S&OPとは?基礎知識やプロセス構築のポイントを解説!

 2020.10.09 

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最近は市場変化が激しく、消費者ニーズの変化を予測しづらくなっているため、その変化に迅速に対応できるサプライチェーン運営が必要になっています。そこで注目したいのが、S&OPという概念です。S&OPは、さまざまな外的要因に合わせて需要バランスを管理するためにも必要不可欠です。

今回はS&OPの基本知識やプロセス構築のポイントを解説します。

S&OPとは?基礎知識やプロセス構築のポイントを解説!

S&OPとは? 

最初に、「S&OP」そのものについてご説明します。

S&OPとは「Sales and Operations Planning」の略で、SCM(Supply Chain Management)から発展した概念の一つです。主に販売・生産・調達までの一連の意思決定を早め、サプライチェーン全体の最適化を行う手法を指します。SCMやSCP(Supply Chain Planning)と混同されることがありますが、この2つが台数や量といった“モノ”を管理するのに対し、S&OPは“カネ”を軸に管理します。現代のニーズに合わせて需給バランスをとる方法として、最近では世界から注目を浴びています。

なぜ今S&OPが求められているのか 

近年では世界の企業がS&OPを求め、導入しています。

製造業や流通業では、もともと販売実績や将来の売上予測をもとに、販売拡大や在庫削減を図っていました。そのため、統計学を活用して販売予測を立てて需給調整を行うなど、「数の管理」に注力していたのです。

しかしグローバル化が進むと、消費者ニーズの多様化をはじめとした外的要因により、注文に応じて商品を用意するだけでは収益が悪化する可能性が出てきました。販売予測を立てるのが極めて難しくなったことで、販売予測をもとにした事前対応ではなく、目まぐるしく変わる市場環境に迅速に対応できるよう、事後対応に注力する傾向が強まったのです。

サプライチェーン運営の考え方が重要になるとともにS&OPの需要も高まり、「数の管理」を重視する考え方から「利益をベース」にした考え方に切り替わっていきました。つまり、消費者ニーズやさまざまな外的要因に合わせて需要バランスの管理が求められる現代においては、S&OPという概念がなくてはならない存在になったのです。

日本においても、2009年のリーマンショックをはじめとした急激な市場変化に対応するため、現在は数や量ではなく、金額や利益を主体としたサプライチェーンマネジメントが求められています。

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欧米・台韓企業では主流に

S&OPを早い段階で実現したのは、韓国のサムスンと考えられています。PCメーカーのモデルからSCMノウハウを抽出・解釈し、現在のS&OPのベースとなる計画統合を実現しました。近年ではさまざまな企業がこの考え方を模してS&OP導入を進めており、特にトップダウン型の組織が多い欧米・台韓企業では、事業運営を加速するために積極的に導入されています。

しかし、意思決定スピードが早く、高い経営力を武器とする欧米・台韓企業と異なり、日本企業は柔軟性や正確性といった現場の強さが特徴であるため、この違いを考慮してS&OPを活用していかなければなりません。

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S&OPプロセス構築のポイント

S&OPを導入するにあたっては、プロセス構築の際にいくつか注意すべきポイントがあります。効果的なS&OPを実現するために、気を付けておくべきプロセス構築のポイントを解説します。

明確なシナリオと基準

S&OPのプロセスは、目指すべき目標に対する現在の実力を評価した上でシナリオを進めて、目標に近づけていくことが求められます。そのため、目標を設定するタイミングでの自社の実力と、現在想定している今後の成長や事業目標との差を正確に把握しておくことが大切です。明確なシナリオを用意することで、現在から事業目標までのリアルな道筋が見えてきます。

また、各プロセスの目標や評価指標は、シナリオに基づいた実行計画における活動を管理するためのものであるため、これらのプロセスの精度は、シナリオの精度に直結します。

さらに、事業目標に向かって効率良く進んでいくためには、シナリオごとに達成したい目標値やその根拠など、具体的な意思決定の基準を設けることや、個々の意思決定そのもののスピードを上げていくことも大切です。この基準同士にも、シナリオに基づいた整合性が必要になります。

グローバルに統合された環境構築

グローバルに統合された環境構築も、S&OPを構築する上で重要なポイントです。S&OPでは、正しい意思決定を行うためにも、グローバルかつ整合性のとれた評価指標が必要になります。IT環境を統合することによって、意思決定に必要な情報を適したタイミングで利用することができ、効果的なプロセスが実現します。意思決定の精度やスピードの向上にも寄与するでしょう。

定期的な評価と見直し

最初に明確なシナリオや基準を設けましたが、それが必ずしも最後まで適切であり続けるとは限りません。策定したシナリオやアクション、タスクを定期的に評価し、不足点や問題点があれば随時見直しを行うべきです。現在は、市場変化や事業環境の変化に合わせて迅速に対応することが求められます。定期的な評価と見直しを行うプロセスを構築することで、市場環境や事業環境の変化にもスムーズに対応できるようになります。その時々の環境への対応力が向上するということは、事業目標を達成する確率が高まることを意味します。

まとめ

S&OPは市場の変化が激しい現代において、非常に有効な概念と言えるでしょう。特に競合他社との競争が激しく利幅が小さい業界や、市場規模が伸び悩んでいる業界など、今後も継続的に収益を確保していくことが難しいと思われる業界にとっては、S&OPの導入が事業拡大・企業存続のためのターニングポイントとなるかもしれません。

しかし、通常業務に加えて市場変化に合わせて迅速に対応することは、非常に難しいと感じる方も多いでしょう。

日本オラクル株式会社では、クラウドで実現可能なサプライチェーンマネジメント製品「Oracle Fusion Cloud SCM」を提供しています。市場環境に合わせた適切なデータ管理・収集の必要性を感じている方は、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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