予算管理システムの基本機能

 2017.07.20 

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年度初め、四半期ごと、月次ごとなど、企業によって予算編成を行うタイミングはバラバラです。しかし、どの企業にとっても予算編成を経営最適化において重要であることは変わりません。

また、予算管理は予算編成を策定したら終わりではなく、その後のモニタリングや評価といった業務もあり、むしろ予算編成後の方が何かと重要な業務が多いでしょう。

こうした予算管理を最適化し、業務効率性を高めるのが“予算管理システム”です。手作業では手間の多い作業もシステム化によって効率性がアップし、様々な導入効果をもたらすことができます。

今回は、そんな予算管理システムの基本機能について紹介しましょう。

予算管理システムを導入する上でまず大切なのが正しい製品選定です。そして、正しい選定を行うためには、システムについて理解していなければなりません。

「予算管理システムを導入して、管理業務を効率化したい!」そんな企業は、ぜひ本稿を参考にしていただきたいと思います。

機能1.データの集約で予算編成を効率化する

一般的に予算編成としてはまず部門ごとの予算計画を立ててもらい、経理部でこの計画を集約します。そして各部門の予算計画をもとに総合的な予算編成を組み、適宜修正を加えていきます。

これを再度各部門に落とし込み、修正された予算計画を立てさせ、さらに集約した総合的な予算編成を組み直していきます。こうした作業を繰り返していくことで、会社としての予算を決定していくのです。

しかし、この作業は非常に手間がかかります。予算計画を集約するという作業も、手戻しが多いのも、経理部や各部門にとって負担になる作業です。このため予算編成にかなりの時間がかかり、半期ごとの予算編成しかできないという企業も多いでしょう。

こうした手間は“絶対的に”効率化した方がいい部分です。

予算管理システムでは、今まで手間の多かった予算編成業務のほとんどをシステム上で行うことができます。部門ごとの予算計画をシステムに直接取り込んでもらえば、集約作業もなく効率的な収集を行えます。

また、予算計画を作成した部門においても担当者に送るという作業がないので、業務効率性アップに繋がるでしょう。

この他、プロジェクト、売上高、利益、原価、販管費、人件費、投資、資金などの財務状況データを取り込むことで、より確実な予算編成を組むことができます。

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機能2.モニタリングと予算再編成

冒頭でも述べましたが、予算管理では予算編成を行ったその後、すなわちモニタリングは評価が重要です。予算編成の進捗や状況を監視しなければ、評価をすることはできません。そして評価しなければ、予算編成を正しかったかどうかを、判断することもできないのです。

予算編成に対しモニタリングと評価を行えば、目標達成に対するマイナス要因を見つけ出し、対処することができます。それに応じて予算再編成などの微調整を加えていくことで、最終的に現実的かつ正確な予算編成を完成させることできるのです。

予算管理システムではそのための機能を提供します。システム上に登録された予算編成と実績を監視しつつ、評価するために指標(KPI)まで設定することができます。

これを活用すれば「どこに、どういった問題があるのか?」を素早く察知して、微調整を加えていくことができるのです。また、システム上で予算再編成を行うことができ、非常にスムーズにPDCAサイクルを回していくことができるでしょう。

機能3.正確な予算シミュレーションを行う

予算編成業務においては各部門から集まった予算計画を積み上げ、見積財務諸表を作成します。このとき、目標予算と比較し、目標値に達していない場合は問題個所の究明と調整を行うことになります。

このとき活用すべきなのが、予算シミュレーション機能です。

トップダウン予算やボトムアップ予算など複数予算パターンの比較、問題発見のためのドリルダウン、見積予算内の構成数値の変更など、予算編成の正確性を高めるための様々な機能を有しています。

予算シミュレーションを行うことで、企業はより正確性のある予算編成を行い、その後の予算管理を最適化していくことが可能なのです。

機能4.評価と分析の環境を整える

予算管理システムにて設定した予算期間(一期や四半期など)が終了すると、目標達成度を評価する必要があります。しかし、評価を行うためには実績情報も必要であり、いわゆる予実管理を行うことになります。

この予実管理を行うために、予算管理システムは他システムを連携して実績情報を取り込み、予算編成に対する評価を行うことができます。さらにその評価結果を表やグラフに表し、分析結果としてレポート作成することも可能です。

期ごとの予算編成を最適化していくためには、やはり実績と比較した上での評価を行い、PDCAサイクルを回していくことが大切です。予算管理システムではこの基盤を整えることができる、というわけです。

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機能5.複数拠点の人件費を一元的に管理する

予算編成を行う上で重要な人件費情報ですが、これを手作業で一元的に管理することは難しいという問題がありました。特に複数拠点を持つ企業では、人事部がすべての人件費を把握するのは困難でしょう。

こうした問題に対し、人件費を一元的に管理するための機能を有しているのが予算編成システムです。あるいは、人事管理システムを連携することで、人件費情報を的確に把握し、予算編成へと反映させることができます。

機能要件を定義し、自社にとって正しい製品選定を

予算管理システムは、予算管理を効率的に行うための様々な機能を備えています。ここで紹介した機能はあくまで基本的な機能なので、他にも多数の機能が存在します。しかし、一つ注意していただきたいのが「多機能=良い製品」ではない、というこです。

たくさんの機能を持っている予算管理システムは魅力的です。それだけ多くの作業を行うことができます。ただし、あくまでそれらの機能を“フル活用”すると仮定した上での話です。

どんなに多くの機能を備えていようと、それを活用しなければまったく意味はありません。意味がないどころか、かえってシステムが複雑化してしまい、自社にとって使いづらい予算管理システムを導入してしまうことになります。

だからこそ、予算管理システムは自社の機能要件に対し、シンプルにまとまった製品がベストなのです。

“多機能”という一見魅力とも取れる特徴にまどわされて、自社にとって不適切な製品を導入してしまうケースも少なくありません。間違った製品選定をしてしまえば、現場に定着しないシステムを生み出してしまったり、現場社員からの反感を買ってしまう原因にもなります。

自社の機能要件を明確にし、正しい製品選定を行いましょう。

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まとめ

予算管理システムは予算管理を最適化するためのものなので、そのための機能を多数備えています。皆さんも自社の予算管理を最適化するための、予算管理システムの導入をぜひご検討ください。

また、予算管理システムを含め多数のシステムを同時に導入する、ERPもあります。ERPを導入すれば各システムで予め連携が取れている環境を構築できるので、予算管理システム単体として導入するよりも、さらに高い効率化効果があるでしょう。

こちらも併せて検討しておくと、より具体的な検討を行えることでしょう。

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