ECサイトを構築しネットビジネスを展開しようと考えたとき、楽天ショッピングやAmazonプレイスマーケットといった、モール型ECサイトプラットフォームの利用を検討する方が多いのではないでしょうか?
必要な機能はモール側にすべて揃っているので、システム開発不要でECサイトを構築できる点や、高い集客力があるという点は非常に魅力的です。
しかし、その反面モール型ECサイトでは競合他社との差別化は難しく、独自のキャンペーンを実施する事もできないので、ブランディングに弱いというデメリットがあります。
従って独自にECサイトを構築したいというニーズが徐々に拡大しており、多くの企業が様々な方法でECサイト構築に取り組んでいます。
今回はECサイト構築の種類を整理しつつ、ECパッケージを導入する際の選定基準などについて紹介します。
ECサイト構築の種類
クラウドサービス
クラウドサービスはASP(アプリケーションサービスプロバイダ)とも呼ばれ、ECサイトとしての機能をインターネット経由で利用するサービスです。
メリット
クラウドサービスでECサイトを構築する場合、既に構築されたシステムを利用するため、最も手間がかからずにECサイトを用意することができます。
また、サーバなどインフラ調達が不要なので導入コストが安価というメリットもあります。
デメリット
クラウドサービスのデメリットは機能カスタマイズができなかったり、デザインに縛りがあるなど自由度が低い点です。
また、基幹システムとの連携が難しいなど大規模ECサイト構築には向かない傾向にあります。
オープンソース
オープンソースは一般向けに無償で公開されているソフトウェアであり、ECサイト構築の技術さえあれば誰でも利用することができます。
メリット
技術力さえあればECサイト構築の自由度は高く、様々な機能や好きなデザインを実装させることができます。
さらに、構築費用がかからないというのは、何かと費用のかかるECサイト構築において大きなメリットでしょう。
デメリット
オープンソースは基本的にサポートされていないソフトウェアなので、システム上の問題が発生したとしてもすべて自己責任です。
このためデータのバックアップやシステム可用性の確保など、すべて独自に行わなくてはなりません。
また、セキュリティ性が低く情報漏えいに繋がったという事例も少なくありません。
パッケージ
ECサイトとしてある程度フレームワークが完成しているソフトウェアを購入し、独自なカスタマイズを加えて構築する方法です。
メリット
柔軟なカスタマイズが可能であり、かつデザイン面などでも自由度が高いので大規模なECサイト構築に向いています。また、インフラ環境によってはトラフィックの大幅な増減に耐えることもできます。
デメリット
デメリットとしては構築費用が比較的高くなってしまうという点です。また、年間保守費用やメンテナンス費用などランニングコストも多くかかる場合があります。
フルスクラッチ開発
フルスクラッチ開発とはパッケージや既存システムを利用せず、一からECサイトを構築する方法です。
メリット
パッケージ以上にECサイト構築の自由度が高く、カスタマイズにより要件を完全に満たすことができます。
デメリット
フルスクラッチ開発は構築費用が最もかかり、かつ構築までに多くの時間を費やします。
ECパッケージ選定の準備
長期的な事業計画を立てる
ECパッケージ選定の準備としてまず大切なのが、5年以上の長期的な事業計画を立てるということです。
その理由として、第一にECパッケージは無形減価償却資産(ソフトウェア)として5年の耐用年数を持っています。従って最低でも5年の事業計画を立てることが最適です。
また、ECサイト構築時はアクセス数が低くても、経年によって徐々にアクセスが増加したり、急激なトラフィック増加なども発生します。このため将来的な規模拡大を考慮して事業計画を立てる必要があります。
将来的な売上や会員数増加に合わせ計画する
売上や会員数が増加するごとに、基幹システムとの連携やデータ活用など、ECサイト運営において様々なニーズが出てきます。
従って、「現在検討しているECパッケージは将来的なシステム的ニーズに対応できるか?」という視点でECパッケージを選ぶ必要があります。
そのためにも、将来的な売上や会員数の増加に合わせて発生するニーズの予測しておくことが大切です。
ECサイトにかかる費用を試算する
パッケージでECサイトを構築する場合、ある程度の費用は相場として決まっています。このためECサイト構築にかかる費用を予め試算し、予算計画を立てた上でECパッケージ選定に臨みましょう。
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ECパッケージ選定のポイント
機能の過不足を無くす
ECパッケージに限らず、システム選定時は機能の過不足なく選ぶことがまず重要です。
多機能過ぎる製品はECパッケージの煩雑化を生み、機能が不足している場合は満足に運営できない可能性があります。
そこで予め機能要件を定義しておくと、機能の過不足なく製品を選ぶことができます。
柔軟性の高い製品を選ぶ
将来的なニーズの変化を考慮すると、やはりカスタマイズ可能な柔軟性の高い製品を選ぶことが条件と言えます。
また、カスタマイズによりバージョンロックしてしまい、システム更新に支障が出ないかの確認も怠らないよう注意しましょう。
低コストを意識しすぎない
ECパッケージを選ぶ上で低コストな製品を選ぶことは重要ですが、あまりに低コストを意識してしまうと本来の選定基準からずれてしまう可能性があります。
どんなに低コストな製品を選んだとしても、機能要件を満たしていなかったり、将来的なニーズに対応できなければ逆にコスト増となってしまいます。
あくまで機能要件を重視し、低コストかではなく費用対効果で比較すると高い導入効果を期待できます。
エンドユーザーを意識する
EC運営担当社が自らECパッケージ選定を行う場合を除いて、ECパッケージ選定とエンドユーザーが異なるケースがほとんどです。このため、選定担当者はエンドユーザーの使い勝手を意識してECパッケージ選定を行わなければなりません。
エンドユーザーと積極的にコミュニケーションを取り、機能要件の定義段階からエンドユーザーの意見を反映していきましょう。
サポート体制を確認する
パッケージベンダーのサポート体制は、製品にトラブルが発生したとき非常に重要であり、サポート体制の違いによりトラブル対処の迅速性が変わります。
ECサイトではちょっとしたシステム障害が大きな機会損失を生んでしまう原因にもなるので、ベンダーのサポート体制を重視する必要があります。
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まとめ
いかがでしょうか?ECサイト構築に種類がいくつかありますが、今回はその中でもECパッケージ導入を想定し、選定ポイントを紹介しました。
最適なECパッケージ選びで大切なのは、やはり事業計画や将来的なニーズ予測を綿密に行うことが重要です。
最初の土台(選定基準)をしっかりと作っておけば、ECパッケージ選定をスムーズに行え、かつ最適な製品を導入することができます。
ECパッケージ選定の際は、今回紹介したポイントを抑え、最適な製品選びを実現していただければと思います。
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