、「①総生産を上げる」か、「②経費を抑える」か、「③効率よく仕事をして労働時間を抑える」かの何れかの課題に取り組み、利益を増やしていかなければなりません。

メンバーとともに「採算表」を基に課題の検討を重ねるうちに、リーダーには「タイムリーかつ正確な経営判断」を行う必要性への認識、メンバーには共同して経営に参画しているという自覚が生まれ、自ら挑戦し目標を達成する組織風土と「経営者意識を持つ人材」が養われていきます。

誰もが経営者意識を持って厳しい競争に立ち向かわなければならない中小企業にとって、「タイムリーかつ正確な経営判断」とそれを支えるKPIの的確な把握は、最優先の戦略課題となります。

NetSuiteはシステムにあらかじめ備わったビジネスインテリジェンス機能により、売上、利益、受注状況など、それぞれのステータスごとにKPIの変動を的確に捉え、統合的なプロセスによるレポートおよび分析結果を提供します。これにより、ビジネスの進捗をリアルタイムに反映した予実管理や収益分析を実現し、的確な経営判断をサポートします。

全社員でのリアルタイムなKPIの共有は、ビジネスプロセスに内在する不効率性をも排除し、ビジネスの駆動性を最大限に高めます。経営に関わるレベルから現場の業務まで、信頼性の高いデータを担保するNetSuiteを活用し、大組織では真似のできない迅速な意思決定を推進してください。

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全体最適視点で「全員参加型経営」を推進するNetSuite

アメーバ経営における全社的な「時間当り採算」の進捗管理は、各アメーバリーダーの意向を反映して経営者が確定する年度業績目標「マスタープラン」によって統括されています。この年度計画はアメーバリーダーに課された必達目標となり、各アメーバリーダーはこれを基にアメーバ単位の月次達成目標となる「予定」を立て、「実績」管理を行います。これに乖離があると「マスタープラン」の達成を阻害しますので、リーダーとメンバーは「採算表」の各項目をチェックし、知恵を結集してアメーバの採算性の改善に取り組みます。

アメーバ経営において「マスタープラン」と「採算表」は、全ての階層で統一された指標の役割を果たします。アメーバのリーダーとメンバーが行うミーティングから、課長が現場リーダーを集めて行う会議、課内会議、部内会議、事業部間会議から役員会に至るまで、各組織階層で同一の「マスタープラン」と「採算表」を共有し、全社の経営を「時間当り採算」という共通の指標をベースに最適化します。これにより、全社員が会社の発展のために力を合わせて経営に参加し、アメーバ単位の知見が全体の経営に反映されて、組織全体として強固な一体感を醸成する「全員参加型経営」が実現します。

もとより「マスタープラン」と部門別の「採算表」がほぼ一致する中小企業においては、NetSuiteが組織全体として強固な一体感を醸成する仕組みとして機能します。単一のデータベースから財務会計/ERPCRM、プロフェッショナル・サービス・オートメーション (PSA) をひとつの事業管理ソフトウェア・ソリューションとして提供するNetSuiteは、バランスのとれた経営資源の配分と的確なKGI(重要目標達成指標)およびKPI(重要業績評価指標)の設定と指示、各リーダーへの適正な権限の委譲を支援します。そして、共通のダッシュボード上からKPI/KGIの進捗をメンバー間で共有することにより、全体最適視点からビジネスプロセスがシームレスに連携する「全員参加型経営」を実現します。

かつてないスピードで経営環境が変動し、絶え間なく進化し続けることを求められる中小企業において、経営者意識を持った人材による全員参加型の収益性管理は、企業の持続的な成長を実現するための必須課題とされています。社員1人1人のタイムリーかつ正確な経営判断を促し、機敏性ある高収益型経営を推進するNetSuiteを、限られた中小企業の資源と人材を最大化させる成長エンジンとしてご活用いただければ、幸いです。

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