日本企業の海外進出・拠点拡大が活発化しています。理由は、成熟期に入った日本市場よりも、成長期にある海外市場を狙ったり、企業成長のために海外進出を展開するなど、実に様々です。 では、具体的にどれくらい、日本企業の海外進出・拠点拡大が活発化しているのか?今回は、グローバル化に関する実態調査を紹介していきます。
データで見る、日本企業の海外進出・拠点拡大状況
まずは、JETRO(日本貿易振興機構)が今年3月に発表した、2016年度の日本企業海外進出実態のデータを確認します。
同調査の対象は製造業・非製造業を含めた、海外ビジネスに関心の高い日本企業です。有効回答数は2,995件と、かなり信憑のある調査です。
「今後海外進出・拡大を図る」という企業は全体の60.2%に上ります。ここ5年間では、2011年度同様に2番目に高い水準です。2015年度の53.3%という数値からすれば、6.9%ポイントも増加しているので、如何に日本企業の海外進出・拠点拡大が活発化しているかが分かります。
企業規模別で見ると大企業が66.3%、中小企業が58.5%と、どちらも前年よりも数値が上昇しています。
続いて、海外進出・拠点拡大を図る理由について確認していきましょう。
グローバル化の理由として最も多いのが「海外での需要の増加」です。日本製品は世界でも高品質として知られており、現在様々な日本製品が各国で人気を集めています。最近では、日本の「ランドセル」がファッション性が高いと、海外のユーザーにじわじわと浸透しています。
参考:海外反応!I LOVE JAPAN「外国人「日本のランドセルってお洒落でクールだよね!」 海外の反応。」
こうした、意外なところでの需要拡大が多く、日本企業が海外進出・拠点拡大を図るきっかけになっています。
一方、「国内での需要の減少」というグローバル化の理由は、上記に次いで多く、やはり国内の市場成熟をきっかけに、海外進出・拠点拡大を狙う企業も多いようです。
グローバル化の理由として最も多そうな「労働コストの削減と節税」は、5番目と意外と少ない結果です。
参考:JETRO「2016年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」
海外進出先として、最も加速している国はミャンマー
ミャンマー(ミャンマー共和国)、東南アジアのインドシナ半島西部に位置する、人口5,141万人、国土は日本の約1.8倍ある国です。実は、このミャンマーが現在、海外進出先として最も進出企業が増加している国なのです。
東洋経済新報社が毎年4月に刊行している「海外進出企業総覧 国別編」に、そのデータが記載されています。2011年には現地法人数が11社だったのに対し、2016年時点では105社となり、5年間で約9倍も増加しています。
その大きな要因となったのが、「南部経済回廊」や「ASEAN経済共同体発足」といった、経済情勢です。
南部経済回廊とは、すでに日本企業の集積地となりつつあるタイ、ミャンマー、カンボジア、ベトナムのASEAN4ヵ国を高速道路や橋で一つに繋げるプロジェクトで、経済成長の柱として各国が力を入れています。
ASENA経済共同体とは、上記ASEAN4ヵ国を含む東南アジア諸国連合加盟の10ヵ国で発足した経済共同体です。
ミャンマーはこうした経済変化の節目に立たされており、大幅な成長が見込める国として注目されているため、日本企業の海外進出が急激に増えていると予測されています。さらに、日本企業の進出先トップでもあった中国の賃金高騰によって、ミャンマーは周辺諸国への海外進出はより加速していくでしょう。
ちなみに、ミャンマーの次に多いのが南部経済回廊に含まれるカンボジアで、次いでトルコが海外進出先として選ばれています。
参考:東洋経済オンライン「日本企業の進出が加速している国トップ20」
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日本企業が海外進出・拠点拡大をすべき理由とは
先に紹介した通り、日本企業がグローバル化する理由として最も多いのが「海外での需要の拡大」と「国内での需要の減少」です。しかし、日本企業が海外進出・拠点拡大すべき理由は、他にもたくさんあります。
まずは「海外市場は大きい」という理由。「海外での需要の拡大」と類似した部分ありますが、若干違います。日本企業の中にはニッチマーケット(特定の需要を持つ小さな規模の市場)を狙って、ビジネスを展開する企業も少なくありません。
狙いは良くとも、日本国内のニッチマーケットとなると、非常に限定的な市場であるため、リターンがあまりにも少ないのです。では、ニッチマーケットでも世界に視野を広げると、日本国内だけと比較して何倍何十倍もの市場規模になります。
このように、ニッチマーケットでも世界を視野に入れることで、小さな市場が大きな市場に替わります。実は、海外のベンチャー企業がニッチマーケットで成功している理由は、こうした「世界を視野に入れたビジネス展開」が必ずあります。
日本企業が海外ベンチャーに倣ってニッチマーケットを狙っても、日本国内ではあまりに小さな市場なため、利益が上がらないのです。
もう一つのグローバル化すべき理由は「海外の方が資金や人材が集まりやすい」ことです。米国のベンチャー・キャピタルの投資金額総額は、10倍以上も違います。単純に考えて、海外なら日本国内の約10倍の資金で、ビジネスを展開できます。
もちろん、そのためには高い語学力・マネジメント力・リーダーシップが不可欠です。ただし、その課題をクリアし、自社の経営ビジョンに賛同する優秀な人材を確保できれば、強力なチームを結成し海外ビジネスを成功へと導けます。
海外の優秀な人材の中には、日本に行きたいがために日本企業に勤めるという人も多いので、人材確保は案外簡単にいくかもしれません。
参考:btraxブログ「アメリカと日本のVCの違い【インタビュー②】Draper Nexus 北村充崇」
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日本企業の海外進出・拠点拡大にNetSuiteを
日本企業のグローバル化は確実に進んでいます。しかし、すべての企業が海外進出・拠点拡大に成功しているわけではありません。重要なのは、迅速かつ低コストの、現地支社とのシステム連携を図り、グローバルレベルでの情報共有を促進することです。
その役割は、クラウド型ERPの「NetSuite」が担ってくれます。
NetStuiteは19種類の言語、190種類以上の通貨、各国の会計基準に対応し、グローバルレベルでの迅速な情報共有を可能にします。クラウド型ERPなので導入は迅速かつ低コストであり、共有も簡単です。
現地支社と本社のコミュニケーションを促進するために、現地システム会社のソフトウェアではなく、双方が取り扱いかつ共有可能なシステム環境が必要です。
海外進出・拠点拡大を図る企業の皆さんは、NetSuiteの導入をぜひご検討ください。
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