ニューノーマル時代を生き抜くための働き方改革とDX

 2020.12.14 

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2020年におけるコロナ禍をきっかけに、3度目となるニューノーマル時代が到来しようとしています。このような変革期を生き抜く上で、企業にはどのような施策が求められているのでしょうか。本記事では、「ニューノーマル」の意味やニューノーマルな働き方の具体例なども含めて解説します。

ニューノーマル時代を生き抜くための働き方改革とDX

ニューノーマルな働き方とは?

「ニューノーマル」には「新常識」や「新常態」という意味です。ニューノーマルな働き方を直訳するなら「それまで当たり前とされてきた働き方を見直していくこと」と説明できるでしょう。

ニューノーマルと呼ばれる時代が到来するのは、実は今回が初めてではありません。1度目は2000年代初頭のインターネット普及時、2度目は2008〜2009年にかけてのリーマンショック後、そして3度目に当たるのが今回です。

ニューノーマルな働き方の具体例

2020年におけるニューノーマルな働き方のうち、代表的なものがテレワークの導入です。テレワークは、自宅や近所のカフェ、サテライトオフィスなど、会社以外の場所で仕事をするスタイルを指します。営業ではオンライン商談やWeb会議、人材採用ではオンライン面接などが取り入れられています。

テレワーク以外では、デジタル技術によってビジネスモデルを変革していくことを目指すDX(デジタルトランスフォーメーション)が挙げられます。クラウド型のツールやビッグデータ、AI(人工知能)、事務作業を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などがDXで導入されるツールおよびテクノロジーの代表例です。

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ニューノーマルな働き方を招いた2つの要因

ニューノーマルな働き方を招いた要因としては、「働き方改革」と「新型コロナウイルス対策」によるところが大きいと言えます。それぞれについてみていきましょう。

働き方改革

テレワークやDXの推進による新しい働き方は2020年で一気に加速することになりました。そこには感染拡大を防ぐ意味合いだけでなく、業務の生産性を高めるという目的も含まれています。

テレワークの導入は、これまで通勤に充てていた時間を有効活用できることにつながります。例えば、育児や介護との両立がしやすくなるほか、通勤による疲労感やストレスの軽減も期待されます。

また、オフィスでは電話や来客などで作業を中断されることも少なくありませんが、テレワークであれば落ち着いた環境で集中して業務に取り組めます。

New call-to-action
New call-to-action

一方DXでは、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による業務時間や人的コストの削減や「ERP(基幹業務システム)による情報の一元管理とデータの可視化などにより、従来よりも効率的な働き方が見込めます。

コロナ禍が収束したとしても、労働生産性を上げる必要性は変わらないことから、こうした働き方改革は今後さらに進展していくでしょう。

新型コロナウイルス対策

ニューノーマルな働き方を象徴するテレワーク制度の導入については、コロナ禍以前にも働き方改革の一環で推奨されていました。しかし、今回の新型コロナウイルス感染拡大の影響で一気に広まることとなりました。

実際、東京都の産業労働局が従業員30人以上の都内企業を対象に2020年6月に実施した「テレワーク導入実態調査結果」によると、テレワーク の導入率は57.8%と、2019年度の25.1%から2倍以上も上昇しています。

【参考】東京都産業労働局:「テレワーク導入実態調査結果」

ニューノーマル時代に必要な施策

目前に迫るニューノーマル時代に備え、企業にはどのような施策が求められるのでしょうか。ここでは「ITをフル活用したDXの推進」、「データの活用」、「コミュニケーション対策」の3つを紹介します。

ITをフル活用したDXの推進

ニューノーマル時代に企業が生き残るためには、IT活用が不可欠です。

ネットワークインフラの強化やコミュニケーションツールの導入、パソコン、モバイルデバイスの手配など、テレワーク環境の整備はこれまでと同様に推進していく必要もあるでしょう。

そのほか、社内文書の電子化やサーバーのクラウド化といった、業務プロセスをデジタル化することも欠かせません。ビジネス環境の変化に応じて大胆に施策を転換していくためには、受発注や物流業務などサプライチェーンのデジタル化も求められてきます。さらに、物理的な制約にとらわれずに収益を上げていくためには、EC事業の立ち上げなどビジネスモデル自体をデジタル化させていかなければなりません。

データの活用

コロナ禍において企業はテレワークやリモートワークの実施を迫られることになりましたが、緊急施策として行ったこれらの取り組みは、アフターデジタルの擬似体験であったとも言えます。

アフターデジタルとは、コロナ禍以前のようにリアルな世界を中心としながら時々ネットにつながる生活スタイルではなく、人との接点や購買チャネルのベースがネットの世界に移り、たまにリアルな世界ともつながる世界観を意味します。

これから本格化することが予想されるアフターデジタルの世界では、テレワークの体制整備やデジタルツールを使った業務効率化などのDX(デジタルトランスフォーメーション)に本腰を入れて取り組まない限り、企業の存続は困難と言えるでしょう。

Oracleでは、ニューノーマル時代の到来を前に企業が取り組むべきDXのステップとして 「Respond(対応 )」、「Resume( 復 帰 )」「Re-Think (変革)」の3つを提唱しています。Respond(対応)は従業員の安全を確保しながらもビジネスを続けていく段階、Resume(復帰)は業績の回復に向けて移行する段階、Re-Think(変革)はDXを加速してビジネスモデルを変革していく段階です。

それぞれのステップに移行していく過程では、ニューノーマルのあり方も変容していく可能性があります。そこで鍵を握るのがデータの活用です。状況の変化を正確にとらえて迅速に対応するためにも、EPRなどのソリューションシステムを活用し、社内のあらゆるデータを一元管理してリアルタイムに把握できる仕組みの構築が求められてくるでしょう。

コミュニケーション対策

テレワークが普及していけば、社内コミュニケーションに新たな課題も浮上してきます。対面でのやり取りが減る以上、コミュニケーション不足は避けられず、従業員同士やクライアントとの意思疎通もうまくいかなくなることが考えられるのです。そのため、かえって業務効率が低下する恐れもあります。

そうしたコミュニケーション課題を解決するには、コミュニケーションツールの導入が有効です。電話やメールよりも気軽に連絡を取りやすいビジネスチャットやWeb会議ツールを活用すれば、スムーズなコミュニケーションが可能です。また、タスク管理ツールやERPなどの業務管理システムの導入により、業務の進捗状況や営業結果などさまざまなデータを共有できる仕組みの構築も検討するべきでしょう。

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まとめ

新型コロナウイルスの感染が収束したとしても、ビジネスを取り巻く環境はコロナ以前の状態に戻るわけではなく、テレワークやデジタルツールを活用したニューノーマルな働き方に転換されていくと予想されています。

アフターコロナの時代に企業を存続させ、さらに収益を上げていくためには、これまで以上にDXを推進して生産性を高めていくことが不可欠です。その中で、社内データを一元管理し、変化を正確に把握した上で的確な施策を展開していくことは、経営戦略を考えるうえで重要なポイントの一つとなるでしょう。

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