グローバル化(グローバリゼーション)とは? メリットや課題を解説

 2022.08.02 

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「グローバル化(グローバリゼーション)」という言葉をよく耳にします。企業のグローバル化、ビジネスのグローバル化、文化のグローバル化、人材のグローバル化など、色々なところで使用されている言葉ではありますが、中には「そもそもグローバル化って何?」と疑問符を浮かべている方も多いかと思います。何となくの理解でも十分な気もしますが、その言葉について深く理解することで、物事への理解も深まり、最終的にはビジネスの成功要素に繋がっていきます。
ここでは、気になるけれど人には訊けない「グローバル化」の定義や、そのメリット・デメリットについて解説しています。

グローバル化(グローバリゼーション)とは

普段何気なく使用している言葉である「グローバル化(グローバリゼーション)」。その意味は、「社会的・経済的に国や地域を超えて世界規模でその結びつきが深まること」です。ただし、このグローバル化に何を含めるかによって意味合いは変わってきます。

たとえば「経営のグローバル化」と言った場合は、国や地域を越えた経営状況の可視化を実施し、世界規模での経営戦略を立てることを指します。

グローバリゼーションが注目されるようになった背景

グローバリゼーションの動きが注目されるに至った背景には、主に以下の3つの歴史的技術革新があります。

・大航海時代の始まり
・鉄道や飛行機などの移動手段の増加
・インターネット技術の発達

最初のポイントとなったのは、16世紀ヨーロッパの大航海時代です。この時代には航海で人の移動、ものの長距離移動が可能になり、各国による貿易が盛んになりました。

さらに20世紀後半になると、鉄道や飛行機などの移動手段が充実するようになり、グローバリゼーションの動きはさらに加速しました。

そして現代におけるインターネット技術の発達は、グローバリゼーションの動きの急速化を確かなものにしたといえるでしょう。インターネットという通信手段を用いれば離れていてもパソコンやスマートフォンの画面を通じて、世界中の人と情報交換が可能です。

このインターネットの発達によって、国内だけでなく世界をターゲットとする事業は全世界で大幅に増加しました。現代にはさまざまなビジネスモデルがあり、ネット環境さえあれば成立するビジネスもあります。そのため、海を渡ることなく海外向けビジネスを成功させているパターンも、現代においては決して珍しくありません。

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グローバル化(グローバリゼーション)の影響

グローバル化(グローバリゼーション)はビジネスに対してどのような影響を与えるのでしょうか。

第一に考えられるのは、貿易の範囲が圧倒的に広がることです。グローバル化によって、企業は世界中の国々と取引を行えます。これは自国内の経済圏よりもはるかに大きな市場において、より多くの顧客や取引先を相手にビジネスを展開できることを意味しています。グローバル化による貿易範囲の拡張は、ビジネスに多くの可能性を与えてくれるのです。

そして、こうした貿易の拡大は生産性の向上に結びつきます。例えば、輸入の拡大によって生産活動に必要な原料や機械設備の選択肢が多くなれば、それに応じて生産体制を改善しやすくなるでしょう。また、海外から新しく技術や方法論を学んだり、海外企業との間で競争原理が働いたりすることも、生産性向上に結び付く要因です。

これらの影響を総合すると、「グローバル化は経済の活性化に寄与する」と結論付けられます。 

グローバル企業への変革に向けた経営とIT改革

グローバル企業への変革に向けた経営とIT改革

IDEC様は、人と機械が触れ合う接点となるHuman-MachineInterface(HMI)分野のリーディングカンパニーとして、各種制御機器製品や制御システムなどの開発、製造、販売に加え、多様な制御ソリューションの提案を行っており、欧州、米国、アジア、アフリカなどに販売・生産拠点を展開するグローバルカンパニーである。

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グローバル化と国際化の違い

グローバル化とよく似た概念に「国際化」があります。両者の違いは英語から考えてみた方が分かりやすいかもしれません。

グローバル(global)という英語は、「世界規模(worldwide)」に言い換えられます。これに対して「国際化」は英語で「internationalization」という単語で示されます。インターナショナル(international)は「国家間」を意味します。

つまり、「グローバル」が世界の国々をひとまとめにしたひとつのユニットとして捉える概念である一方で、「インターナショナル(国際化)」は、自国と他国の間に厳然と境界を引いた上で、相互に関係を築くことと捉えられるでしょう。

例えば、スポーツにおける国の代表チームを「ナショナルチーム」、代表チーム同士の試合を「インターナショナルマッチ(国際試合)」と呼称することはありますが、「グローバル試合」と呼ぶことは通常ありません。これはそもそもグローバルが国家や地域という枠組みを超えた概念であるからです。

グローバル経営とは

ビジネスにおけるグローバル化(グローバリゼーション)について語る際に欠かせないのが「グローバル経営」という言葉です。これは、海外進出した際、その国における文化や価値観などの多様性(ダイバーシティ)に対応した経営を行うことを意味します。

日本企業が海外に拠点を置くにあたっては、現地の組織や住民との関係構築が大きな課題になるケースも多いのではないでしょうか。異なる環境で生まれ育った人や組織と良好な関係を構築するには、こちらの価値観を押し付けるのではなく、お互いの文化や価値観の相互理解を深めることが大切です。

もちろん、たとえ国内に留まっていたとしても、海外の企業と取引をしたり、外国人の従業員を積極的に雇用したりするのであれば、こうした姿勢を取り入れることを念頭に置かなければなりません。

グローバル経営の詳しい内容については、下記の記事もご参照ください。

グローバル経営とは? 日本が抱える課題や海外進出を成功させるポイント

 

グローバル経営における課題

企業がグローバル経営を展開する際には、さまざまな課題に直面します。その中でも特に留意しておくべき財務会計と情報基盤の面における課題を取り上げて解説します。

迅速な財務会計

グローバル経営において重要な課題のひとつが、財務会計の迅速化です。海外の支社も含めて適切に経営状況を管理するには、財務会計をはじめとした経営データの取りまとめを効率化することが欠かせません。

一方で、迅速化を求める上でネックになりやすいのが会計システムの問題です。企業によっては、言語や通貨などが異なることから国内と海外とで別々の会計システムを使っている場合も多いかもしれません。しかし、支社ごとにばらばらの会計システムを利用していると、企業全体で情報を一元管理することに支障が出やすく、迅速に連結決算することも難しくなります。

そこで最近では、言語や通貨の異なる国でも共通して使えるように、多言語や多通貨に対応した「グローバル会計システム」を導入する企業が増えています。これによって、経営をグローバル化しても財務会計の一元管理が可能です。

情報共有基盤の整備

財務会計システムの構築と並んで重要なのが、情報共有基盤の整備です。グローバルに事業を展開するには、遠く日本から離れた海外拠点の情報も、詳細かつリアルタイムに知ることのできる環境を構築することが欠かせません。

Eメールなどによる定期的な連絡でもある程度の情報共有は可能ですが、そのような方法ではどうしても状況把握が遅れてしまいがちです。また、その質や内容も、報告者の資質に左右されてしまいます。したがって、グローバル経営において情報共有の迅速性や透明性を確保するには、ERPなどのITツールを導入し、情報共有基盤を全社的に構築することが重要です。

グローバル化(グローバリゼーション)のメリット

グローバリゼーションの動きは、ビジネス活動において多くのメリットをもたらします。ここからは、グローバリゼーションがもたらすビジネス上のメリットを具体的に挙げていきましょう。

商圏範囲の拡大

グローバリゼーションが加速することで、国内だけでなく海外に市場を移すことが可能となります。国内と世界全体では市場の規模そのものが違うため、圧倒的な規模を誇るマーケットでビジネスを進めることができる点はメリットです。

また、日本らしさを全面に出したビジネスは、海外で好まれる傾向が強いです。日本では当たり前のものでも海外では需要が高く、飛ぶように製品が売れるということも珍しくありません。

日本らしさ、日本の強みにこだわったビジネスを積極的に展開すれば、国内のみをターゲットとするよりもビジネスの成長速度を圧倒的に高められる可能性があります。実際にそういった商圏範囲の広さに魅力を感じ、日本らしさを推し世界でビジネスを成功させている国内の企業も数多くあります。

生産コスト削減

グローバリゼーションを意識して国内でなく世界をターゲットとすれば、生産コストの削減を前提としたうえでビジネスを進めることも可能です。

オフショアを活用すれば、国内と比べて圧倒的に安い人件費で高い利益を獲得することもできるでしょう。

また、人件費の安い途上国などに生産工場を置きビジネスを進めることは、その国との深い関わりを長期的に維持することにつながります。これは長い目で見れば大きなメリットとなります。

もしその国が発展を遂げて豊かになった場合、日本へのなじみ深さから日本製品を積極的に購入してもらいやすくなる、という可能性も考えられるでしょう。

新しい技術やビジネスの創出

グローバリゼーションを意識し海外でのビジネス展開を考えれば、結果として新たな技術、ビジネスモデルの発見などにつながることもあるでしょう。

例えば、海外を拠点として人材の発掘を行うことで、IT技術により明るく優秀な人材と出会える可能性も高まります。その人材が自社にとって新たな技術、ビジネス形態をもたらしてくれることも考えられるでしょう。海外における技術者の水準はハイレベルであり、情報技術者の優秀な人材を多く獲得できる可能性を考えたときに世界規模の視野は重要となります。

また、途上国の経済がやがて成長すれば、世界経済そのものが成長するというメリットもあります。結果として全世界的に生産性がアップするというメリットにも期待が持てるようになるでしょう。

グローバル化(グローバリゼーション)の課題

グローバリゼーションは新たなビジネスの可能性を模索するうえで大きなメリットがあると考えられますが、その反面、世界をターゲットとするがゆえの課題も多く指摘されています。ここからは、グローバリゼーションにおいて多くの企業が抱える課題をチェックしていきましょう。

生産性とのバランス

グローバリゼーションの課題として指摘される大きなポイントは、生産性とのバランスに大きく注意しなければならないという点です。

国内経済の安定化を図る目的で実施された経済政策は、実際のところ国内のみに影響を与えるわけではありません。自国の経済の安定化は図れても、場合によっては、他国に対して何らかの悪影響を及ぼす可能性もあります。

日本では、国と国で製品などをやり取りする貿易が盛んに行われています。例えばマイナス金利政策などを打ち出せば、金融緩和によって企業の利益率は一定的に底上げされるため安定化につながるでしょう。

しかしそれは裏を返せば、国内の雇用機会を損なう結果をはらむことになります。つまり生産性を向上させるにあたって、別の価値づけが遅れているという見方があるのです。

そのため日本は、生産性アップと為替変動のバランスを考慮する必要があります。グローバリゼーションの課題のひとつとしては見過ごせないポイントであるといえるでしょう。

グローバル人材の不足

グローバリゼーションを推進する際、深刻な問題・課題となるのは、やはりグローバル人材の不足です。世界をターゲットとしてビジネス活動を進めていくためには、基本的に高い語学力が必要となります。

辞書や自動翻訳機能だけでは限界があるため、語学力に関しては最低限英語で日常会話ができること、文化の違いにも対応できる柔軟なコミュニケーション能力を持っていることが重要です。

ちなみにTOEFLの国別スコアランキングを見てみると、日本人の英語力は163カ国中135位という低い順位です。アジア地域だけでみるとなんと30カ国中27位という結果が出ており、日本人の英語力の低さはグローバリゼーションを考えるうえで重大な課題となるのは明らかでしょう。

そのため、語学力のない従業員ばかりの企業が、一からグローバル化に対応した事業を展開しようとすることはハードルが高く、新たに人材を確保するにも苦労しやすいといえます。

ダイバーシティ環境の構築

グローバリゼーションを意識したビジネス展開には、ダイバーシティ環境の構築も重要です。というのも、国によって文化や価値観の違いがあり、その多様性を理解するダイバーシティの考え方に早い段階でなじんでいかなければ、グローバリゼーションを意識したビジネス展開は難しいでしょう。

多様性に対して「こうあるべき」「日本はこうだから」といった固定観念を強く持ちすぎると、ビジネスの現場で人間同士のトラブルに見舞われることも考えられます。

日本で生まれ育ち、日本の環境に深くなじんでいれば、ダイバーシティの考え方やその重要性に対してなかなか理解が深まらないことも珍しくありません。グローバリゼーションの動きの中でビジネスを変革させていくためには、ダイバーシティ環境の構築に対しても、これまでの常識にとらわれないことが重要となります。

まとめ

「グローバル化(グローバリゼーション)」は、全世界で加速する国や文化の垣根を超えた経済・政治などの発展を指します。現代のビジネスではグローバリゼーションを意識したビジネス展開が注目されており、実際に海外向けに新ビジネスを始めたり、これまでのビジネスに新たな要素を取り入れようと検討したりしている企業の担当者も多いでしょう。

実際にグローバリゼーションについては、IT化とともに多くの企業が重要性を認識し、時代の流れに伴った動きを意識する必要があります。

オラクル社で取り扱う製品は、グローバリゼーション・サポートの機能が充実しており、世界各地で同時にオラクル社の製品を導入することが可能です。選択したロケールに応じたコンテンツを、ユーザーの母国語で適宜表示することもできます。

グローバル化を意識したシステム導入をお考えの際には、オラクル社の製品導入をぜひご検討ください。

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