グループ経営とは?メリット・デメリットを徹底解説!

 2021.02.10 

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グループ経営について興味はあるものの、具体的にはどのようなものかよく分からない企業の方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事ではグループ経営のノウハウを学びたいと考えている方に向けて、概要から課題、メリットやデメリットなどについて詳しく解説します。

グループ経営とは?メリット・デメリットを徹底解説!

グループ経営とは

グループ経営とは、子会社や関連会社を含めた「企業グループ」という大きな組織として活動を行う経営モデルを指します。従来、親会社と子会社や関連会社の経営はそれぞれで管理されることが多いため、経営の意思統一は行われていませんでした。グループ経営により、グループ内すべての企業は同じ経営哲学を持ち、日々の業務にあたることになるでしょう。

日本では2000年3月期決算から連結決算中心主義への移行が始まったことで、従来の経営モデルから、グループ経営という経営モデルが多く取り入れられるようになりました。グループの意思決定が統一していれば、連携のよさを外部にアピールできるため、組織のブランディングにもつながる点はグループ経営の利点といえるでしょう。

グループ経営の課題

グループ経営の課題は、近年グローバルに事業展開する企業が増加傾向にあることと関係しています。日本国内のグループ会社の現状は把握できる一方、海外のグループ会社については正確に把握できていなかったり、意思疎通ができず、本社の意向がうまく伝わらなかったりする悩みを抱えている企業が多いのです。
日本国内では、事業ごとにそれぞれ管理が行われているケースが多いですが、海外にある企業では事業軸ではなく、地域軸での管理になっていることが多々あります。本来であれば、日本国内と同様に事業軸で管理することが望ましいのですが、言語や感覚の違いなど意思疎通が難しいために、このような管理体制になってしまうことが多いのかもしれません。また、海外では本社機能も海外部門で一元管理されているなど、日本のように細やかな指導ができていないことも上記のような課題を生む原因と考えられます。

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グループ経営のメリット

ここからはグループ経営のメリットについて紹介します。

迅速な意思決定

グループ全体の意思決定を迅速に行うことで、効率的な運営が可能になります。スムーズに意思決定を進められることは、競合との競争を勝ち抜く上で大きなアドバンテージとなるでしょう。素早い判断が求められるビジネスにおいては、なるべく早く方向性を決めて動くことが大切です。それを可能にするためにも、このような経営モデルが適しています。また、新しい製品の開発や事業を始める場合も、迅速な決定ができればスムーズに事が運べるでしょう。

事業リスクの分散

グループ経営では個々の会社で事業を行うため、リスクを分散できるメリットもあります。このような経営方法でない場合、1つの事業が損失を出した際、ほかの事業にもその影響が及び、すべての事業が成り立たなくなってしまう恐れがあるのです。しかし、グループ経営にすれば、親会社と該当事業のみの影響で抑えられるため、ほかの事業を展開している子会社が受ける影響を最小限に抑えられるでしょう。
また、損失を出した場合のみではなく、飲食業や運送業など、許認可関係の事業について業務停止命令を受けてしまうと、ほかの事業も活動を停止せざるを得ません。このようなリスクについても、グループ経営によって分散できるのです。

人事制度の導入

雇用形態や人事制度は事業によってさまざまで、資本は同じでも、異なる事業を展開しているのであれば、それぞれの事業に合ったものを採用する必要があります。グループ経営化することで、それぞれに合った独自の給与制度や人事制度を導入することが可能です。また、そのような制度を導入しやすくなることで、人員の配置転換などによる事業への好循環も期待できるでしょう。

M&Aへの迅速な対応

ホールディングス体制になることで、買収やM&Aを行う際、有利に働くことが多くなります。外部からの事業会社買収の心配もする必要がありません。なお、買収する場合、買収される企業はグループ傘下に入るだけでよいため、会社が消滅する心配がなく、比較的受け入れられやすい状態になります。このように、買収される側にもメリットがあるので、近年は中小企業における投資戦略の選択肢のひとつになっているのです。また、傘下事業を手放す場合も、スムーズに取引を進められるでしょう。

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グループ経営のデメリット

メリットが多々ある一方、デメリットも存在します。ここからは、グループ経営を行うことのデメリットについて紹介します。

親会社に隠蔽する可能性

グループ経営を行うことは、自己裁量権が各事業会社に大きく委ねられるというメリットがあります。その一方で、株が親会社に握られているため、多大な損失や何らかの問題が発生した場合、都合の悪い情報は隠蔽してしまう可能性があるのです。
場合によっては、親会社の判断で事業をたたむことも考えられるため、そのような事態を避けようと都合が悪い事案が起きたときには事業会社内で隠蔽し、それゆえすぐに対処できなくなるデメリットが生まれます。

対立の危険性

グループ経営には様々な事業が取り込まれる場合がありますが、それぞれの会社は事業内容だけでなく、経営方針や考え方なども異なるでしょう。しかし、グループ傘下にいる以上、親会社が決定した方針に従わなくてはいけません。

その決定が、どの事業会社にとっても有益なものであれば問題ありませんが、一部の事業会社にとっては都合の悪い決定であれば、事業会社同士で対立が生まれ、協力体制が築けない恐れがあります。また、事業内容が増えるほど連携が取れにくくなったり、必要以上に対抗意識や上下関係ができてしまうと、社内間で軋轢が生まれたりすることもあるでしょう。

法人維持コストの増加

ホールディングス化する場合、各事業会社は独立した別会社となるため、総務や経理など、バックオフィス業務はそれぞれの会社ごとに行う必要があります。各部門が重複することで、コストも大きくなってしまうでしょう。

また、組織体制が複雑化してしまうと、維持コストが増大する可能性もあります。しかし、組織を拡大していく上では、そのようなコスト増加も避けられません。バックオフィス業務などを拡充しつつ、そこにかかるコストをできるだけ抑えることが重要です。

Oracle Managerial Accounting Template(OMAT)で経営管理基盤を構築

日本オラクル株式会社が提供している連結経営管理ソリューション「Oracle Managerial Accounting Template」を活用すれば、グループ経営管理業務を1つの基盤(EPM Cloud)で実現できます。制度連結ソリューション・管理連結ソリューション・分析ソリューションの3つによって構成され、国内外の実績と活用事例をもとに、管理会計のノウハウを詰め込んでテンプレート化した導入支援パッケージです。

制度連結ソリューションでは日本の会計基準や国際財務報告基準に合った制度連結の機能が提供されています。また、管理連結ソリューションでは製品別など管理軸での連結損益算出の機能、分析ソリューションでは経営管理に必要な情報を一元的に分析する機能も持ち合わせています。

制度連結を中心に管理連結にも対応しているだけでなく、その他「全体的なコストを抑えたい」「一部の事業部連結をシステム化したい」「制度連結、管理連結業務を効率化させたい」「管理連結業務を簡易(クイック)にシステム化したい」というお客様の要望を様々な点において満たすソリューションといえるでしょう。

また、「Oracle Planning and Budgeting Cloud Service」というクラウドサービスと組み合わせれば、企業グループ全体で必要な機能を兼ね備えた経営管理システムの構築がスピーディーに行えます。 

まとめ

グループ経営は課題やデメリットがあるものの、競合他社に差をつけられないよう、迅速な意思決定を行ったり、事業リスクの分散をしたりする際によい効果をもたらすことでしょう。日本国内でもグループ経営を行っている企業も多いため、メリット・デメリットをしっかり把握し、自社に適している場合はぜひ採用するとよいでしょう。

また、グループ経営管理業務をスムーズに進めるために、本記事で紹介した連結経営管理ソリューション「Oracle Managerial Accounting Template」の導入も検討してみてはいかがでしょうか。

グループ経営強化のため、意思決定の迅速化・高度化、ガバナンス強化を目指し「連結会計システム」構築

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