試算表とは?企業経営者が理解したいポイント

 2019.05.20 

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経理業務の中で作成する書類に「試算表」というものがあります。聞いたことはあるけれど、どんな書類なのか、何のための書類なのか分からないという方も多いでしょう。実は、試算表はその見方を知れば会社の経営状況を把握できるような、非常に重要な書類です。本稿では、試算表の基礎知識と、試算表を見るためのポイントについて解説します。

試算表とは?

試算表は、決算書類を作成する前段階として、仕訳帳から総勘定元帳に経理情報が正確に転記されるかどうかを確認するための集計表のことを指します。

  • 決算書類…損益計算書や賃借対照表など決算報告に用いる書類
  • 仕訳帳…日付順にすべての取引を記述した帳簿書類
  • 総勘定元帳…仕訳帳の内容を勘定科目ごとに転記した帳簿書類

ちなみに試算表には、貸方借方の合計を集計した「合計試算表」、貸方借方の残高を出した「残高試算表」、合計と残高の両者を足した「合計残高試算表」があります。

合計試算表の一例

借方

勘定科目

貸方

53,000

現金

30,100

15,000

備品

 

11,000

借入金

15,000

 

資本金

30,000

 

売上金

27,000

 

受取手数料

11,000

20,000

仕入金

 

14,000

給与

 

100

支払利息

 

113,100

合計

113,100

残高試算法の一例

借方

勘定科目

貸方

33,900

現金

 

15,000

備品

 
 

借入金

14,000

 

資本金

30,000

 

売上金

27,000

 

受取手数料

11,000

20,000

仕入金

 

14,000

給与

 

100

支払利息

 

83,000

合計

83,000

合計残高試算表の一例

借方

勘定科目

貸方

残高

合計

合計

残高

33,900

53,000

現金

30,100

 

15,000

15,000

備品

   
 

11,000

借入金

15,000

14,000

   

資本金

30,000

30,000

   

売上金

27,000

27,000

   

受取手数料

11,000

11,000

20,000

20,000

仕入金

   

14,000

14,000

給与

   

100

100

支払利息

   

83,000

113,100

合計

113,100

83,000

試算表のどこを見ればよいのか?

試算表は、勘定科目ごとに仕訳帳から総勘定元帳への転記が正確に行われているかをチェックするための集計表となります。従って、見方のポイントに注意して試算法を見ると、会社の資産や利益が把握できます。

たとえば、残高試算表の勘定科目を上から確認していくと、売上もしくは商品販売益といった勘定科目があります。この売上を含む下部が損益科目、売上を含まない上部が残高科目ということになります。

上部の残高科目は賃借対照表の勘定科目になり、損益科目は損益計算書の勘定科目になります。さらに、上部左欄の借方に現金預金、売掛金などの資産が示され、上部右欄の貸方に借入金や買掛金などの負債が記されます。

資産と負債の金額を見て、資産の方が多ければ健全な経営をしていることになりますが、負債が多いと要注意です。負債は、今後返済しなければいけない銀行借入金や、取引先への買掛金です。従ってそのままでは返済不能になり、倒産の可能性があります。

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勘定科目の売上から株の欄には損益科目になります。貸方となる右欄には売上は受取利息など、会社の収益が入ります。左欄の借方には費用勘定科目が入り、仕入れ費用や支払い利息、支払家賃などが記入されることになります。残高科目と逆になり、右欄貸方の収益科目の金額が多く、左欄の借方の費用科目の金額が小さくなっていれば、それは利益が出ているということです。収益の金額よりも費用の方が大きくなると、会社は赤字ということになります。

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賃借対照表と損益計算書

賃借対照表

賃借対照表は、会社の一定地点での財政状態を占める一覧表のことです。バランスシートとも呼ばれ、賃借対照表では企業の資産と負債、純資産を示しているための調達元などが確認できます。

まずは、左側の借方に資産の部として流動資産と固定資産に分かれます。流動資産として現金預金、受取手形、売掛金、有価証券、商品などが入ります。流動資産の基準が1年以内に現金化できる資産として、原則現金化しやすい順番に記載されています。

流動資産の下部には固定資産が記載されます。固定資産は、企業が保有する土地や建物などの不動産、あるいは機械設備や、その中には長期保有型の有価証券なども含まれます。右側の貸方には、負債と純資産が記載されます。負債は、返済義務のある資金を表しているもので、他人資本とも呼ばれます。

負債も資産と同じように、1年以内に返済期限のある流動負債と、返済期限が1年を超える固定負債に分けられています。負債は原則、返済期日が早いものから並んでいるので、上から流動負債、その下に固定負債が並びます。流動負債として支払い手形、買掛金、未払金、短期借入金などが記載され、固定負債として長期借入金、社債などが記載されています。

ちなみに純資本は資本ともいわれ、資本金として投資家が集めた資金としての資本金、営業活動によって生まれた利益余剰金があります。

損益計算書

損益計算書とは、1年間の事業活動においての会社の収益と費用を明らかにして、いくらの利益または損失が出ているかを把握するための決算書類です。賃借対照表と同時に作られ、財務諸表の1つとして扱われます。英国では「Profit and Loss statement」と呼ばれており、「P/L」と表記されることもあります。

損益計算書を見れば企業収益と費用が把握できるため、会社がどれくらいの利益を出しているのかという収益力が確認できます。経常損益の部と特別損益の部に分かれ、さらに経常損益では営業損益の部と営業外損益の部に分かれています。

営業損益では、売上高が最上部に記載され、その下に売上原価を差し引いた金額が売上総利益となります。売上総利益から営業費用として販売費及び一般管理費(販管費)を差し引いた金額が営業利益です。販管費は会社の営業活動に欠かせないもので、給与や賞与、福利厚生費、広告宣伝費、旅費交通費、消耗品費、減価償却費などの経費がこれに該当します。

経常損益として、営業利益に営業外収益を加算し、営業外費用を差し引いた金額が該当します。営業外収益では受取利息や受取配当金など、営業外費用や支払利息や貸倒損失などが該当します。最後に、特別損益は経常損益に特別損益を加算し、特別損失を差し引くと税引き前当期純利益になります。

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試算表を確認してみよう!

いかがでしょうか?経営者が会社の経営状況について把握したいと考えた場合は、まず試算表を確認してみることをおすすめします。しかし、試算表は作成にも時間がかかるため、リアルタイムな経営状況を知るという点では、情報が不足してしまいます。そこで、日常的にリアルタイムな経営状況を知りたいという経営者の皆さんは、クラウドERP導入についてぜひ検討してみてください。クラウドERPは、統合的なICT環境をインターネット経由で提供し、組織全体の情報を瞬時に可視化してくれるサービスです。財務情報についても確認できますので、クラウドERPでいつでも好きな時に、好きな情報を手にすることができます。

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