基幹業務を一元管理し、業務効率化や生産性向上につなげるには、ERPソリューションの導入が有効です。本記事では、富士通が販売しているERPソリューション「GLOVIA」シリーズについて、特徴や価格などをまとめました。ERP導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
GLOVIAとは
GLOVIAは、富士通が開発・販売を手がけるERPソリューションです。大企業や中小企業などさまざまな規模の会社に対応し、会計や人事、販売業務などの一元管理をサポートします。
ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略です。「企業資源計画」と訳されますが、実際には、企業活動すべてを統合的に管理すること、あるいはそのシステムと認識されます。そのため、ERPは多くの場合、「統合基幹業務システム」などと呼ばれます。
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GLOVIAは、基幹業務全般をカバーするタイプのほか、一部業務に特化したタイプ、特定の業界向けなど、さまざまなシリーズが展開されています。加えて、既存のシステムとも連携可能で、自社に合ったサービスをスムーズに利用できるのが魅力です。
GLOVIAの種類と特徴
多様なシリーズを展開しているGLOVIAのうち、主なサービスを紹介します。
GLOVIA SUMMIT
グループ企業の会計管理に特化しているのが、「GLOVIA SUMMIT」です。グループ企業の情報を一元管理しつつ、グループ内の個々の企業における経理業務にも対応できます。主なソリューションとして、「GLOVIA SUMMIT GM」「GLOVIA SUMMIT GC」があります。
GLOVIA SUMMIT GMは、財務、経理業務を一元管理し、経営に活用するソリューションです。会計システムだけでは利用できなかった情報にアクセスできるようになり、意思決定に活かせるというメリットがあります。
また、グループ企業の情報を一元管理することで、データ集計・分析の効率化や、グループ内で統一されていない業務の標準化も実現できます。
GLOVIA SUMMIT GCは、主に連結決算業務を行うシステムです。連結決算にまつわる業務は、子会社からのデータ収集をはじめとする準備業務、決算後の各種資料作成など多岐にわたります。
各々を手作業でしていると作業効率が悪く、ミスが起こりやすいというデメリットがあります。
GLOVIA SUMMIT GCを利用すれば、会計システムや開示システムなどと連携することで、作業負荷が軽減するだけでなく、正確性の向上も望めます。加えて、システムのセキュリティ対策をカバーしているのも魅力です。連結決算に利用する性質上、比較的使用頻度が低くても、セキュリティ対策を怠ることなく安全に使えます。
ほかにも、固定資産を管理する「GLOVIA SUMMIT FM」、より経営管理に特化した「GLOVIA SUMMIT MI」といったシリーズがあります。
GLOVIA smart
「GLOVIA smart」は、製造業、流通業、医療・福祉、情報通信業など、さまざまな業界に適したシステムを展開しています。それぞれの業種に応じた業務を、一元的に管理できるソリューションです。
GLOVIA iZ
現場業務と基幹業務（会計、人事給与、販売、生産）を統合的に管理し、経営基盤を築くためのシステムが「GLOVIA iZ」です。会計、人事給与、販売、生産の業務のうち、必要なものを絞ってシステムを構成できます。加えて、一括で導入するか、段階的に導入するか選べるのも特徴です。
また、自社で管理・運用するオンプレミスと、サービスとして提供される環境で運用するクラウドの両方に対応しています。自社の使い方のほか、環境に応じてカスタマイズしやすいというメリットがあります。
GLOVIA きらら
「GLOVIA きらら」は、特に中堅企業向けの統合基幹業務アプリケーションです。販売、会計、人事給与の業務に特化したアプリケーションから、自社に合ったものを選べます。いずれかひとつを単独で利用するほか、組み合わせても使えるうえ、段階的な導入も可能です。
システムは使いやすく、入力ミスを防ぐ仕様になっており、効率性と正確性の向上も期待できます。不正アクセス防止対策も徹底されているため、安全性が高いのも魅力です。
【種類別】GLOVIAの価格
展開しているタイプのすべて、あるいは一部の利用など、GLOVIAは全体的に比較的自由度が高いサービスのため、同じ商品でも価格に差が生じます。主なサービスの最低額をまとめましたが、あくまでも参考程度に留め、正確な金額については問い合わせるようにしてください。
GLOVIA SUMMITの価格
GLOVIA SUMMITを利用するには、月額サービスと一括サービス、両方を契約する必要があります。月額サービスに含まれるのは基本的なサービスで、たとえばGLOVIA SUMMIT GMなら一般会計、債務管理、債権管理などです。別途料金が発生しますが、ここにGLOVIA SUMMIT GCの連結決算など、オプションを追加することも可能です。
一括サービスは、利用開始に必要なサービスや、運用開始後のサポートが該当します。たとえば、スタートアップ、導入支援、実際に運用してからのオプション変更・追加、カスタマイズなどです。
月額サービスの価格は、GLOVIA SUMMIT GMが50万円／月～、GLOVIA SUMMIT MIが30万円／月～です。GC（連結決算）オプションを追加するのであれば、ここにプラス14万円／月～、FM（固定資産管理）オプション追加はプラス20万円／月～かかります。
一括サービスは、スタートアップサービスが100万円～で、カスタマイズなどのサービスは個別の見積もりが必要です。これらの料金以外にも、ネットワーク費用なども発生します。
GLOVIA smartの価格
GLOVIA smartは多様な業種向けのシリーズを展開しているため、ここでは製造業向けの「GLOVIA smart MES」、ショッピングセンターや量販店向けの「GLOVIA smart ショッピングセンター」を例に挙げて紹介します。
GLOVIA smart MESは、スケジューラ（生産計画を管理）や工程管理などが300万円～、ガントチャート（製造計画編集）は20万円～です。また、組織全体の生産計画管理に適した「GLOVIA smart MES PSI Collaborator」は、1,200万円～かかります。
GLOVIA smart ショッピングセンターの価格は、195万円～です。
上記の金額はパッケージ価格で、オプション機能を搭載するなど、システムの構成によって別途費用がかかります。そのほか、ハードウェアやソフトウェアの費用、ライセンス料、SE費用なども発生します。
GLOVIA iZの価格
GLOVIA iZの具体的な価格は明らかにされていないため、費用に関しては問い合わせて確認しましょう。事前にGLOVIA iZが提供するサービスのうち、一部あるいは全部など、何を利用したいか明らかにしておくとスムーズです。
GLOVIA きららの価格
GLOVIA きららはクラウド版とパッケージ版があり、自社に適したほうを選べます。
クラウド版の場合、人事給与は1万2,000円／月～、会計は1万5,000円／月～、販売は1万5,000円／月～かかり、3つのサービスをすべて利用する場合の価格は4万2,000円／月～です。
パッケージ版は、人事給与が45万円～、会計は58万円～です。販売は標準タイプと生産財卸売業向けの2種類があり、標準が50万円～、生産財卸売業向けが65万円～です。こちらも3つ全部利用する場合、153万円～（標準タイプ）、168万円～（生産財卸売業向け）かかります。また、導入に関して別途費用が発生します。
GLOVIAシリーズのメリットと導入すべき企業
GLOVIAシリーズは既存システムとの連携が可能であり、ERP導入を始めたい企業、無理なく進めていきたい企業に適しています。
なかでも、グループ企業の経営管理に特化しているのが、GLOVIA SUMMITです。グループ会社の業務標準化、データの一元管理などにより、グループ経営の効率化や業績アップを目指す企業におすすめします。また、自社の業種に合わせたシステムを活用したい企業には、GLOVIA smartが適しています。
基幹業務と現場業務を統合管理し、経営に活かしたい企業は、GLOVIA iZの利用を検討しましょう。GLOVIA iZは基幹業務（会計・人事給与・販売・生産）のうち、どれか一部にサービスを導入することも、段階的な移行もできます。徐々にERPツール導入を進めていきたい場合にもおすすめです。
中堅企業に適しているのは、GLOVIA きららです。こちらも販売管理・会計・人事給与すべてのサービス、あるいは一部のみの導入も可能で、段階的な連携も実施できます。サポート体制が充実しているため、ERPツールを初めて導入する企業にもおすすめです。
まとめ
企業の規模、業種、業務内容に応じ、GLOVIAはさまざまなシリーズから自社に適したタイプを選べます。カスタマイズもできるため、より効率や業績アップにつなげられるサービスを見つけましょう。
クラウドERP実践ポータルでは、ERPの比較資料をダウンロードできます。ERP導入を考えている場合は、ぜひ参考にしてみてください。
