ERP「IFS Cloud」とは? 特徴や強みを解説

 2025.02.14  クラウドERP編集部

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「IFS Cloud」は、スウェーデンのIFS社が提供する統合業務ソフトウェアです。製造業をはじめ、さまざまな業界で活用されているクラウド型ERPシステムとして、グローバルに高い評価を得ています。本記事では、IFS Cloudの機能や特徴、メリット、導入に適した企業の特徴などについて詳しく解説します。IFS Cloudの導入を検討されている方はもちろん、ERPシステムに興味のある方も、ぜひご覧ください。

ERP「IFS Cloud」とは? 特徴や強みを解説

ERP「IFS Cloud」とは

IFS Cloudとは、製造業を中心に、さまざまな業種で活用されているクラウド型ERPシステムです。製品のライフサイクル全体を管理し、業務の効率化を支援します。

IFSはスウェーデンに本部を置くグローバル企業

IFS社は1983年にスウェーデンで創業され、現在は80か国以上で展開するグローバル企業です。製造業、サービス業、航空宇宙、防衛など多様な業界向けにERPソリューションを提供するメーカーとして知られています。日本市場ではSAPやOracleほどのシェアはないものの、徐々に導入が進んでいます。

参照元:IFSジャパン株式会社について

「IFS Cloud」の特徴

IFS Cloudは、IFS社が1990年にリリースしたERPパッケージ「IFS Applications」を前身とする、グローバルERPパッケージです。特に製造業、サービス業、航空宇宙・防衛、エネルギー、エンジニアリング、通信業に適した機能を備えていますが、その他の業界にも対応可能な柔軟なERPシステムです。23言語に対応しており、全世界で10,000社以上の導入実績があります。

モジュール型設計により、会計、人事、プロジェクト管理、生産、サプライチェーン、アフターサービスなど、企業のニーズにあわせた柔軟なカスタマイズが可能です。AIやIoTを活用した高度な分析機能も備え、データに基づく意思決定を支援します。また、クラウドとオンプレミスの両方に対応し、業務環境の変化にも柔軟に適応できます。

Gartner社が実施した顧客満足度調査で「4.7」の高評価を獲得し、アフターサービス(FSM)や設備管理(EAM)分野でも高く評価されています。IFS Cloudは、企業の成長と変革を支える信頼できるパートナーです。

参照元:【再掲】ERPパッケージ「IFS Cloud」によるサプライチェーン管理と強靭化の実践 産業機械メーカー様における事例セミナーレポート② | NEC

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ERP「IFS Cloud」の主な機能

ここでは、IFS Cloudが提供する主な機能を紹介します。

設備資産管理(EAM)

EAM(Enterprise Asset Management)とは、企業が保有する設備資産を一元管理するためのシステムです。この分野でIFS Cloudは市場シェア1位を誇り、3年連続でEAMランキング第1位(Gartnerが2024年に発表した「Market Share:All Software Markets, Worldwide, 2023」)に選ばれています。

従来の管理方法では、販売・生産・人事・会計などの業務ごとに個別でデータを管理していたため、部門間のデータ共有に手間がかかりました。しかし、ERPシステムを導入することで、単一のデータベース上で各部門のデータを統合し、効率的な一元管理が可能になります。

参照元:IFSジャパン | 法人向けITシステムとアプリケーション

製造実行システム(MES)

MES(Manufacturing Execution System)では、リアルタイムで生産プロセスを管理し、生産の効率化や迅速な意思決定が可能です。このシステムは、あらゆる生産形態に適応し、ERP内の生産プロセスを管理しやすくします。MESを活用することで、パターンの特定や問題点の発見が迅速に行われ、意思決定をスピーディーに行えるでしょう。また、MESはリアルタイムのデータを利用して、機械の稼働時間や製品品質を向上させ、材料・部品在庫を適切に管理することで、生産スケジュールの遅延を防ぎます。

サプライチェーン管理(SCM)

IFS Cloudは、サプライチェーンマネジメント(SCM)の機能も搭載しています。原材料の調達から製造、そして消費者への販売までの一連のプロセスを一元管理し、最適化します。これにより、全体の生産プロセスの効率が向上し、コスト削減と迅速な供給が実現可能です。

製造業や食品業界、アパレル業界など、多くの業界で企業の競争力強化が図れます。さらに、リアルタイムのデータ監視・分析機能も備えており、柔軟な対応と継続的な改善をサポートします。

顧客関係管理(CRM)

CRM(Customer Relationship Management)は、企業が既存顧客や新規の見込み客の情報を管理し、顧客満足度向上を目指す経営手法です。顧客関係のライフサイクルを通じてエンゲージメントを強化し、ビジネスの成長をサポートします。IFSのERPソリューションと連携することで、顧客とのやり取りを最大限に活用し、収益性の向上が図れます。

会計管理

IFS Cloudの最新の会計管理機能を使用することで、財務状況をリアルタイムで確認し、より高い収益を促進できます。強化されたレポート機能により、収益性の高い事業領域を迅速に把握し、活用できるため、財務会計システムの改善が可能です。財務データの可視化とリアルタイムアクセスにより、手作業によるエラーの排除と効率的な会計管理が実現され、組織は将来のキャッシュフローと資金調達計画に基づいた意思決定が可能になります。

プロジェクト管理

プロジェクト管理機能は、効率化と予測精度向上の鍵となります。進行状況をリアルタイムで把握し、KPIに基づいて確実な進捗確認が可能です。AIや機械学習を活用すれば、支払い遅延の予測やキャッシュフローの改善、収益予測が実現します。さらに、実際のコストと時間を可視化することで、スケジュール生成が簡単になり、生産性も向上します。

ERP「IFS Cloud」の強み

IFS Cloudの大きな特長として、複数の機能をひとつのプラットフォームで管理できる点が挙げられます。設計から調達、製造や据付工事、出荷後のサービスに至るまで、ライフサイクル全体を効率よく統合管理できます。これにより業務の可視化とデータ利活用が進み、顧客生涯価値(LTV)の最大化も可能です。

また、デジタルツインやIoT技術、MES(製造実行システム)を自社プロダクトに組み込んでおり、クラウド・オンプレミス両方のニーズに対応している点も特長です。IFS Cloudは、単一のデータモデルを採用し、サービスマネジメント、ERP、企業資産管理(EAM)など、業界トップクラスの機能を提供します。これにより、顧客にとって最も重要な「サービスの瞬間」に最善を尽くせる環境を実現可能です。

ERP「IFS Cloud」の導入に向いている業界

IFS Cloudは以下の6分野に特化しており、各業界のニーズにあわせた最適なソリューションを提供しています。

  • 製造業
  • サービス業
  • 通信業
  • 建設・エンジニアリング業
  • エネルギー・公益事業・資源事業
  • 航空・防衛事業

業界特化の機能と柔軟性により、企業のビジネスニーズに迅速に対応できるのがIFS Cloudの強みであるため、上記の業界に携わる企業なら高い導入効果が見込めるでしょう。

まとめ

IFS Cloudは、製造業をはじめとするさまざまな業界で活用されるクラウド型ERPシステムです。スウェーデンで誕生し、現在は80か国以上に展開しているグローバル企業、IFS社が提供しています。

主な機能には、設備資産管理、製造実行システム、サプライチェーン管理、顧客関係管理、会計管理、プロジェクト管理などがあり、企業のデジタルトランスフォーメーションを推進し、迅速なROIの実現をサポートします。

また、クラウドERP実践ポータルでは、ERPの比較資料をダウンロードできます。ERP導入を考えている場合は、ぜひ参考にしてみてください。

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