資金管理とは? 会社経営で知っておきたい基本とポイントを解説

 2021.04.13 

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「資金管理は大切というけれど、そんなに大切なのかな?」と疑問に思う方もいるでしょう。

資金管理は、企業経営を左右するといっても過言ではないくらい大切な業務です。今回は資金管理業務の概要や、財務と経理の違いについて解説します。また、資金管理を行ううえで重要なポイントや、資金管理の方法についても見ていきます。

さらに、資産管理にシステムを導入した場合のメリットも解説しますので「今後、資産管理業務のシステム化を考えている」という方も、ぜひ参考にしてください。

資金管理とは? 会社経営で知っておきたい基本とポイントを解説

基本・資金管理とは

ここでは「資金管理」と「資金」について解説します。資金管理とは企業が事業に必要な資金を準備し、管理することであり、「資金計画」と「資金統制」に分けられます。

「資金計画」とは、業務で必要とされる資金の予測と運用を行い、将来の収入と支出を考えることです。収入には、売上などの営業収入や配当金などの営業外収入、固定資産の売却益などの経常外収入などがあります。支出には、売上を上げるためにかかる営業支出のほか、営業外支出や経常外支出などがあります。

「資金統制」とは、資金計画に沿って資金を確保することです。計画どおりに収入と支出が発生したかどうかの確認も行います。

そもそも、会社経営における「資金」とは、どのようなものを指すのでしょうか?

資金は「運転資金」と「設備資金」に分かれます。
「運転資金」とは人件費や材料費、仕入費用など、企業活動に欠かせない費用の支払いに充てる資金のことです。一方で「設備資金」とは、土地や建物、機械の購入などに充てる資金を指します。

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基本・資金管理の業務とは?財務と経理の違い

資金管理業務において、財務と経理の役割は異なります。ここからは、資金管理における財務と経理の仕事について見ていきましょう。

資金管理における経理部門の主な仕事は、収支管理であり、事業活動におけるお金の流れを把握し、記録していきます。具体的な業務は、現預金管理や入出金管理、経費精算、帳簿記帳、税金申告、給与計算などです。

財務部門の主な仕事は、資金計画を立てて、資金を調達して管理することです。具体的な業務は、財務諸表(決算書)の作成や予算編成、資金調達、資産運用などで、銀行からの融資や株式発行などで、資金を調達します。

資金がショートすると事業活動がストップしてしまうので、非常に重要な業務といえるでしょう。会社によっては、財務部門がIRに関する業務を行うところもあります。資産管理における経理部門の仕事は日常的なお金の管理、財務部門の仕事は未来で使うお金の管理といえます。

上記は「経理部門」と「財務部門」における資産管理業務の内容ですが、会社によってはそれぞれの業務内容が違うところもあります。

経理部門は会社に欠かせませんが、財務部門は絶対に必要な部署ではないため、財務部門がない会社も珍しくありません。しかし、事業を大きくしていきたい企業にとっては、財務部門は不可欠です。

財務部門が立てる資金計画によって、経営戦略が大きく変わります。会社の成長に関わる大切な業務を行う部署なので、「事業を成長させたい」と考えているのであれば、力を入れるべきところです。

次項では、資金管理における重要なポイントについて解説します。

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資金管理の重要なポイント

資金管理を行うと事業のリスクを想定できるため、安全に経営を行うことができます。そのため、経営において欠かせない重要な業務といえるでしょう。では、どのようなポイントに気をつけて資金管理に取り組めばよいのでしょうか?

ここからは、資金管理において大切なことを3つのポイントに分けて説明します。

「期間別の計画」「実績の管理」「資金繰りとキャッシュフローを意識する」、これらを順番に見ていきましょう。

「期間別の計画」では、中長期計画と単年度計画の2つに分けて計画を立てることが大切です。中長期計画とは、3~5年程度の事業計画に基づいた資金計画を指します。利益が安定していても、在庫や設備投資などに多くの費用がかかると「黒字倒産」になる可能性があります。資金管理は、黒字倒産の危機を防ぐために必要な作業といえるでしょう。

単年度計画とは、中長期計画の中の1年間を月別の計画として表したものです。これを作成することで、資金ショートが予想される月に対して対策を講じられます。

「実績の管理」は、これまでの運営を分析していく作業です。作成した資料から、資金の増減や収入・支出の原因を解明していきます。資金計画の精度を上げることができるので、定期的に行うべき作業といえるでしょう。

「資金繰りとキャッシュフローを意識する」とは、どういうことでしょうか?「資金繰りとキャッシュフローは同じ」と思っている方は少なくありませんが、これらには明確な違いがあります。

「資金繰り」とは、経営上の資金の流れを管理することです。「収入と支出を管理し、収支の過不足を調整していくこと」と言い換えることができます。ちなみに、定期預金や貸付金、不動産などは資金とみなされません。すぐに支払いに使えるものではないので、資産として扱われます。

一方で「キャッシュフロー」とは、現金の流れを指します。気をつけなければならないのは、「将来入ってくるお金はキャッシュフローに含まれない」ことです。将来のお金の流れが「資金繰り」、現在のお金の流れが「キャッシュフロー」と考えるとわかりやすいでしょう。

資金繰りとキャッシュフローの違いを踏まえて、現在と未来のお金の流れを意識することが大切です。

資金管理の方法

ここからは、資金管理の方法について見ていきましょう。

資金管理において大切なのは実績を分析することであり、そのためには資料を作成する必要があります。では、どのような資料を作成すればよいのでしょうか?

実績を判断するうえで重要な資料として、「資金繰り表(資金移動)」と「キャッシュフロー計算書」が挙げられます。これらについて確認していきましょう。

  • 資金繰り表(資金移動)

資金繰り表とは、企業の資金繰りの実績・予定を記載する表のことです。こちらは、社外の人間が作成することはできません。

資金繰り表は、比較貸借対照表と損益計算書をもとに作成します。

集計するのは、売掛金や受取手形などの債権、買掛金や支払手形などの債務、現預金などです

一定期間のすべての現金収入と現金支出を分類して集計するため、経営の実態を数字として把握することができます。

  • キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書を使うと、どのように資金を調達したのかがわかります。キャッシュフロー計算書は、企業活動に伴う収入と支出を活動別に表すのが特徴です。区分は、営業活動・投資活動・財務活動の3つです。

上場企業はキャッシュフロー計算書の作成が義務付けられていますが、それ以外の企業は作成の義務はありません。資金繰り表とキャッシュフロー計算書を使って分析すると、現在と未来の資金の動きを把握・予想することができます。

資金管理のシステム化を考える

このように、資金管理は企業経営において非常に重要かつ不可欠なものです。資金管理は重要ですが、経理担当者や財務担当者にとって負担の大きい業務でもあります。正確さが求められるうえに、膨大な作業が必要になるため、できるだけ負担を軽減したいところです。

そこでおすすめしたいのが、資金管理業務のシステム化です。ここからは、資金管理システムの機能や導入することで得られる効果について見ていきます。自社への導入を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

資金管理のシステム化:機能

まず、一般的な資金管理システムの機能を確認しておきましょう。

基本的に「貸付金の管理」「有価証券の管理」「運用預金の管理」「資金繰り」ができるものが多いです。

  • 貸付金の管理

契約情報を入力すると、借入金の残高推移や返済計画表などを照会・出力することができます。

  • 有価証券の管理

残高推移や利回り情報などの照会・出力ができます。

  • 運用預金の管理

利息収入の見通しを照会できます。

  • 資金繰り

資金繰り表を作成し、将来の予測データも作成できるものが多いです。収支実績データを集計し、資金繰り実績表を作成することもできます。また、将来発生する収支予測データを登録・収集することで、資金繰り予測表も作成します。

上記の4点が、一般的な資金管理システムに搭載されている機能です。

Oracle Fusion Cloud ERPは、財務会計や管理会計、販売、購買、物流、人事など、企業活動におけるすべての業務をカバーしているため、自社の資金管理の仕組みを最適化できるでしょう。

資金管理のシステム化:効果

資金管理システムを導入すると、どのような効果を得られるのでしょうか?

結論からいうと、導入することで「見える化」「効率化」を実現できます。資金管理業務は複雑であり「担当者だけが業務を理解している」といった会社も少なくありません。そのため業務が属人化してしまい、担当者以外は何をしているのかわからず、業務内容が不透明になるケースがあります。

資金管理システムを導入すると業務がシンプルになるので、どのような業務を行っているか、周りの人がわかるようになります。これが「見える化」の効果です。また、システムが自動的に取引の仕訳を行うため、経理・財務担当者の負担が減ります。

企業によっては、経理担当者が多くの時間を記帳に費やしており、他の業務に充てる時間がないといった課題を抱えています。資金管理システムを導入すれば担当者の負担が減り、生産性が向上します。これが「効率化」の効果です。

Oracle Fusion Cloud ERPを導入すると、「見える化」「効率化」の効果がさらに高まるでしょう。すでに多くの企業が成果を上げているため、おすすめです。

まとめ

資金管理は、企業活動において非常に重要です。資金管理を適切に行えば、企業のリスクを想定できるため、安全に経営を行うことができます。

しかし、資産管理には相当な労力が必要です。手作業で行うと、ミスが起こりやすくなります。そこでおすすめしたいのが、資金管理システムの導入です。「見える化」「効率化」が進むので、売上や利益の拡大に貢献するでしょう。

Oracle Fusion Cloud ERPは、財務会計や管理会計、販売、購買、物流、人事など、企業活動におけるすべての業務をカバーしています。

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