予算とは?初心者でも理解できる基本的な管理手順と注意点

 2019.10.18 

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知っているようで知らない経営用語の代表格が「予算」でしょう。会社に入るといたるところで耳にしますが、言う人が違えば意味も違いますので、困惑することもあります。本稿では、その予算の意味をご紹介します。

予算とは?

予算というのは、あらかじめ決めらえた数値目標を意味します。一般的な用途としては「住宅購入の予算」など費用面での使われ方をしますが、会社の予算というと費用だけが含まれるわけではありません。たとえば、売上に対して設定する目標は売上の目標といって、会社にとってプラスになる収益面でも予算という言葉を用います。一般的な予算の種類は、以下の4つになります。

1.利益予算

1年間の達成すべき利益目標のことです。目標とする売上高を達成できなくても、高い利益率を叩き出せば利益予算を達成できます。

2.売上予算

利益予算を達成するための指標として欠かせないのが売上予算です。目標とする売上高を達成すれば利益予算が達成されるわけではありませんが、売上予算を細かくチェックして進捗管理を実施することが大切です。

3.原価予算

商品を製造・販売するのと、サービスを提供するのには必ず原価がかかります。たとえば製造業では売上予算を達成できるだけの商品を製造する必要があり、それに応じて原価予算も変動します。さらに、原価予算を低く設定し、達成することで利益予算の達成に貢献するため、とても重要な予算項目です。

4.経費予算

会社が売上を上げるためには原価以外に経費もかかります。主に人件費、交通費、その他人材にかかわる諸々の費用や、オフィス賃料や光熱費など、会社を運営するために必要な費用も含まれます。経費は利益や売上に間接的に関係するものなので、中長期目線での計画が欠かせません。

さらに細かく分類すると、予算は以下のようになります。

総合予算

損益予算

販売予算

売上高予算

売上原価予算

販売費予算

製造予算

生産高予算

材料費予算

労務費予算

製造経費予算

外注費予算

購買予算

原材料購買予算

一般管理費予算

研究開発費予算

営業外損益予算

資本予算

資金予算

設備投資予算

投融資予算

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予算はどうやって決まるのか?

上記のように、予算には多種多様なものがありますが、それぞれの予算はどのように決まるのでしょうか?大まかな分類としては「トップダウン方式」と「ボトムアップ方式」があります。

トップダウン方式

経営陣が全体的な予算編成を決定した、その予算を事業別・部門別に落とし込んでいく方法です。トップダウン方式は予算編成に時間がかからず、経営資源を効率的に分配できるメリットがあります。しかしその反面、現場実態と乖離しているケースも多いため、現場のモチベーションが上がらないという難点もあります。

ボトムアップ方式

部門別に予算編成を立てて、それらの予算を積み上げて全体的な予算編成を作る方法です。現場実態を知る部門責任者などが現実的な予算編成を作ることから、実態に即した予算編成可能であり、現場のモチベーションアップにも繋がります。その一方で、予算編成が完了するまでに度々調整が入り、会社の経営方針に即した予算編成ができない可能性が高いでしょう。

トップダウン方式もボトムアップ方式も一長一短があるので、一般的には2つの方法を組み合わせてバランス良く取り入れるのが最適です。経営陣側からの予算原案と部門別の予算原案を突き合わせて調整を行い、予算委員会において会社全体で納得感のある予算を決めていきます。

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予算委員会ってどんな組織?

予算を決めるにあたって「予算委員会」などの組織を設定しているケースがよくあります。では、この予算委員会とはどんな組織なのでしょうか?一般的には、最高責任者、統括責任者、事業別責任者、部門別責任者で構成されています。

1.最高責任者

予算管理における最高責任者は、主に会社の代表取締役社長またはCFO(最高経理責任者)や経営企画部門の責任者などが担当します。主な仕事内容は、総合予算編成方針を決定して、その実施を命令し、統轄することです。

2.統括責任者

予算管理における統括責任者は、主にCFOまたは経理部長が担当します。主な仕事内容は以下の通りになります。

  1. 総合予算編成方針案の立案
  2. 事業別予算案、部門別予算案の総合調整及び総合予算案の編成
  3. 予算の執行状況及び結果の総合分析
  4. 予算の立案、執行、管理に関する関係部門への助言援助
  5. 予算委員会の事務局長

3.事業別責任者

予算管理における事業別責任者は、主に事業部長が担当します。主な仕事内容は以下の通りです。

  1. 部門別予算の調整及び事業別予算案の編成
  2. 部門別予算の執行状況及び結果に対する差異分析
  3. 事業別予算の執行状況及び結果の総合分析

4.部門別責任者

予算管理の部門別責任者は、主に各部門の責任者が担当します。主な仕事内容は以下の通りです。

  1. 部門別予算案の立案および執行
  2. 部門別予算の執行状況および結果に対する差異分析

これが一般的な予算委員会の構成です。会社の規模によってもっと大きな組織になっている場合もありますし、連結子会社がある場合はそれを含めて予算委員会が設置されていることもあるでしょう。

予算管理とは?実施のメリット

ここまでの解説で度々登場している「予算管理」とは何か?と気になっている方も多いかと思います。予算について解説する上で、予算管理は欠かせない項目です。

予算管理とは「限られた資源で利益を最大化するための管理」のことです。前述のように、予算にはさまざまな種類がありますし、組織全体の人間が関わっています。そもそも予算を立てる理由は、会社の利益目標や売上目標などさまざまな目標を数値化して、目で追えるようにするためのものです。しかし、予算編成を組むだけでは意味がありません。最も重要なことは「予算を達成すること」です。

そのために欠かせないのが予算管理であり、予算の進捗を追いかけて、差異があれば分析し、問題があれば改善します。そうした予算達成に向けて数値管理していくことが、予算管理です。予算管理を実施することで、以下のようなメリットがあります。

  • 予算進捗を定期的にチェックすることから、問題がある際は即座に軌道修正できる
  • 予算目標が明確になり組織全体のモチベーションが上がりやすい
  • 投資家などのステークホルダーに対して中長期的な予算計画を明示できる

予算管理ツールについて

いかがでしょうか?予算は会社にとっても非常に重要な指標であり、決して疎かにできないものです。予算管理では、予算編成を素早く行った上で、適切に管理していくことが大切です。そのために予算管理ツールを利用する企業が増えています。予算管理ツールとは、予算編成や予算進捗のチェックを効率化するためのツールです。オンプレミスで導入されるものや、クラウドで利用できるものなど様々なものがあります。その中から適切な予算管理ツールを選ぶことで、予算を管理しやすくなるので、会社は進捗を追うことに集中できるでしょう。この機会に、予算管理ツールの利用をご検討ください。その際にはOracle EPM Cloudをご検討いただければ幸いです。

クラウドで予算と予測を管理

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