最近よく「ユニコーン企業」という言葉を耳にしますね。ユニコーンが空想上の動物である「一角獣」だということはわかりますが、「ユニコーン企業ってどんな企業?」と頭に疑問符が浮かぶ方は多いでしょう。本稿では、今さら人には訊けないユニコーン企業について解説します。また、ユニコーン企業の共通する経営の特徴についてもご紹介します。
ユニコーンのように存在が稀な企業
そもそもユニコーンは存在が稀どころか、空想上の動物なので存在すらしていません。ただしユニコーン企業は「ユニコーンのように存在が稀な企業」という意味で使われています。では、どこがどう稀なのでしょうか?
明確な定義(条件)は下記4つのポイントです。
1.評価額が10億ドル以上
ユニコーン企業が「ユニコーン企業」と呼ばれる1つ目の定義が企業価値の評価額が10億ドル以上ということです。10億ドルは日本円にしておおよそ1,100億円といったところなので、1,100億円以上の評価額を持つ企業はユニコーン企業と呼ばれます。
もちろん、他3つの定義にも当てはまっていなければなりません。
ちなみにユニコーン企業には上位クラスがあり、評価額100億ドル(1兆1,000億円)が「デカコーン企業」、評価額1,000億ドル(11兆円)以上が「ヘクトコーン企業」と呼ばれています。
デカコーン(Decacorn)は「10個単位」という意味を持つ「Deca」とユニコーン(Unicorn)を組み合わせた造語です。一方ヘクトコーン(Hecotcorn)は、「100倍」という意味を持つ「Hecto」とユニコーンを組み合わせた造語になります。
2.企業10年以内
ユニコーン企業としても認められるための2つ目の定義は、起業から10年が経過していないことです。FacebookもTwitterもかつてはユニコーン企業だと称されていましたが、現在ではどちらも起業から10年以上が経過しているため、ユニコーン企業の定義から外れています。
一般的な認識として起業から10年が経過するとベンチャー企業の枠組みから外れるので、ユニコーン企業は起業10年以内のベンチャー企業に限定されているものと言えます。
3.非上場企業
ユニコーン企業は上場していないのが3つ目の定義です。たとえ1度ユニコーン企業だと認められても、上場してしまえば定義から除外されます。ちなみに直近では、フリマアプリ事業を展開するメルカリがユニコーン企業として認められていましたが、上場したことでその定義から外れています。
4.テクノロジーを有している
そして最後の定義が、ユニコーン企業は「テクノロジーを有していること」です。これは必須項目ではないのですがユニコーン企業として急成長するベンチャー企業の多くは、テクノロジー関連の企業が多いというのが定義の所以です。Facebook然り、Twitter然り、メルカリ然り、いずれの(元)ユニコーン企業も独自のテクノロジーを持つことで急成長を遂げました。
なぜテクノロジーを有しているとユニコーン企業に該当するのか?それは、時代がまさに革新的なテクノロジーを求めている時であり、その時代に即した業種が高く評価されやすいというのが自然の流れだからでしょう。もちろん、非テクノロジー企業でも上記3つの定義に該当すればユニコーン企業と認められますが、現代ビジネスにおいてそうした企業はユニコーン以上に稀な存在かもしれません。
気になる日本のユニコーン企業の数は?
世界に誇るテクノロジーを有する日本では、どれくらいのユニコーン企業が存在するのでしょうか?
実は、メルカリが上場した今、日本のユニコーン企業が1社のみです。その企業とはPreferred Networks(プリファード・ネットワークス)です。同社はAIのディープラーニング(深層学習)によって制御技術を開発している企業であり、評価額は2,326億円といわれています。
トヨタ自動車、日立製作所、NTTといった国内の大手企業と連携しており、「自動運転やコネクテッドカーなどに関連する交通システム」「物体認識や制御そして最適化技術の研究と開発」「医療用画像の解析や早期診断技術の開発」といった3つの事業を軸にしており、海外からは「次世代のSONY」と称されています。
次期ユニコーン企業として期待されているのが、名刺管理ソリューションを中心に業務アプリケーションを提供するSansan(サンサン)、大型リチウムイオンを開発しているエリーパワーなどです。
ちなみに、国別のユニコーン企業数について確認すると、トップの米国が118社、次いで中国が62社、イギリスの13社、インドの9社と続いています。
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2019年に株式公開しそうな海外のユニコーン企業
データプロバイダーであり、ユニコーン企業に関する調査を継続的に行っているCB Insightsが2019年に株式を公開しそうなユニコーン企業情報について発表しています。それによると、以下の4社のユニコーン企業が該当します。
1.Peleton
John Foleyによって企業されたPeletonは、わずか6年間で、ベンチャーキャピタル投資で10億ドル調達しています。直近では5億5,000万ドルを調達し、評価額は40億ドルに達しました。テクノロジーを活用したエクササイズ用具メーカーであり、毎年その規模を倍以上に成長させています。これといった株式公開計画は持っていませんが、John Foleyはウォール・ストリートジャーナルに対して株式市場デビューをするのに2019年は「大いにあり得る」と述べているそうです。
2.Cloudflare
サイバーセキュリティ業界のユニコーン企業であるCloudflareは、2019年上半期に株式公開しそうだと予想されています。主にWebパフォーマンスとセキュリティのプラットフォームを提供する同社では、2015年に行った最後の資金調達で評価額18憶ドルを超えましたが、現在では評価額35憶ドルを超えているそうです。ただし創業は2019年のため、もうすぐユニコーン企業の定義からは外れてしまいます。
3.Zoom
ビデオ会議サービス、オンラインミーティング、グループメッセージツールなどを提供するZoomは、これまでベンチャーキャピタルで1億6,000万ドルの資金調達をしています。2017年初期の評価額は10億ドルでしたが、株式公開により10億ドルよりもはるかに大きな評価額を獲得すると予測されています。
4.Rubrik
データ管理会社のRubrikは、企業向けのクラウド、オンプレミス環境のデータバックアップとリカバリサービスを提供しています。パロアルトに拠点を億置く同社は、2017年に実施したラウンドで1億8,000万ドルを調達し、評価額が10億ドルを超えました。
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ユニコーン企業はOracle NetSuiteを使う??
どの企業でもユニコーン企業を目指したいことは言うまでもありません。たとえ起業して10年以上が経過しても会社を反映させたいと思うのは経営者も従業員も同じです。
そこで成長企業のシンプルな考え方やルールに関してご紹介します。
成長企業のシンプルな考え方とルールとは?
成長企業のニーズ | 共通ルール |
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リアルタイムな状況把握 | 社員に経営データをスプレッドシートで加工させ、古いデータをもとに意思決定することを一切やめる |
業務プロセスの統合 | 業務プロセスから人材を極力排除し人的ミスや人が絡むことによる業務停止をITを活用して排除、サイロ化されたシステムを持たない |
従業員全員がビジネスを遂行 | あらゆる役割を持った人材がダッシュボードを活用し、リアルタイムに状況を確認しながらアクションへとつなげる |
経営スピードに瞬時に対応 | 事業の拡大にともないシステムが足かせにならないクラウドを徹底活用する |
グローバル展開 | 国や言語、通貨、法制度が違う環境においてもガバナンスを維持しながら統合システムでグローバルビジネスを実現 |
問題把握の迅速化と解決能力 | トレンド/ KPIからソリューションまで、詳細までわかるクリアーな視野を把握し瞬時に対応 |
このルールを守るためにOracle NetSuiteを採用する企業が多いことをご存知でしょうか。NetSuiteを活用した企業が、18ヶ月間に40社IPOし、次世代ユニコーン企業の94%がNetSuiteを活用して企業の成長を目指していると言うデータもあります。詳細はNetSuite SuiteSuccessをご確認ください。
いかがでしょうか?皆さんの企業もユニコーン企業のようにシンプルかつスケーラブルな業務システム基盤を目指してみませんか?
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