受発注システムの導入で得られるメリット

 2017.07.18 

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受発注システムを導入することで、受注・発注業務をWeb化し、様々な効果を得ることができます。他の業務アプリケーションと異なるのは、受発注システムを活用するメリットが導入企業だけでなく、顧客にもあるという点です。

今回は、受発注システムを導入することでどういったメリットがあるのか、その点を具体的に解説していきます。

異なる受注手段それぞれのメリット・デメリット

まずは5つの受注手段それぞれのメリット・デメリットを整理していきましょう。

受注手段

メリット

デメリット

電話

コミュニケーションが取れる

他製品の提案ができる

顧客の現状課題を聞き出しやすい

受注記録が残らない

聞き違いや転記ミスが起こる

業務が中断される

FAX

受注記録が残る

業務が中断されない

24時間受注できる

普及率が高い

データ入力に時間がかかる

転記ミスが起こりやすい

受注資料を紛失する可能性がある

回線状況により受信できない場合がある

消耗品費がかかる

紙文書の保管コストがかかる

メール

受注記録が残る

業務が中断されない

24時間受注できる

普及率が高い

PCで一括管理ができる

消耗品費がかからない

異なるフォーマットで管理が複雑

履歴管理が難しい

ウイルス感染のリスクがある

第三者に傍聴されるリスクがある

EDI

受注記録が残る

業務が中断されない

24時間受注できる

消耗品費がかからない

事務処理速度を高速化できる

受注だけでなく発注まで効率化できる

取引先ごとに個別対応が必要

コスト負担が大きい

顧客によってEDI化に対応していない

Webシステム

受注記録が残る

業務が中断されない

24時間受注できる

消耗品費がかからない

PCで一元的に管理できる

発注者に注文確認メールが届く

サンクスメールを自動化できる

スマートフォンからも利用可能

導入コストが低い

災害対策になる

周辺システムとの連携性が高い

取引先の同意が必要

毎月のコストがかかる

こうしたメリット・デメリットを比較することで、受発注システムには他の受注手段にはない、様々なメリットがあることがわかります。また、毎月コストが発生するというデメリットもありますね。

ただし、企業によってはデメリットに感じない場合もあり、この点に関しては後述していきたいと思います。

発注者側のメリット

発注者側、つまり受発注システムを導入した企業の顧客にも、多数のメリットがあります。

例えば発注業務の効率化。これまで電話やFAX、メールにて受注業務を行ってきた企業では、顧客が発注を行うのに際しどれだけの時間を費やしているかを試算してみるといいでしょう。電話やFAX、メールでの発注業務は想像以上に手間のかかるものであり、受注者側がこれに気付くことは多くありません。

また、気づいたとしても効率化が難しい問題です。

受発注システムを導入すると、発注者専用に用意されたインターフェースから、いつでも好きなタイミングで発注業務を行うことができます。システム上で商品を確認することもできるので、カタログを見ながら発注資料を作成する手間も削減されます。

Webを介して発注業務を行うことで発注金額と仕入金額が合わないといったことも無くなるので、管理ミスも低減します。

受注者側のメリット

受発注システムを導入してより多くのメリットを享受できるのは、やはり受注者側です。第一に発注者側の業務を効率化できることで、顧客満足度を向上し、より良い取引関係を築いていくことができます。

New call-to-action
New call-to-action

次に、受発注システムを導入することでマニュアル業務をシステム化し、大幅な業務効率化効果があります。

例えば受注業務に社員1名が常駐しているとして、その社員の月間給与を30万円と過程します。この場合、受注業務にかかる年間管人件費は360万円です。この他にもFAX受注であれば消耗品費などが加算されます。

受発注システムを導入し、受注業務の30%が削減されたらどうでしょう?人件費は年間108万円削減され、さらに紙文書のペーパーレス化によるコスト削減効果もあります。

受注業務の内容によって効率化できる割合は変化しますが、受発注システムを導入することで高いコスト削減効果が期待できます。

そして、受発注システムは周辺システムと連携することで、さらにそのメリットを高めることができます。例えば顧客管理システムと連携すれば顧客ごとの受注状況を自動的に反映することができますし、販売管理システムと連携すればスムーズに出荷指示書を作成したり債権管理へデータを反映させることが可能です。

従って、受発注システムのメリットを最大限に引き出したいのであれば、やはり周辺システムとの連携が欠かせません。

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受発注システムの月間コストは負担になるのか?

国内で提供されている受発注システムのほとんどはクラウドサービスです。インターネットを介してシステムを“利用”するため、毎月のコストが発生します。

先に紹介したメリット・デメリットでは「コストがかかる」という点だけを考慮し、デメリット欄に記載しておきました。しかし、この月間コストが必ずしも負担になるというわけではありません。

例えば、毎月5万円のコストがかかる受発注システムの場合、先のコスト削減事例を考慮すれば削減したコストよりも、毎月のコストの方が低いことがわかります。つまり、トータル的なコストで言えば立派な削減になっているのです。

さらに、クラウドサービスの特徴としてシステム運用を行う必要がありません。受発注システムの運用はベンダーによって行われているので、ユーザー企業は運用管理を気にすることなく、Web上で受発注環境を整えることができるのです。

もしもオンプレミスで受発注システムを導入したとなると、定期的なアップデートやデータバックアップなどの運用管理業務にリソースを割かなければならない上に、セキュリティ対策も万全に整えなくてはなりません。

クラウドサービスの受発注システムならばこうした管理コストは無く、セキュリティ対策を整える必要もないので、結果的には大幅なコスト削減につながるのです。

取引先の同意は必ず得るべし

月間コストというデメリットについては前述の通り、デメリットに感じない場合の方が多いでしょう。しかしもう一つのデメリットである「取引先の同意」は必ず受けなければなりません。

受発注システム導入における最大の難関は、この同意を得ることかもしれません。

特に昔ながらの慣習にこだわるような企業だと、受発注業務の電子化を嫌う傾向があります。電話やメールなど人と人とがコミュニケーションを取りやすい環境を大切にし、企業同士だけでなく人同士のつながりも大切にしているのでしょう。

こうした企業の意向を無視して受発注システムを力任せに導入すると、最悪の場合信頼関係がこじれてしまう可能性があります。事前調査を十分に行い、しっかりと同意を得てからの導入を心掛けてください。

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まとめ

様々なメリットをもつ受発注システムも、導入後の運用次第だということを忘れないでください。正しい製品選定、そして正しい運用を行うことで初めて、受発注システムのメリットを最大限に引き出すことができます。

また、受発注システムと周辺システムの連携を検討している企業は、同時にERP(統合基幹業務システム)の導入も検討しましょう。ERPならば受発注システムを含めあらゆるシステムが予め連携された環境を整えることができます。

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