製造業における工程管理とは?
部品表・需要予測など生産管理の基本を解説

 2022.05.13 

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製造業において生産性を向上させて利益最大化を図るためには、生産管理構造を改善することが大切です。中でも工程管理の改善はQCDの最適化に直結します。本記事では、製造業生産管理の概要、工程管理を改善する具体的な方法などを紹介します。また、工程管理システムを導入すると、どのようなメリットが得られるのかについても解説していきますので、ぜひご覧ください。

製造業における工程管理とは? 部品表・需要予測など生産管理の基本を解説

製造業における生産管理の基本

工程管理は生産管理の一部です。そのため、まずは製造業における生産管理の基本を押さえておきましょう。ここでは、生産管理の業務や目的、工程管理や品質管理、需要予測などについて解説します。

生産管理とは

製造業における生産管理とは、製品の受注から製造、納品に至るまでの製造工程を管理することを指します。生産管理の主な業務は、以下の通りです。

  • 受注管理(需要予測)
  • 生産計画
  • 調達管理
  • 工程管理
  • 品質管理
  • 在庫管理
  • 出荷管理
  • 原価管理
  • 開発管理

生産管理の業務は多岐にわたりますが、製造業にとって大切な「納期」「在庫」「工程」「原価」の四つに重点を置いて管理するのが基本です。

生産管理の目的は、品質(Q)・コスト(C)・納期(D)のQCDを最適化して、自社利益を最大化させることです。QCDの最適化を実現できると、クオリティの高い製品を短納期でかつコストを抑えて製造できるようになります。

このように、生産管理は生産をQCDの観点で管理することが大切だといえます。QCDを最適化するためには、製造に関する工程を管理する工程管理の改善が必要です。

工程管理とは

工程管理は生産管理の業務の一部であり、製造に関する工程を管理することです。生産管理の業務は受注管理や出荷管理など多岐にわたりますが、工程管理は生産管理の業務の中でも特に重要な「製品を製造する工程」を管理することになります。工程管理の主な目的は、以下の通りです。

  • 安定した品質を維持する
  • 納期を守る
  • 生産期間を短縮する
  • 生産性を高める
  • 仕掛在庫を減らす
  • 製造原価を下げる

このように、工程管理は製造業にとって大切な「納期」「在庫」「工程」「原価」のいずれにも関わるものです。製造に関する工程を改善することは、生産管理の目的であるQCDの最適化に直結します。工程管理の目的を達成するには、「生産計画を立て(P)」「計画を実施し(D)」「活動を評価し(C)」「問題を改善する(A)」というPDCAサイクルを効率的に回すことがポイントです。

部品表(BOM)とは

工業製品を製造する際に、部品は欠かせないものです。部品がひとつでも欠けていると、工業製品を製造することはできません。そこで活用するのが部品表です。部品表はBOM(Bill Of Materials)の日本語訳で、製品を製造するのに必要な部品を一覧表にまとめたものを指します。

部品表には「サマリ型(サマリ部品表)」と「ストラクチャ型(ストラクチャ部品表)」があります。サマリ型は、部品名や数量などを順番にシンプルに記載したものです。対してストラクチャ型は、階層構造になっており、製品が完成するまでの中間工程も記載されています。

部品表は生産管理では重要な存在だといえます。調達管理や工程管理、原価管理など、生産管理のあらゆる業務で必要になります。生産管理構造を改善するためには、部品管理を改善する必要があり、そのためにはBOMシステムの導入が必要不可欠です。

なお、部品表を紙やエクセルで作成する場合、記載ミスや検索がしにくいなどの問題が発生する可能性があります。BOMシステムを導入することで、そういった問題を解消できるでしょう。

品質管理とは

品質管理とは、品質に関する顧客の要求を満たすために行う管理のことを指します。生産管理の目的はQCDを最大化することであるのに対して、品質管理はQCDのうち品質(Q)を最大化することを目的としているのが特長です。安定した品質を維持することで、製品やブランドへの信頼性向上に繋がります。

品質管理では、整理(SEIRI)、整頓(SEITON)、清掃(SEISOU)、清潔(SEIKETU)、しつけ(SITUKE)の「5S」が重視されています。日常的に5Sを実践することで、安定した品質を維持することが可能です。

また、品質管理では、人(Man)、機械設備(Machine)、方法(Method)、材料(Material)の「4M」を管理することも重視されます。これらの4Mの要素を管理することで、不良品の出荷を未然に防ぐことが可能です。安定した品質を維持することに繋がるでしょう。

需要予測とは

生産管理の業務のうち、需要予測は製品の短期的・中長期的な需要を予測して、在庫適正化を図ることを指します。製造業において、在庫を大量に抱えることは望ましいことではありません。過剰在庫が発生すると、キャッシュフローの悪化や製品の陳腐化・劣化の原因になります。

在庫は「需要予測-実需要」の計算式で表すことが可能です。需要予測が正確で実需要に近づくほど、在庫を減らすことができます。需要予測の精度を高めるためには、過去のデータや市場のトレンドから将来のニーズを予測する需要予測が重要になってくるといえるでしょう。

近年では、需要予測にAI(人工知能)が活用されているのが特長です。AIを活用した「AI需要予測システム」を導入することで、精度の高い需要予測値を算出できます。過剰在庫の発生を未然に防ぎ、在庫最適化や業務の効率化に繋げられるでしょう。

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製造業の工程管理を改善する生産管理システムとは

製造業工程管理を改善するためには、工程管理システムや生産管理システムの導入が必要だといえます。生産管理システムを活用すると、製造業にとって大切な「納期」「在庫」「工程」「原価」を一元管理することが可能です。生産管理の目的であるQCDを最適化して、自社益の最大化が図れるでしょう。

生産管理システムの中には、部品管理を効率化する「BOMシステム」や、精度の高い需要予測ができる「AI需要予測システム」を実装しているものもあります。工程管理を含む生産管理のあらゆる業務で活用することが可能です。

また、工程管理の改善を目的に生産管理システムを導入するとQCDの最適化が図れ、クオリティの高い製品を短納期でかつコストを抑えて製造できるようになります。こちらも企業収益の向上に大きく貢献します。

工程管理では、PDCAサイクルを効率よく回すことが重要になってきますが、生産管理システムや工程管理システムを導入すると、データに基づいて工程管理のPDCAサイクルを効率的に回せるようになります。

さらに、生産管理システムや工程管理システムには、製造工程の進捗状況を可視化することができる機能が実装されているものもあります。各工程の進捗状況を会社全体で共有することが可能です。

社内の各部署は製造工程の進捗状況をリアルタイムで確認することで、有効な対策を迅速に打てるようになるでしょう。また、システムを導入することで各工程の負荷を調整しやすくなり、マネージャーの管理が簡素化するなどのメリットも得られます。

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まとめ

製造業工程管理の改善はQCDの最適化に直結することです。そのため、企業収益の向上に大きく影響するでしょう。費用対効果を考えた場合、生産管理システムの導入は工程管理の改善に有効だといえます。生産性を高めて収益アップを図りたい企業は、生産管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

クラウドERPシステムのNetSuiteは、生産管理機能が充実しているのが特長です。製品データ管理や作業命令(ワークオーダー)管理などの多彩な機能を活用することで、工程管理の改善を図ることができ、生産性向上や収益向上に繋げられるでしょう。ぜひ導入を検討してみてください。

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