今日、モノのインターネット (IoT) と私的デバイス活用 (BYOD) は、業種や業態、職場環境を問わずビジネスの世界を大きく変えようとしています。
多くの企業がBYODを採用して、IoTのメリットを評価するにつれ、情報システム部門や財務担当者は、その問題点や影響する事象に関して知っておく必要があるでしょう。とりわけ各部門のマネジメント層に関しては、これらのトレンドがERP や財務処理にどのような影響があるのかを理解しておく必要があります。
BYOD(私物デバイス活用)
「BYOD」とはBring Your Own Deviceの略で、個人が所有しているスマートフォンやタブレット、パソコン、携帯電話などを業務にも活用することの総称です。
スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスは、持ち運びが容易で、どこでも手軽にインターット接続ができ、見やすい画面、優れた操作性、豊富なアプリが利用できることなどで、急速に普及しています。現代社会においてこれらのデバイスは、ほぼ全ての人々が所有しています。使い慣れた高性能なデバイスをビジネスに活用しようとする行為は、従業員の満足度や生産性を高めるだけでなく企業の成長へと導くでしょう。
このBYOD活用のメリットは、財務担当部門についても同じことが言えます。ただし、財務部門は他の部門とは異なる点を注意しなければなりません。企業にとってもっとも重要なデータである財務情報は、統制されている必要があり厳しいコンプライアンス対策に従う必要があります。
企業はコンプライアンスや統制のとれた真のクラウドERPを通じて、企業財務を24時間365日統制し続けることができます。財務担当者は、自身の高性能デバイスから最新のセキュアなWebアプリケーションを通じて、業務を行うことが可能になります。それらはあらゆるチャネルに対応するだけでなく場所を選ばずに行うことができるのです。
このことにより従業員やマネジメントは、場所や時間を問わずクラウドERPを通じて、意思決定に必要な情報を360度の視点で閲覧可能になります。
IoT(インターネット・オブ・シングス=モノのインターネット)
モノのいIoTは、昨今の大きな潮流の一つです。コンピュータなどの情報機器だけでなく、世の中に存在するさまざまなモノに通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うことの総称です。
IoTがビジネスにどのように役立つのかの一つにサプライチェーンの自動化によるビジネスプロセスの改善があります。顧客は、活用されつつある完全なマシン同士での取引に加えて、迅速かつ自動化されるだけでなく個別化されたサービスをサプライチェーンプロセス全体にわたり期待しています。
数多くの人との接点が、注文調達のプロセスを遅らせる要因の一つとしてあげられています。しかし、現在はマシンとの接続によりこれらの遅延は解消されつつあるのです。今では、注文処理が倉庫のデバイスから直接実行され、出荷され、追跡されています。これらの効果はプロセスを迅速にするだけでなく、人的エラーを排除することにも寄与しています。
[RELATED_POSTS]しかし、このシームレスに業務プロセスを連携させるにはバックエンドのシステムとの連携が必要不可欠です。つまり、業務システムと現場で利用されるモノを含むサプライチェーンのシステムが相互通信・連携することを考慮する必要があるのです。
フロスト&サリバンのレポート「混乱・崩壊・移り変わり」で言及されているように、企業の平均寿命は、1958年には61年だったのに対して、現在では18年となり、2018年までには10年にまで低下すると予測されています。
現代社会において企業が確実に生き残り、成長を続けるようにするには、適応力と柔軟性、つまり変化対応力が重要になります。BYODとIoTの一般化は、サプライチェーンや関連プロセスを完全に合理化するという機会をもたらします。
どこからでも閲覧可能な財務情報、完全に自動化された受発注処理、外部からアクセス可能な顧客情報など、10年前には達成できなかったことが今では可能です。これらはデジタル革命の序章に過ぎません。企業の成長と顧客満足度の向上を実現するためには、それらを完全に支えるためのクラウドERPが必要なのです。
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