間接材と直接材の定義と違い

 2020.01.27 

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生産に必要な資材は「間接材」と「直接材」に大きく分けられます。間接材とは生産に直接的なかかわりのない資材、直接材とは生産に直接かかわる資材のことです。本記事で紹介するのはこれらの明確な定義と違いです。何が間接材に含まれ、何が直接材に含まれるのか?それによって資材管理の方法も異なってくるため、2つの資材の違いについて知りたいという方はぜひ参考にしてください。

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間接材と直接材

日商簿記2級では、資材(材料費)はその使い道によって以下の5種類に分けられます。

  1. 主要材料費
  2. 購入部品費
  3. 補助材料費
  4. 工場消耗品費
  5. 消耗工具器具備品費

このうち直接材に該当するのが「主要材料費」「購入部品費」なので、このことから「製品を直接構成し、生産に投入される資材」が直接材ということになります。自社加工するための原材料、製品を構成する部品が該当します。

一方、間接材に該当するのは「補助材料費」「工場消耗品費」「消耗工具器具備品費」ですので、生産設備に必要な燃料、設備に付属している消耗品(ゴム部品や鉄部品など)、生産に必要な工具や器具、その他諸々の備品が間接材として数えられます。

間接材と直接材の調達効率化

生産を効率的に行い、QCD(品質・予算・納期)を満たすために欠かせなのが間接材と直接材の調達効率化です。調達業務は通常、生産計画にもとづいて調達計画を立て、必要なモノを必要な時までに調達し、生産現場に供給します。しかし、資材が多いことで調達業務が複雑化し、効率よく資材を調達できないケースは少なくありません。

調達効率化のために必要とされているのが、生産管理システムおよび調達管理システムです。生産管理システムは製品ごとのBOM(部品表)が記録されており、生産に欠かせない直接材が明確に定義されています。生産管理システムと調達管理システムが連携することにより、BOMをもとにした調達計画を立て、効率よく調達業務が行えます。

生産管理システムも調達管理システムも、今では欠かせない業務システムの1つです。

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間接材の調達課題

生産管理システムや調達管理システムにより、「直接材」に関しては効率化が積極的に進められてきましたが、間接材に関してはどうでしょうか?実は、間接材の調達効率化は未だ進んでおらず、多くの調達課題が残されています。なぜ、間接材の調達効率化は進んでいないのでしょうか?

発注すべき品種と点数が多い

間接材の調達効率化が進まない大きな理由は、間接材に比べて発注すう品種と点数が多く、管理が複雑になることです。間接材に含まれる資材は幅広く、オフィス用品なども該当します。そのため、間接材の全体像を掴んでいる調達担当者は少なく、間接材の調達呼応率化を阻む原因となっています。

品種や点数が多くなると在庫管理も難しくなるので、棚卸資産の把握ができなくなり、直接材のように行き届いた管理ができません。そのため、間接材の調達にかかっているコストが把握しづらくなります。

部門・担当者ごとに間接材を発注している

直接材の発注を取りまとめているのは調達部門であっても、間接材の発注は部門ごとに行われているケースが少なくありません。部門ごとに使われやすい間接材は微妙に異なるので、一見して部門ごとに発注する方が効率的なように思えます。

実際、部門ごとに間接材発注が分散してしまうと、発注プロセスがバラバラになり、在庫管理などが徹底されないため無駄なコストがかかりやすくなります。調達担当者が後から間接材を管理しようにも、部門ごとに分散するため全体管理が複雑になります。

仕入先が多くコスト均一化が難しい

間接材調達が部門ごとに分散すると、部門ごとに異なる仕入先が存在することになります。そうすると、異なる部門で同じ間接材を仕入れたにもかかわらず、一方の部門の方が仕入れコストが高くなり、コストの均一化が図れません。

間接材調達の基本は「同品質のものをできる限り安く仕入れる」ことです。部門ごとの仕入はこの基本が押さえられなくなってしまうため、間接材にかかるコストが膨らみ、馬鹿にできない金額に達します。

基本となる調達計画が無い

直接材には生産計画から落とし込まれた調達計画が常に存在します。一方、間接材にはそれがありません。生産に直接かかわりが無いため、「何を、どれくらい、いつまでに」必要なのかが把握できず、「必要になった時に発注する」スタイルが確立します。

これでは当然調達の効率性が下がってしまいますし、徹底した管理ができないため無駄なコストが発生する可能性もあります。

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間接材コストは削減できる?

間接材は生産への直接影響がないことからコスト削減が難しいと思われてきました。また、間接材を直接材と同じように管理することは無駄な労力を費やすことになると考えられていたでしょう。しかし、少し視点を変えることで間接材のコスト削減は実現でき、市場競争が激化している現代において、競合優位性を手にするために間接材コストの削減も欠かせない施策になっています。では、間接材コストを削減するためのポイントとは何でしょうか?

コスト可視化に取り組む

まず取り組むべきは、現時点で間接材にどれくらいのコストを費やしているかという可視化作業です。組織全体で間接材の購入に使っている支出金額、棚卸金額、在庫の取り扱い状況について把握します。この点は直接材と同じ考え方ですが、品種と点数が多いため可視化が難しいでしょう。

間接材コストの削減に取り組む際は、初めのうちは概算でも構わないため在庫状況の把握を徹底しましょう。不要な間接材調達によるコスト圧迫を防ぐためには、在庫状況をある程度把握しておくことが大切です。

間接材の範囲を見直す

間接材の中には生産に関係ある消耗品しか使われていない、種類ごとに管理部門が異なるなどの原因から、管理方法が統一されていません。そこで、改めて間接材の範囲を見直してみましょう。

これまで仕入れた間接材の中には、「無くても困らないモノ」も多く、それらの間接材の仕訳を行い、必要・扶養を明確にして無駄な調圧とコスト圧迫を避けます。その際は、設備修理費など無形サービスの間接材にも焦点を当てて、幅広いコスト削減に取り組みましょう。

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仕入標準化に取り組む

間接材コストが多くなる原因の1つが、仕入標準化がされておらず無駄が多いことです。担当者がごとに異なる発注方法では、仕入業務を一定にできる余計なコストがかかっている可能性があります。仕入業務の標準化に取り組むことで、調達担当者個人のレベルではなく、社内全体の業務や発注方法を見直し、全社統一された調達業務によって無駄なコストが削減されます。

コスト削減と聞くと、直接材の仕入価格低減等ばかりに注目が集まりますが、間接材のコスト削減へ取り組むことで大きなコスト削減効果が期待できます。間接材と直接材の定義分けに取り組んだ後は、間接材のコスト削減について考えてみましょう。間接材にかかっていた無駄なコストを排除することで、生産コストを下げて競合優位性を手にすることができるでしょう。

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