在庫管理システムは、在庫管理業務を効率化し、適正在庫を保つなど様々な導入効果を持ちます。従来Excelで管理してきた企業でも、次第に限界を感じ始め在庫管理システム導入を検討し出します。
皆さんの企業では在庫管理システムを導入しようというニーズや動きがあるでしょうか?その中で、もしも導入プロジェクトの担当者に任命されたのであれば、在庫管理システム選定を慎重に行わなけばなりません。
在庫管理システム導入を成功させる上で「正しい選定」は成功要因の5割以上を占めると言ってもいいでしょう。
今回は、そんな在庫管理システム選定のポイントについて紹介していきます。「在庫管理システムの選び方がわからない」という担当者や企業は、ぜひ参考にしてください。
ポイント1.将来的なカスタマイズを考慮する
企業の在庫状況というのは常に変化します。特に多様化したニーズがあり、急速に変化するビジネス社会において、昨日は必要としなかった機能が今日必要になるといった状況も少なくありません。
このとき重要なのが在庫管理システムのカスタマイズ性です。変化するニーズ、として在庫管理状況に対応するためには、時にシステムをカスタマイズしなければなりません。
しかし、パッケージ製品として機能をガチガチに固められたような在庫管理システムでは、新たな機能を追加したり項目を変更するといったカスタマイズができません。となると、対応策としては人手によって変化した業務に対応するか、在庫管理システムをリプレースするか、あるいは変化した業務に対応できる別アプリケーションを導入・開発するといった選択肢が残ります。
いずれも手間やコストが多くかかる対応策ですので、推奨はしません。
こうした事態を避けるためにも、在庫管理システム選定段階からカスタマイズ性の高いシステムを選ぶ必要があります。独自に開発プラットフォームを提供していたり、追加開発に対応するといった在庫管理システムに注目しましょう。
ポイント2.導入目的を明確にして要件定義に落とし込む
在庫管理システムを選定する上で、「導入目的を明確にしておく」ということは想像以上に大切なことです。「在庫管理システム=業務効率化」という固定的なイメージで導入するのではなく、あくまで自社の現状課題から導入目的を明確にした上で、在庫管理システムを選ばなければ間違った選択をしてしまう可能性があります。
現場従業員は在庫管理に関する課題を漠然と感じてはいるものの、課題の洗い出しを行い顕在化しない限り、本当の課題や原因を突き止めることはできません。
ですので在庫管理システムを選び出す前に、まずは自社の在庫管理課題を洗い出してください。洗い出した上でそれぞれに優先度を付け、在庫管理システムを導入することでどういったアプローチで課題を解決できるかを考えます。
そうすれば自然と在庫管理システム導入の目的が見えてくるので、適切な在庫管理システム選びができるというわけです。
ポイント3.既存システムとの連携性を確認する
企業にとってベストなのは、在庫管理に限らず組織全体の業務を最適化することです。そこでキーポイントになるのが統合的なシステム環境です。
今では各部門に分断化された業務アプリケーションが稼働しているという環境が当たり前ですが、こうした環境が生んでいる弊害は様々なものがあります。例えばデータ入力の二重作業、リアルタイム性に欠けるデータ反映など、全体最適化を行う上で阻害になるものばかりです。
だからこそ分断化されたシステム環境を一つにまとめ、各業務アプリーションで連携の取れた環境を整える必要があります。
手始めとして在庫管理システムと仕入管理システム、販売管理システムを統合していきましょう。いずれも関連性の高い業務ですので、連携することでサプライチェーンを大幅に効率化することができます。
また、ERPのようにフロントオフィス業務とバックオフィス業務まで統合し、企業システム全体を統合的に運用するのも効果的です。
ポイント4.ビジネスモデルに適したシステムを選ぶ
在庫管理は様々な業界で発生する業務ですが、その特徴は各業界や企業によって異なります。例えば食品会社と自動車製造メーカーでは管理するものも、管理するポイントも違います。
従って、自社にビジネスモデルに適した在庫管理システムを選ぶことは重要です。あるいは、汎用的な在庫管理システムを導入して自社独自にカスタマイズするという方法もあります。
いずれにしろ自社にとって最適な在庫管理環境を整えるということが大切です。
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ポイント5.クラウド型やERPでの導入も検討する
クラウド型在庫管理システムとは、サーバやPCにソフトウェアをインストールする必要なく、インターネット経由でWeb上の在庫管理システムを利用するためのサービスです。ユーザーは「インターネットとPC」という環境さえ整っていれば、月額利用料を支払うだけで在庫管理システムを利用することができます。
クラウド型在庫管理システムを導入する利点は「迅速・低コストな導入」「運用業務の効率化」「柔軟性の高いシステム利用」です。
初期費用が安価でインフラ調達も不要なので、導入プロジェクトを大幅に短期化し、導入コストを下げることもできます。また、クラウド型在庫管理システムはベンダー側でシステム運用がなされているので、導入後の運用業務を効率化することもできるのです。IT管理者の負担を軽減しつつ導入できるので、人的リソースを有効活用できるのもメリットの一つでしょう。
さらにクラウド型在庫管理システムは、その特徴から利用する場所やデバイスを選びません。インターネットとPCさえあれば、どこでも利用できます。これはつまり離れた場所にある倉庫でも、簡単に本社と共有された在庫管理システムを整備できるということです。
このようにクラウド型在庫管理システムを導入する利点は高く、年々拡大している市場でもあります。
もう一つ検討しておきたいERP(統合基幹業務システム)は、在庫管理システムを含め複数の業務アプリケーションを統合的に提供するITソリューションです。在庫管理、販売管理、仕入管理、原価管理、顧客管理、営業支援、人事管理、Eコマースなど経営に必要とされている様々な業務アプリケーションを包括的に提供します。
ERPの概念は「全体最適化」「経営資源の有効活用」で、すべてのシステムで連携が取れていることで、組織全体の業務を最適化することができます。また、各業務アプリケーションから生成されるデータを一元的に管理することで、BI(ビジネスインテリジェンス)に取り込んで分析をしたり、経営資源を最大限に活用することができます。
クラウド型在庫管理システムとERP、この2つは在庫管理システムを検討する際に、同じく検討しておくべきITソリューションです。
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まとめ
ここで紹介した在庫管理システム選定のポイントは、基本的かつシンプルに見えて忘れられがちです。このため在庫管理システム導入に失敗してしまう企業も多く、無駄なコストや手間を生んでしまっているのです。
在庫管理システムを選定する際は、これら5つのポイントを徹底的に押さえ、選定を進めていきましょう。最適な在庫管理システムを選ぶことこそ、適切な在庫管理システム導入を実現するための第一歩です。- カテゴリ:
- サプライチェーン/生産管理
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- 在庫管理