POSデータ活用と基幹システム連携

 2017.03.22 

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組織のシステム環境が分断化している事で起こる弊害は現代ビジネスを生き残る上で深刻な問題であり、多くの企業にとってシステムの統合が求められています。

会計管理システム顧客管理システム、人事管理システムなど、これらの基幹システムを統合することで分断化の弊害を解消するだけでなく、様々なメリットがあるのは既にご存知のことかと思います。

そしてもう一つ、基幹システムと統合化することで大きなメリットを生むシステムがあります。それは、店舗経営に欠かすことのできないPOSシステムです。

POSシステムから生み出される膨大な売上情報など(POSデータ)は、事業成長において非常に重要な情報源であり、さらにPOSシステムを基幹システムと統合することで様々なメリットが存在します。

今回は、POSデータ及びPOSシステムと基幹システムを連携するメリットやデメリットについて解説していきます。

POSシステムと基幹システムの連携メリット

事業全体のデータを一元的に管理

基幹システムとPOSシステムが切り離されている状態だと、たとえ各基幹システムが統合されていようと、POSデータを基幹システムと共に管理することができません。

そのため管理コストがかかるだけでなく、統合することで得られる多くのメリットを失っていることになるのです。

反対に基幹システムとPOSデータで連携が取れていると、事業全体のデータを一元的に管理することができます。

そうすることで管理コストを削減するだけでなく、POSデータの様々な活用方法が生まれます。

売上情報、顧客情報、在庫情報の紐付けができる

一般的なPOSシステムでは売上情報、顧客情報、在庫情報など様々な情報を記録することができ、重要な情報源を作ることが可能です。

しかし、これらのデータを有効活用するためには情報の紐づけが必要になります。

「どの顧客が何を買ったのか?」や「A商品の在庫はあとどれくらいか?」などの情報を紐付けることで、新たな販売機会を作ることもできるのです。

データ入力の手間とミスを減らせる

各システムが分断化されている環境だと、データ入力の手間は二重三重と発生します。逆に各システムが統合されていればデータ入力の手間が減らせ、それに付随して入力ミスも減少します。

また、各部門から他部門のデータを参照するなど、組織内の垣根を取り払ったシステム環境を整えることも可能です。

店舗における人件費削減につながる

アルバイトを雇うことの多い店舗では、「時間≒人件費」となり、できる限り無駄な業務を省くことが人件費削減になります。

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POSデータと基幹システムが連携されていると、店舗の従業員は報告書を作成する手間が大幅に減少します。

1日30分でも業務効率化を図ることができれば、年間で見て大きな人件費削減となります。

POSデータ分析でマーケティングに活かせる

POSデータと基幹システムの連携で最も大きなメリットは、やはりPOSデータを分析マーケティングに活かすことができるという事でしょう。

日々の売上情報や顧客情報は、明日の利益を生み出すための重要な情報です。様々な角度から分析しマーケティングに反映させることで、新たなビジネス的価値を創出することもできます。

そのためにはPOSデータと基幹システムを連携するだけでなく、BI(ビジネスインテリジェンス)の導入で分析環境を整えることも重要です。

連携しない事で発生するデメリット

各システムで商品情報やマスタを管理しなければならない

POSデータと基幹システムで連携が取れていない環境では、各システムで商品情報やマスタを管理しなければなりません。これは組織にとって大きな手間であり、業務効率化を阻む原因でもあります。

報告書が手書きやExcelになるため手間がかかる

報告書などを手書きやExcelで作成している企業はまだまだ多いかと思います。業務中、あるいは閉店後に報告書作成に時間を多く取られてしまう店舗は多いでしょう。

これは手間がかかるだけでなく、人件費の増加と販売機会の損失を生んでしまっている原因でもあるのです。

POSデータを分析できず新たなマーケティングが生まれない

POSデータ活用最大の利点は、分析することで新たな価値を生み出すということです。

ビッグデータ活用が注目されるようになり、データの重要性は益々増しています。そして店舗経営を行う企業にとって、最も身近なビッグデータと言えばPOSデータです。

POSデータを分析し活用しないことは、事業拡大のチャンスを逃してしまっていることと同じでしょう。

データ入力の手間とミスが増える

データ入力の手間が増えると、入力ミスが必ず発生するようになります。人為的に作業している以上ミスは避けられないのです。

売上情報などに関するちょっとしたミスが、月末の経理業務など後々になって大きな手間を生んでしまいます。

売上情報や顧客情報を可視化できず自社ビジネスの理解が深まらない

POSデータはマーケティングに活用するだけでなく、自社ビジネスへの理解を深めるためにも不可欠な情報です。売上情報や顧客情報を可視化し自社ビジネスを研究することで、今まで気づくことのできなかった弱点や強みを発見することもできます。

逆にPOSデータを可視化できないと、自社ビジネスへの理解は深まらないまま、いつまでも勘と経験という曖昧なものに頼った経営を強いられます。

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POSシステムと基幹システムを連携するには?

ここまでPOSデータと基幹システムを連携するメリット、そして連携しないデメリットについて解説しました。

では、POSデータと基幹システムを連携するには何を行えばいいのでしょうか?

システム開発で既存環境とPOSシステムを統合する

第一の方法としては、既存のシステム環境にPOSシステムを統合し、POSデータを連携するというものです。この方法のメリットは各システムを自由にカスタマイズできることで、自社に最適な環境を構築しやすくなります。

しかし、開発コストが肥大化してしまうのは避けられないでしょう。

また、POSシステムと基幹システムの互換性によっては満足にPOSデータを活用できなかったり、カスタマイズすることでバージョンロックされてしまうといったデメリットもあります。

POSシステムを提供するクラウドERPを導入する

クラウドERPとは、会計管理システムや顧客管理システムなど複数の基幹システムを統合的に提供するクラウドサービスです。ここにPOSシステムが統合されているサービスを利用すれば、システム開発など不要でPOSデータと基幹システムの連携を取ることができます。

POSシステムを導入すると同時に基幹システムも整えたい、POSシステム導入時に既存システム環境を刷新したいという企業にメリットの大きい方法です。

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まとめ

いかがでしょうか?今回はPOSデータと基幹システムの連携について解説しましたが、連携することでのメリットはやはり多く、連携しないことでのデメリットは深刻な部分があります。

従って店舗経営を行う企業にとって、POSデータと基幹システムの連携は重要な経営課題の一つだと言っていいでしょう。

近年はクラウドERPの普及により、自社開発よりも大幅にコストを削減しての統合環境導入が増加しています。POSデータと基幹システム連携を検討する際は、クラウドERPでの統合環境構築も視野に入れ、自社に最適な連携方法を取っていただきたいと思います。

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