近年、企業にとっては基幹業務の統合管理に「ERP」が欠かせなくなっています。本記事では、大手会計ソフトウェアメーカーのOBCが開発・販売しているSaaS ERP「奉行V ERPクラウド」の特徴やメリット、おもなサービスや機能などについて紹介します。クラウドERPの導入をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
ERP「奉行V ERPクラウド」とは?
「奉行V ERPクラウド」は、大手会計ソフトウェアメーカーOBC(株式会社オービックビジネスコンサルタント)が2022年11月にリリースした、おもに中堅・成長企業向けのSaaS ERPです。SaaS(Software as a Service)とは、サービスとしてのソフトウェアを意味し、ERP(Enterprise Resources Planning:企業資源計画)とは、企業の経営資源を効率的に一元管理するシステムのことです。日本語では統合基幹業務システム、あるいは略して基幹システムなどと呼ばれることもあります。
同社は「勘定奉行」をはじめとした、中小企業向けの業務パッケージ「奉行11」シリーズで知られますが、バックオフィス部門でサービスやデータが連携できていないことがDX推進の課題であると考え、この課題を解決するために開発したのが「奉行V ERPクラウド」です。
「奉行」シリーズには、「奉行V ERPクラウド」や「奉行11」シリーズのほかにも、「奉行11」シリーズのクラウド版ともいえる「奉行クラウド」シリーズ、定型業務プロセスの改善に特化した「奉行クラウドEdge」シリーズなどがあります。
ERPについて詳しくは、以下の関連記事をご参照ください。
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奉行V ERPクラウドの特徴
「奉行」シリーズで累計72万社への導入実績を誇るOBCが新たにERP市場に投入した「奉行V ERPクラウド」では、業務の生産性向上を図るためのアプリケーションをクラウドサービスとして利用できます。本製品には、下記のような特徴があります。
- 企業の基幹業務から個々の従業員が行っている業務まで幅広く対応する
- 自社の業務に必要な機能を選択して利用できる
- さまざまなサービスとの連携が可能
- 最新のテクノロジーが採用されている
企業の業務内容や規模の変化に応じて、機能を柔軟に拡張することが可能です。
参照元:導入実績|奉行シリーズでIPOを実現|【勘定奉行のOBC】
オービック製ERP「OBIC7」と「奉行V ERP」の違い
「奉行V ERP」の開発元が株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)と聞いて、「それは社会人アメフトをスポンサードしているオービックとは違うの?」と思われた方も少なくないはずです。実はOBCは、オービックグループに属する企業です。株式会社オービックの関連会社(持分法適用会社)であり、両社には資本関係があります。ただし前述の通り、事業内容はOBCがおもに中小企業向けに業務パッケージを開発・販売しているのに対し、オービックではシステムインテグレーション、システムサポート、オフィスオートメーションといった基幹業務システムをおもに中堅企業向けに開発・販売している点が異なります。
オービックでも、ERPソリューションとして「OBIC7」を提供しています。両者のクラウド版である「OBIC7クラウド」とOBC「奉行V ERPクラウド」を比較すると、下記のような違いがあります。
- 「OBIC7クラウド」では、提供されるソリューションが業界別・業種別・部門別で細分化されており、拡張への柔軟性がより高い
- 「OBIC7クラウド」で提供されるクラウド環境は顧客個別の「プライベートクラウド」であり、よりセキュリティが強固である
OBIC7についての詳細は、関連記事でご覧ください。
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奉行V ERPクラウドを導入するメリット
「奉行V ERPクラウド」は、「幅広い業務データを集約できる」「短期間で導入できる」「段階的に導入できる」「セキュリティ性能が高い」といったメリットを、導入する中堅・成長企業にもたらします。
幅広い業務データを集約できる
「奉行V ERPクラウド」は、幅広い従業員業務に対応します。具体的には、会計などの経理・財務担当業務から、人事管理や勤怠管理などの人事労務・総務担当業務、販売管理や仕入・在庫管理といった業務担当業務、さらにはシステム連携することにより名刺管理などまでに対応します。そして、このような業務のデータを「奉行V ERPクラウド」に集約して管理することが可能です。
短期間で導入できる
その名の通り、クラウドサービスであることから、自社でサーバーを構築する必要はありません。業務に必要な装備はすべてクラウド上に揃っており、短時間で導入することが可能です。導入する際に必要なのは「奉行V ERPクラウド」にアクセスするための環境だけです。
段階的に導入できる
「奉行V ERPクラウド」では、自社に必要なサービスのみを選んで導入することが可能です。たとえば、とりあえずERPを試してみたいのであれば、一部の業務だけを「奉行V ERPクラウド」上で行うこともできます。もちろん、企業の成長にともなって、必要なサービスを拡張することも簡単です。
セキュリティ性能が高い
「奉行V ERPクラウド」は、Microsoft Azureを用いて業務データを管理・運用しています。Microsoft Azureは、世界140か国、2,000万以上の企業で利用されており、非常に信頼性の高いサービスです。Microsoft Azureは、24時間365日の運用監視、定期的な脆弱性診断、ファイアウォールやWAFの設置などで万全なセキュリティ対策を取っています。さらに企業の業務データは、日本国内のデータセンターに三重化されたうえでバックアップされており、安心して利用できます。月間稼働率99.9%が保証されている点も企業にとっては大きな安心材料です。
奉行V ERPクラウドのおもな機能
前述した通り、「奉行V ERPクラウド」では、会計から販売管理、人事労務までの幅広い業務に対応します。ERPとして各業務に対応した「財務経理部門 会計業務」「販売・購買倉庫部門 販売管理業務」「人事総務部門 人事労務業務」コアが存在し、各コア内では、さらに細分化された個別の業務ごとのサービスが用意されています。
会計
統合的な会計管理と、経費精算などの業務とを連携させることにより、効率的な会計基盤を構築できます。財務会計・管理会計、債権債務管理、固定資産・リース資産管理、個別原価管理をスピーディに把握・実行できるほか、会計データの分析や出力、支払調書の作成やマイナンバー関連業務、税務申告業務などにも対応します。多通貨会計にも対応し、外貨建取引なども迅速に処理できます。
クラウドサービスとしては以下のものが該当します。
- 勘定奉行V ERPクラウド
- 債権奉行V ERPクラウド
- 債務奉行V ERPクラウド
- 固定資産奉行V ERPクラウド
- 申告奉行V ERPクラウド
販売管理
さまざまな業種の販売管理関連業務の品質改善につながるサービスを有しています。販売管理、仕入・購買管理、入出荷・在庫管理の各業務に対応し、販売・仕入・在庫データの分析も行えます。
クラウドサービスとしては以下のものが該当します。
- 商蔵奉行V ERPクラウド
人事労務
総務・人事・労務業務を標準化し、さらに労務管理や人事評価などのデータをクラウド化することによって、人事管理関連業務の効率化を支援します。人事情報の一元管理はもちろん、給与計算や勤怠管理などに対応しており、給与明細や各種申請・申告書の電子化も可能です。労務リスク対策として欠かせない、従業員のメンタルヘルスケア機能も利用できます。
クラウドサービスとしては以下のものが該当します。
- 給与奉行V ERPクラウド
- 総務人事奉行V ERPクラウド
- 奉行 勤怠管理クラウド
まとめ
「奉行V ERPクラウド」は、豊富な業務パッケージ導入実績をもつOBCが、長年の経験と最新のテクノロジーとを融合して開発したSaaS ERPです。中堅・成長企業の課題解決を強力に支援してくれるERPであり、今後の成長を見据える企業であれば、導入を検討すべき製品のひとつに挙げられます。
以下のページでは、ERPの比較資料を無料でダウンロードできます。「奉行V ERPクラウド」を含め、ERPの導入を検討しているのであれば、ぜひ、目を通してみてください。
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