グループ経営強化とは? 目的や課題、成功事例も紹介

 2021.05.25 

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グループ経営強化とは何か、どのような目的をもって取り組むものなのか、課題は何か、などについて解説します。また成功事例や、同様に成功するためには何が必要なのかについてもご紹介します。

グループ経営強化とは? 目的や課題、成功事例も紹介

日本企業のグループ経営強化とは?目的について

日本企業のグループ経営強化とは、グループ全体として経営体制を強めていくということです。具体的には、コーポレートガバナンス改革(企業統治)や持株会社(純粋持株会社)中心とした各グループの統合、分割などの取り組みを指します。

まずコーポレートガバナンスとは、企業の不祥事等を防止するために、社外取締役や社外監査役など、社外の管理者によって経営を監視する仕組みのことです。グループ経営強化にコーポレートガバナンスが重要な理由は、企業にとって信用が不可欠だからです。

どれだけ事業が好調であっても、今の時代では不祥事一つで業績は転落します。またグループ経営であれば、その分グループ内のどこかで不祥事が発生するリスクも大きくなります。よりコーポレートガバナンスに力を入れ、従業員も身を引き締める必要があるということです。

グループの統合や分割については、主にシナジー効果の創出が目的です。シナジー効果とは相乗効果のことです。大きく分けると事業的シナジーと財務的シナジーの2種類があります。

事業的シナジーとは、グループ間で技術を相互に利用して相乗効果を生み出すことです。規模が大きいほど事業的シナジー効果を活かすメリットが大きくなります。財務的シナジーは余剰資金の有効活用や節税効果を指します。

グループの規模が大きいと赤字と黒字を相殺する、節税につながるような会計処理を行う、といったことが可能です。

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グループ経営強化での課題

グループ経営強化には課題もあります。具体的には以下のような課題が挙げられます。
  • 日本特有な経営方法では競争優位を獲得できないという危惧
  • 基準がなく事業の撤退や売却の判断が困難
  • モニタリングが親会社(事業会社)の中心
  • 事業が多岐であるために、コア、ノンコア事業の見直しが困難
  • 子会社の数の増加で管理(一元)が困難
  • 小規模子会社の判断を考慮したガバナンス体制の構築

ゆえに、守りと攻めの両面からグループ経営の再編デザインが重要です。特に集権化と分権化のバランスが重要で、シナジー効果を活かせる形で分権し、また各法人が収集したデータを中央で管理する必要があります。

各法人がバラバラに動くだけだとシナジー効果を活かせず、データを適切に収集できないので経営判断に活かすこともできません。シナジー効果を活かしたうえで分権し、データを収集したうえで経営判断を各法人に共有する必要があります。

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事業ポートフォリオの構成

日本企業での事業ポートフォリオの見直しの必要性は広がりつつありますが、事業のM&Aに比べてカーブアウト(切り出し)に対しては消極的です。日本企業は従来から集権的な傾向があり、カーブアウトによる事業拡大が未知のものとなっているためです。

しかしカーブアウトによって経営が多角化することはもちろん、集権とのバランスが取れれば事業のスピードアップにもつながります。すべてを事業会社の中心だけで行うと情報が集約される反面スピード感が失われ、また多角的な経営にもつながりません。

そのためグローバル化が進む環境ではカーブアウトが不可欠ですが、やみくもにカーブアウトすると管理できなくなりシナジー効果が働かず、各事業がバラバラに動くだけになります。

そこで重要なのが事業ポートフォリオの見直しです。不確実性の高い新規分野への投資は、事業ポートフォリオを見直しから必要な事業再編が重要になります。

内部統制システムの構築

事業ポートフォリオや組織内の体制を見直したうえで重要になるのが内部統制システムの構築です。会社法おける内部統制システムとは、「取締役の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制」(362条4項6号)と定められています。

内部統制システムは社内監視での守りの企業戦略だけではなく、企業価値向上の攻めの側面もあります。特に重要なのが、業務の有効性や効率性の担保です。社外に対して信用力をアピールするだけでなく、事業を見直すことで業務効率を高めるという面もあるのです。

内部を見張ることは内部の事業成績等にも目を通すことになり、当然実態や課題が浮き彫りになります。課題を課題として社内外に報告すれば、改善が求められます。次の報告までに課題を解決する必要があるので、内部統制システムを充実させれば自ずと業績アップにもつながるという流れです。

ただし、グローバル化したグループ経営では、適切な構築と運用がなければ正常に機能しないという理解が必要です。

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グループ経営強化|Oracle Cloud EPM活用による成功事例

グループ経営強化のため、ゴディバジャパン株式会社が、Oracleのクラウド型経営管理ソリューション「Oracle EPM Cloud」を採用した事例を紹介します。ゴディバとは、ベルギーのチョコレートメーカーです。

トルコの食品企業ウルケルの子会社になります。そしてゴディバの日本法人がゴディバジャパン株式会社です。ゴディバジャパンはグループ経営強化のために、連結会計システムを導入しました。

それがOracle Cloud EPMです。Oracle Cloud EPMはOracleが提供している情報管理ツールで、特に会計情報の管理に強みがあります。

導入の目的

ゴディバジャパンはグループ経営の意思決定の迅速化、高度化、ガバナンス強化を図るため、ゴディバ ジャパンでの連結会計システムの構築が不可欠でした。ゴディバジャパンは日本法人なので本社は日本にありますが、さらにゴディバジャパンの子会社が韓国、オーストラリアに散在しています。

ゴディバジャパンはこれらの各拠点と連結会計を行う必要があり、従来までは管理体制がバラバラになっていました。各拠点が別の拠点の状況をリアルタイムで把握できない状況です。

しかし意思決定のためには正確な情報が必要であり、さらに迅速な意思決定のためには随時情報が更新されている状態がベストです。Oracle Cloud EPMはクラウドシステムなので、オンライン環境にアクセスすれば世界中どこからでも正確な情報を確認できます。

また入力するだけであらかじめ必要な情報を自動で抽出するように設定しておくことも可能です。データさえ入力すればそこから統計を取る手間も報告する手間もかからないので、労力と時間を削減しつつ人為的なミスを防ぎ、経営の意思決定に最適な情報をリアルタイムで提供します。

導入理由と評価

ゴディバジャパンは連結会計システムを導入するにあたり、複数のツールを比較検討しました。そして最終的にOracle Cloud EPMを導入するに至ったのですが、その理由としては、初期コスト、短期間導入、使いやすさ、国内外の実績、拡張性などを挙げています。

Oracle Cloud EPMはクラウドで、なおかつ最小限のコストから導入することが可能です。最小限の機能に絞って導入すれば、コストが低いだけでなく導入期間も短く済みます。実際ゴディバジャパンでも2~3カ月の短い期間でOracle Cloud EPMを稼働させるところまで至っています。

既存のデータをすべて移行するところから含めてもこの期間で稼働できているので、非常にスピーディーな導入を実現しています。こういったメリットからOracle Cloud EPMはゴディバジャパンだけでなく国内外で豊富な実績があります。

そしてOracle Cloud EPMは最低限の機能から始め、機能を拡張していくことが可能です。最小限の機能から徐々に慣らしていけば、現場でのフラストレーションも少ないでしょう。

まとめ

Oracle Cloud EPMなら必要な情報を入力するだけで自動共有し、なおかつ出力データもあらかじめ設定することが可能です。グループ経営強化のために数多くの企業が導入しています。

今回ご紹介したゴディバジャパンでもOracle Cloud EPMを導入した結果連結会計を圧倒的に効率化し、空いた時間は戦略策定等に充てています。今後より多くの企業がOracle Cloud EPMを導入して業務を効率化していくので、早めに導入しなければライバル企業に後れを取ることになるでしょう。

グループ経営強化のため、意思決定の迅速化・高度化、ガバナンス強化を目指し「連結会計システム」構築

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