クラウドERPはさまざまなベンダーが扱っているものの、なかでもオロ製のZAC(ザック)は機能性に優れたサービスとして知られています。本記事では、ZACの概要や搭載されている機能、導入によってできることなどを解説します。
ZAC (ザック)とは?
ZAC(ザック)は、日本企業である「株式会社オロ」が開発、販売しているクラウドERPです。IT業やイベント業、コンサルティング業、広告業などさまざまな業種で業務を効率化可能なシステムであり、大手企業や上場企業、ベンチャー企業まで950社以上が導入した実績があります。
ERPには、社内に設置したサーバーへインストールするオンプレミス型と、オンラインでサービス提供元のサーバーに接続して運用するクラウド型があり、ZACは後者に該当します。
なお、ERPとはEnterprise Resource Planningの略であり、日本語では統合基幹業務システムと呼ばれます。ERPについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
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クラウドERP「ZAC (ザック)」の特徴
ZACは、自社の業務に必要な機能だけを選択して利用できるクラウドERPです。販売管理や購買管理、在庫管理、経費管理などのうち、求める機能と必要な数のライセンスを組みあわせて利用できます。
ZACの中心的な機能は、案件やプロジェクト別に損益管理し、その現状を正確に可視化することです。ひとつのシステム上でプロジェクトごとの仕入れや外注、経費、労務などのコストを一元管理できるので、利益管理の精度向上に役立ちます。導入後にも機能や利用人数の拡張、縮小が可能で、自由度の高い運用ができます。
ただし、機能性に優れるゆえに、操作がやや複雑になりがちな点がデメリットです。幅広い用途に対応可能ではあるものの、従業員のITリテラシーが低い、同種の製品を使い慣れていない、といったケースでは使いにくいと感じるかもしれません。
ZAC (ザック)の5つの機能
ZACには、基幹業務機能をはじめ、情報共有機能、管理関係機能、外部連携機能、内部統制機能の5つが搭載されています。ここからはそれぞれの機能とその特徴について解説します。
1. 基幹業務機能 (プロジェクト管理)
基幹業務機能は「プロジェクト管理」に加え、「販売管理」「購買管理」「勤怠・工数管理」「経費管理」「工程管理」「在庫管理」の機能が内包されています。プロジェクト管理機能はプロジェクト別の収支を可視化でき、販売管理は受注前の見込・引合から売上や債権までを網羅的に管理し、勤怠管理機能は労働時間や休暇取得状況を見える化します。
上記の機能を自由に組みあわせることにより、プロジェクトの「実行予算」から「個別原価計算」、「予実対比」までの各プロセスを管理できます。
実行予算の計画では受注前の段階から売上・仕入・外注・工数などの要素から収支の予測を立てられるので、フォーキャスト管理や上長による受注前の社内審査などに役立ちます。
個別原価計算では原価・仕掛を状況に応じて自動で計算することで経理作業を省力化でき、プロジェクト利益の最終的な収支を予測・見える化しながらの損益マネジメントが可能です。
予実対比では最終損益確定後に当初の予算とその後の変更、結果となる損益の情報をすべて履歴に残して対比できるため、今後のプロジェクトの品質向上に活用できます。
2. 情報共有機能 (グループウェア)
情報共有機能を構成するのは、予定表とコンタクト管理、文書管理の3機能です。
予定表を利用すると、従業員個々のスケジュールを可視化できるため、管理者は誰がいつ何をするのかを容易に把握できます。また、ZACはスマートフォンに対応しているため、従業員は外出先から手軽に予定の確認やスケジュール変更が可能です。
文書管理機能は、申請・承認フローの構築や社内アンケートなど、さまざまなシーンに活用できます。ユーザーごとに申請や承認のワークフローを構築できるほか、契約書雛型などのフォーマットを統一する必要がある公式な文書の一元管理が可能です。アンケートやテストの作成、運用もでき、手軽に社内の意見収集や意識調査などを実行できます。
コンタクト管理は、顧客の情報を一元的に管理可能なCRM機能です。電話やメールなどで顧客から得られたコンタクト情報を一箇所に集約できるため、効果的なマーケティングを行えます。営業部門とマーケティング部門の情報共有もスムーズになり、部門の壁を越えたコミュニケーションを実現します。
なお、CRM(顧客管理システム)について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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3. 管理会計機能 (BIツール)
管理会計機能では、利用している機能に応じた分析レポートの作成が可能です。たとえば、セグメント別PLやフォーキャスト分析、生産性分析、経理管理レポートなどを作成できるため、自社の現状や課題を正確に抽出でき、効果的な対応を行えます。
また、経営モニタリング機能を利用すると、プロジェクトや部門の収支をリアルタイムにモニタリングできます。あらかじめ経営数値を設定しておけば、プロジェクトや各部門の採算が一定の数値を下回った際にアラート通知を受け取れるので、問題の早期発見に役立ちます。
この通知機能は、ユーザーの業務範囲にあわせたセグメント設定も可能です。たとえば、役員なら会社全体の収支、営業部門の部長なら部門の収支、プロジェクトリーダーやマネージャーはプロジェクト収支、といった具合に役職とその管理対象に合わせた設定ができます。
4. 外部連携機能
外部連携機能は、財務会計システムや給与システム、オンラインバンキング、固定資産管理システムなどの既存システムとの連携を可能にします。たとえば打刻システムと連携すると、ZACに打刻データが取りこまれ、出退勤時間や工数の管理がより高い精度で効率的に行えるようになります。
また、給与計算システムや財務会計システムから販管費データ、給与データなどを取得し、原価データに基づく各プロジェクトへの自動配賦計算も行えます。
データ連携によって各システムでの手作業を削減でき、業務効率化につながるほか、経営の可視化を実現できるのも魅力です。
5. 内部統制機能
1~4までの機能は、横断的な内部統制に対応しています。ワークフローや電子申請・承認、ログ管理、監査証跡、承認フロー設定、アクセス権限設定が可能であり、社内の不正発見や責任の所在確認などに有効です。
たとえばワークフロー上における申請や承認の履歴は、すべてログが保存されるため、誰がいつ、どのような承認をしたのかをあとからチェックできます。すべての履歴を検索可能なほか、Excelなどで出力もできるため、監査法人への対応も可能です。
追加オプションで、シングルサインオンやセキュリティオプションなどを利用すると、より安全にシステムを利用でき、さらなるセキュリティと内部統制の強化が見込めます。
ZAC (ザック)でできること
ZACで実現できることとして、業務効率化が挙げられます。標準搭載されているワークフローの利用や外部システムとの連携、システム統合によって効率的に業務を遂行できる環境を構築できます。
売上や経費、外注費などの各種コストを一元管理できるため、案件やプロジェクト単位での損益可視化も可能です。また、受注前の段階から一元的にデータを管理することで、未来の売上利益を正確に予測できます。BIツールによる分析結果をレポートとして出力すると現状や課題を正確に把握でき、経営判断の最適化にも役立てられます。
また、ワークフローのログを適切に保存、管理することで内部統制の強化にもつながります。各機能でログが自動的に保存されるため、内部統制強化に向けたその他のシステムの導入や設定を行う必要がありません。
まとめ
ZACは機能性に優れるクラウドERPであり、企業が抱えるさまざまな課題の解決に役立ちます。業務効率化や生産性の向上、内部統制の強化などを実現したいと考えているのなら、この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。
なお、以下のページではERPの比較資料をダウンロードできます。気になる方はぜひアクセスしてください。
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