固定資産管理は、企業が保有する固定資産がどこにあるのか、または何があるのかだけを管理するものではありません。減価償却状況をリアルタイムに確認したり、固定資産情報を的確に管理することで、将来的な設備投資の計画を立てることも可能です。
また、固定資産は設置している市区町村に償却資産税を支払う必要があるので、固定資産の設置場所を移動することもあるでしょう。
こうした管理を適切に行うためのITツールが“固定資産管理システム”です。今回はおすすめの固定資産管理システムを9製品集め、その特徴をそれぞれ紹介していきたいと思います。
また、固定資産管理システムにもさらに設備管理システムや車両管理システムなどもあります。これらは管理対象の性質によって目的や機能が異なりますが、これらは固定資産の一部ですので、場合によっては個別の検討も必要でしょう。
今後、固定資産管理システムを導入する予定がある企業はぜひ参考にしてください。
固定資産管理システム一覧
固定資産管理パッケージ
減価償却、減損処理、法人税申告帳票や償却資産税申告帳票の自動作成など固定資産管理に必須な機能を網羅した製品です。導入リードタイム、初期コスト、システム運用負荷を大幅に削減できるクラウドとして提供されているので、中小企業でも安心して導入できる製品の一つです。
クラウドなので会計基準や税制度の変更に対しては随時システムベンダーが対応してくれますし、IFRSに関しても随時対応していくようです。
さらに周辺システムとの連携性機能も備えているので、固定資産管理システムを中心に総合的なシステム環境を構築できます。
http://www.propertydbk.com/service/kpackage.html
固定資産デザイナー
現物管理、部門別管理、予算シミュレーション、税務申告支援など多数の機能を有しており、固定資産管理システムとして幅広い領域をカバーできるオールラウンダー的製品です。さらに導入前後に専属公認会計士との連携によるコンサルティングサポートまで提供しているので、初めての固定資産管理システム導入でも安心して行うことができます。
http://www.utc-net.co.jp/fixed_assets/index.html固定資産奉行
勘定奉行でおなじみのOBCが提供する固定資産管理システムです。税務基準による管理はもちろん、会計・IFRSなど複数基準の償却情報管理(複数帳簿の保持)に対応できます。また、減損・資産除去債務などの複雑な会計処理にも対応できる製品です。
制度改正などに応じて常にシステムの更新が行われるので、将来的に使えなくなってしまう心配もありません。スタンドアロンでは28万円~と比較的低コストで提供されているのも注目すべき点でしょう。
https://www.obc.co.jp/bugyo/syokyaku/price
EXPLANNER/Fa
取得から減価償却、売却・除却までのライフサイクルを管理し、将来の取得予定や異動予定を加味した償却額シミュレーションが最大50年可能です。資産調達のための投資予測に活用できるのが特徴です。
50以上の帳票作成もでき、会計システムとシームレスに連携する機能が備わっているので、固定資産管理だけでなく幅広い経理業務を効率化することができます。
http://www.nec-nexs.com/erp/explanner_fa/
FAManager
固定資産の登録は一括読込機能により、現在利用している業務システム(購買管理システムなど)とのデータ連携が可能です。各種業務システムから出力したCSVデータごとに読込レイアウトを設計・保存できるため、固定資産の取得・除売却・移動等の情報登録にかかる業務を省力化できます。
現物管理では固定資産台帳と正確にリンクした資産管理ラベル・現物照合表を出力でき、社外へ貸与した資産の「借受書」や「保管証明書」も出力できます。
この他事業所別の固定資産管理などにも対応しており、機能性の高い製品の一つです。
http://www.tkc.jp/consolidate/famanager
OBIC7 固定資産管理システム
台帳登録から分割・売却・除却・移動・休止・減損・資本的支出などの異動管理、および6基準での減価償却計算と台帳管理、付帯情報を含めた現物管理、減損処理、資産除去債務管理、法人税、固定資産税申告書作成など、固定資産を総合的に管理できる製品です。
リース管理は建設仮勘定といった機能も提供していることから、様々な業種にフィットする製品だと言えます。
よく言えばオールラウンド、悪く言えば汎用的なので、自社にとってフィットする固定資産管理システムかどうかを見極めた上で導入しましょう。
http://www.obic.co.jp/erp_solution/accounting_info/fixed_assets.html
Plaza-i 固定資産
20年以上に亘り税制改正等にいち早く対応し、上場企業、大手会計事務所、全国金融機関等で使用されてきた製品です。固定資産管理システムの機能としてはシンプルで、単体で導入するというよりも基幹システムの一部として導入する方が効果は高いようです。
単体システムとして導入したい際は、製品の機能性をしっかりと把握した上で検討するのが良いでしょう。
http://www.ba-net.co.jp/plaza-i/products/fas/
ProPlus固定資産システム
固定資産の取得から移動・除却までを管理し、減価償却や減損等の会計・税務関連情報に始まり、現物管理に至るまで一元管理が可能になります。また、豊富で柔軟な機能や計算結果の正確性はもちろん、使いやすさにもこだわった製品です。
1つの資産に対して複数の帳簿(償却関連情報)が設定できるので、会計・税務のほか、IFRSや償却資産税申告の管理ができます。
https://www.proship.co.jp/products/fs/fa/
SuperStream-NX
会計・税務台帳以外にIFRSや管理会計用など最大5種類の台帳で一括管理できます。また、台帳に登録した資産情報は複写機能を利用することで簡単にほかの台帳へコピー可能です。管理項目も非常に豊富なので、自社に最適な固定資産管理システムの形を手にすることができるでしょう。
http://www.superstream.co.jp/kk/product/nx/account/fa/index.html/
[RELATED_POSTS]固定資産管理システムならERPでの導入がおすすめ
ERPとは統合基幹業務システムといって、統合的なシステム環境を一手に導入できるITソリューションです。固定資産管理システムはもちろんのこと、会計システムや在庫管理システムなど、組織に必要なシステムを複数同時に提供します。
各システムは相互連携しているのでデータ共有が迅速化し、組織全体の作業効率をアップさせることができるでしょう。
また、クラウド型ならばグループ会社間で情報共有を行うことも容易なので、海外拠点とのシステム統一も実現できます。
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まとめ
いかがでしょうか?固定資産管理システムも実に様々な製品が提供されているので、いざ導入しようというときに迷ってしまうのも仕方ないでしょう。それでも、正しい製品選定を行えば自ずと最適な製品を導入することができます。
まずは社内の固定資産管理状況と関連業務を洗い出して、問題点を把握していきましょう。その上で、固定資産管理システムを使ってどう解決するかを考え、選定基準を作っていくことが大切です。
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