多くの中堅・中小企業にとって、依然手応えのない不確かな経営環境が続いています。
低迷する現状を打破するために、CFO(財務担当役員)には、どんな役割が求められ、それをどう実現していくのでしょうか。
中堅・中小企業を取り巻く経営環境
日本経済は底の見えなかった絶不調期からようやく抜け出そうとしています。
中堅・中小企業においても、経常利益は高水準へ移行し、事業者数の減少のペースも緩やかなものになってきました。しかし、経常利益拡大の内訳は、原材料やエネルギー価格の低下などによるものが大きく、売上自体が拡大しているわけではありません。国内市場の縮小傾向は続き、経営資源への投資意欲も持てず、設備の老朽化と人手不足が深刻化しているのが実情です。
CFOへの期待
では、本当に稼げる会社にはどうすればなれるのでしょう? なにから手をつけるべきなのでしょうか?
NHKの大河ドラマ「真田丸」でも脚光を浴びる真田昌幸・信繁(幸村)親子は、敵を自陣深く袋小路に引き込み、機を見て攻撃に転じるという、攻守自在の戦法により勝利を導いたといわれています。守るための攻め、攻めるための守りという戦略には、攻守を切り替えるタイミングが重要になります。
CFOは、ビジネス遂行機関としての企業の中で、攻守のタイミングを計るために必要なさまざまな情報を把握する絶好のポジションにいます。それは、ときにCEO(最高経営責任者)よりも早く、より多くの情報に接する機会を組織の仕組みとして与えられています。CFOは、CEOを含め、各事業部門の責任者である他のCxOと最も多く連携(情報交換)していることは明らかです。
従来から言われている「金庫番」としての役割からすれば当然の情報フローですが、しかし、事業部門のさまざまな情報がCFOに集約されるということには、「事業を分析し評価」する可能性が潜在しており、現実に今後のCFOにはそうした役割を果たすことが期待されています。
CFOに期待される役割
- 金庫番としてコスト抑制や資金調達などの財務戦略の推進
- 事業を分析し、KPIを設定し評価するための根拠の提供
- 攻守自在のタイミングを決断するための経営情報の提供
攻めにつながる守り:財務戦略
どのようして今ある経営資源を守り活用していくか? 守りの要となる財務戦略の最大のポイントが資金調達です。
現在、金融機関の貸出態度は改善傾向にありますが、中堅・中小企業への金融機関からの貸出は大企業ほどには伸びていないことが報告されています。
その一方で、金融機関から借入れをしない無借金企業が増えていることも報告されていますが、借入れのある企業よりも利益率が低くなる傾向があることが明らかになっています。借入れを避けるために極端に投資を抑制しすぎて、成長の芽を自ら摘んでいると考えられます。CFOには、自己資本比率と事業計画とのバランスを見極めながら、成長に向けた投資を進めるために、賢く資金を調達することが求められています。
また、資金調達先となる金融機関は、企業の現状の財務内容や経営者の資産余力を評価する傾向にあることから、CFOには、自社の企業価値を高くして融資を引き出す工夫も求められています。自社の事業性評価を適切に行ない、今後の事業計画などを積極的に金融機関に伝えていくことが重要になってくると考えられます。
守りから攻めへつなぐ:マネージメント
各事業部門から発生するさまざまなコストや、各事業の成果を適切にマネージメントすることで、守りつつ攻める体勢が整います。CFOには、硬直した安易な管理に陥ることなく、ビジネスや人材の成長を促すダイナミックなマネージメントを推進する責務があります。
コストを適切に抑制することは、新しいビジネスが生まれる土壌を耕すことにつながります。同様に、各事業の成果(パフォーマンス)を正しく計測するためにKPI (重要業績評価指標)を設定し、定期的に評価する仕組みを機構として持つことで、ビジネスの新しい機会と成長を推進する原動力が生まれてきます。
攻守のタイミングを決する:意思決定支援
機動力のある守りと攻めの連携を可能にする体勢が整ったところで、では、いつ守りと攻めを切り替えればよいのか? その絶好のタイミングを予測するために必要なこととは?
これまでも経理財務部門は、経営の意思決定に寄与する財務データなどを提供してきましたが、過去データの整理や分析だけで手一杯になり、将来を予測するデータまで準備することは困難でした。また、今後は経理財務データだけでなく、サプライチェーン上の需給予測や、購買傾向のモデリング、支払い遅延顧客の予測など、さまざまな業務での意思決定を支援する予測分析を行っていくことが求められてきます。
過去の業務データの集計や分析をできるだけ自動化し、経理財務部門の業務を、より戦略的な予測・分析へとシフトさせることが、企業の成長力を高める重要なポイントになってきます。予測・分析にリソースを割り当てることで、商談状況や受注実績などの多様なデータからのビジネス分析が可能になり、今後、CFOをはじめ経理財務部門は、守りから攻めに転じるM&Aやビジネス・モデルの改革を推進する役割を担うようになると考えられます。
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武器は持たない、使う。:クラウドERP
攻守自在の戦略を実現するために、どんな武器を持てばよいのでしょうか? 否、武器を持てば重くなり機動力が殺がれてしまいます。「クラウドERP」という持たざる武器を使いこなすことが、スマートなCFOの選択です。
NetSuite は、ERP/財務会計、CRM(顧客管理)、Eコマースなどを含む主要な業務アプリケーション機能を、単一のシステムとして提供するWeb ベースのソリューションです。世界No.1 のクラウドビジネス管理スイート製品であり、1998 年以来、数多くの企業の業務プロセスを改善し、業績の向上に貢献してきました。現在、日本を含む世界110カ国以上の24,000を超える企業や機関に採用されています。
たとえば、NetSuiteの経営ダッシュボードを活用すれば、各事業部門の予実管理や経営分析などが簡単にでき、経営や財務の“今”をリアルタイムに把握し、攻守の決断と戦術を俊敏に実行することが可能になります。
世界No.1のクラウドERPシステム NetSuiteが、攻守自在の戦略を実現し、新たなビジネスフィールドを拓く最強の武器になるに違いありません。
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