「売上分析」と聞くと難しく考えがちですが、基本を押さえることで比較的に簡単に分析を行うことができます。ここでは売上分析を行う上で大切な意識や、基本的なことを7つのポイントに分けて紹介していきます。
売上分析は何のためにあるのか?
ビッグデータやデータサイエンティストといったデータ分析分野の露出が顕著になった現代ビジネスでは、流れに任せて分析を行っているケースも少なくありません。つまり「分析するのがトレンドだから」といった理由で、売上分析を始めているのです。
これはビッグデータ分析が経営課題解決の糸口になると持て囃したメディアの責任でもありますね。
しかしここでハッキリとさせておくと、売上分析を行ったからといって必ずしも課題解決に繋がるとは言えません。少なくとも「分析さえすれば何か見えてくるだろう」というスタンスでは、何も見えてこないのは確かです。
従ってこれから売上分析を始める企業ではまず"何のために分析するのか?”を考えなくてはならないのです。
売上分析を行う目的を明確にする
"何のために分析するのか?”とはつまり、売上分析を行う上での目的を明確にするとういことです。そのためにまずすべきことは現状課題の把握でしょう。
売上分析は特に営業部に関係するものでもあるので、できれば営業上での課題を洗い出していくとベストです。
日頃業務の中に身を置いているから整理しなくても課題は肌で感じているという方も多いかもしれませんが、改めて整理すると今まで見えてこなかった部分が見えてくることもあります。
また、どんな課題があるのかだけでなく"何が原因なのか?”を知ることも大切なので、目的を明確にする前に現状課題を把握しましょう。
現状課題を把握したら、率先して解決すべき課題に優先順位をつけていき、そこから売上分析の目的を明確にしていきます。
売上分析を難しく考えない
売上分析を難しく考えることは自らハードルを上げていることになり、失敗してしまう原因の一つです。そもそも分析とは”頭で考える”といよりも"単純な比較”が基本となります。
例えば2015年度では10億円だったA社の売上が、2016年度には9億円に下がったとします。売上分析とは言わばこの2つの数字の比較です。ただし大切なのは"詳細に”比較していくことであり、そこから課題解決への糸口を発見していきます。
A社の例では全体的な売上が1億円下がったという結果になりましたが、その内訳はどうでしょう?
新規顧客からの売上低下率が大きかったかもしれませんし、既存顧客からの売上低下率が大きかったかもしれません。このように単純な売上分析でも詳細に比較することで見えてくるものがあるのです。
とにかく売上データを細分化してみる
売上データを細分化してみると、意外と多いことに気付くと思います。「チャネル別売上」「商品別売上」「月別売上」「顧客別売上」「担当者別売上」「部門別売上」「支店別売上」など他にも色々と細分化できます。
このように売上データを細分化して比較することで、何が原因なのか?から解決策までを把握していくことができるのです。
しかし、結局のところ何から売上分析していけばいいのかと迷ってしまうことも多いと思いますので、まずは以下の2つの売上分析から始めてみてください。
前年同月売上
当月の売上が悪い場合まず比較すべきは前年同月売上です。昨年の同じ時期の売上を比較した上で、今年と昨年では何が違うのかを考えていきます。例えば客数がほぼ同じなら顧客単価に原因があり、顧客単価がほぼ同じなら集客に問題があります。
同業他社売上
同業他社の売上データと比較するのも一つの手です。同業他社と自社販売戦略を比較したりすることで差別化できるポイントを把握することもできるでしょう。ただし、ビジネスに多様化によりまったく同じ同業他社というのは存在しませんので、あくまで参考程度にとどめておきましょう。
データシート:NETSUITE REVENUE MANAGEMENT
リアルタイムなデータ分析基盤を作る
現代ビジネスにおいて売上分析で求められるのはスピードです。データの収集から加工、分析までのスピード。分析から販売戦略を打ち出すまでのスピード。販売戦略の結果を評価して改善するまでのスピード。
これらすべてを迅速化することで競合他社の一歩先を行き、売上分析としての効果を最大限に引き出すことが可能です。
そしてそのために必要なのがリアルタイムにデータ分析を行える基盤です。例えば各システムから生成されるデータを分析のための収集・加工・レポートするだけでもかなりの時間を有します。
しかし定期的に売上分析を行いたいという企業でこれは明らかなタイムロスと労働生産性の低下であり、売上分析を十分に行うことができません。
だからこそ、リアルタイムにデータ分析できる基盤というのはとても重要になってくるのです。
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データ全体を見渡すのではなく"アタリ”を付ける
システムネットワークの整備が進むにつれ、一企業が取り扱うデータ量というのは年々大きくなっており、売上データも例外ではありません。そんな中、データ全体を見渡して片っ端から分析していくという方法では、時間がいくらあっても足りません。
そこで重要なのがデータに"アタリ"を付けて分析していくということです。
初めはなかなか上手くいかないことも多いかもしれませんが、"アタリ”を付けた売上分析に慣れて感覚を養うということも大切です。
いくつかの分析手法を身につけておく
"細かく比較する”という単純な売上分析でも多くのこと見えてきますが、他の分析方法と組み合わせることでさらに効果的な分析を行うことができます。
クラウドERPで作るリアルタイムなデータ分析基盤
先程リアルタイムなデータ分析基盤を作ることが大切と説明しましたが、どのようにして基盤を作っていけばいいのか?
その答えの一つがクラウドERPと呼ばれるソリューションです。
クラウドERPとは顧客管理システム、営業支援システム、会計管理システムなど、企業経営に必要な複数のシステムを一括で導入できるソリューションです。そして各システムから生成されるデータはマスタとして管理され、ビジネスインテリジェンスによってリアルタイムに可視化されるという特徴があります。
つまりクラウドERPとビジネスインテリジェンスを導入することで、リアルタイムなデータ分析基盤を作り出すことができるのです。例えば「NetSuite(ネットスイート)」では、NetSuite Business Intelligenceによって、企業全般にわたるリアルタイムビジネス分析が可能です。NetSuiteならば、ビジネスの問題点やトレンド、チャンスを一目でリアルタイムに捉えることができ、すぐさま根本的な処置に取り掛かることができます。
以上のように製品によってはビジネスインテリジェンスが包括されているものもあるので、その点にも注目です。また、クラウドサービスとして導入するので初期コストの削減や運用管理業務の効率化など、様々なメリットを提供しています。
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まとめ
いかがでしょうか?売上分析で大切なことは、やはり難しく考えず"細かく比較する”を意識して行うことです。もう一つはデータ分析に慣れることでしょう。
従ってまずは手元にある売上データでとにかく分析を行ってみてください。そうすることでいち早く売上分析に慣れ、クラウドERPなどでデータ分析基盤を整えた後もいち早く売上分析を活かすことができます。
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