業務プロセスの可視化とは?メリットや方法・ポイントを解説

 2022.07.08 

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DXや働き方改革など業務改善に着手する企業が増えている昨今ですが、こうした取り組みを進めるためには、第一に業務プロセスの可視化が欠かせません。そこで本記事では、業務を可視化する意味やその重要性、メリットなどを解説します。可視化の方法や、その際に役立つITツールなどもあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

業務プロセスの可視化とは

そもそも業務プロセスの可視化とは、何を意味するのでしょうか。一言で言えば、業務の工程やその流れに関わる一切の情報を、不明な部分がないように明らかにする取り組みです。具体的には、「誰が」「いつ」「何を」「どこで」「どうやって」その業務を遂行するのかといった情報を、表やフローチャートなどを用いて視覚的にわかりやすく示します。

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業務プロセスの可視化の重要性

ビジネスにおいて、なぜ業務の可視化は重要なのでしょうか。その第一の理由は、「透明性を確保するため」です。可視化が行われていないと、どの業務が誰の責任で行われているのかが曖昧になってしまいます。また、各従業員がどのような仕方で業務を進めているのかわからないと、上司のマネジメントは難解になり、仕事を引継ぎしたり、従業員間でサポートし合ったりすることも簡単にできません。

第二の理由は、「業務改善を行う際の下準備になるから」です。昨今、DXや働き方改革など、業務改善に取り組む企業が増えていますが、効果的な改善を行うためには、必要な改善点を見つけなければいけません。この点、業務プロセスを表などにまとめて可視化することで、従来は見過ごされていた無駄などにも気づきやすくなり、的確な改善を行う足がかりになります。

第三の理由は、「業務プロセスを標準化するため」です。業務品質を組織としてそろえるためには、各従業員が好き勝手なやり方で作業している状態は避けなければなりません。そのためには業務マニュアルなどを作成することが有効ですが、可視化はそのマニュアルを作成するための材料にもなります。業務マニュアルが整備されることで、「この業務はこのように進めるのだ」と従業員の認識が統一され、業務の標準化を促進できます。

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業務プロセスの可視化のメリット

可視化によって企業はさまざまなメリットを得られます。プロセスの全体像が明確になったり、属人化の解消につながったりなど、企業の生産性を改善させる上でも効果的です。

全体像が見える

最初に挙げられるメリットは、業務プロセスの全体像が見えるようになることです。業務の細分化・専門化が進む昨今、自分の担当領域の業務は把握できていても、それ以外のことについてはほとんど把握できていないことも珍しくありません。この点、可視化をすることで、業務の全体像が把握できるようになります。その結果、たとえば同じ作業を別の場所で重複して行っていたなど、従来の視点では見過ごしていた無駄にも気づきやすくなります。

属人化を改善できる

二つ目のメリットは、業務の属人化を改善できることです。可視化ができていないと、個々人がどのような手順や仕方で担当業務を遂行しているのかがわかりません。こうした状態が深刻化すると、「この業務は担当者にしかわからない」という業務の属人化が生じてしまいます。しかし、業務を可視化し、業務マニュアルを作成・共有すれば、各従業員で業務内容の共有や見直しが可能になり、属人化が起きにくい環境を構築できるでしょう。

担当業務の再認識ができる

三つ目のメリットは、各従業員が自分の担当業務への理解をより深められることです。自分の担当業務内のことしか知らなければ、組織全体の枠組みにおいて、自分の仕事がどのような役割を果たしているかも十分にわかりません。その点、可視化を通して、自分の業務がどのような仕組みでどのような利益を自社にもたらしているのかを体系的に理解できれば、仕事のモチベーションを高めることが可能です。

業務プロセスの可視化の方法

では、実際に業務の可視化をするにはどうしたらよいのでしょうか。可視化に取り組むときには、以下に解説する流れや方法を理解しておくと効率的に実施できます。なお、その際の根本的な前提として、「可視化を通してどのような課題を解決したいのか」など、可視化を行う目的とゴールを明確にしておくことが大切です。

1. 業務プロセスを抽出する

最初のステップは、可視化すべき業務内容を抽出することです。各現場責任者や担当者にヒアリングし、作業内容、作業の目的とゴール、必要なツール、所要時間、所要工数、作業頻度、注意点、現状の課題などをリストアップしていきます。

2. 業務フローやマニュアルを作成する

次のステップは、業務フローやマニュアルを作成することです。先のヒアリングシートを基にして、各業務における工程などの情報を図やフローチャートなどで視覚的にわかりやすく取りまとめましょう。その後、可視化したものをさらに業務マニュアルへと落とし込み、業務の標準化が促進されるように従業員間で共有します。

業務プロセスの可視化のポイント

業務を効果的に可視化するためのコツとしては、次のポイントが挙げられます。どの方法も覚えておくと、より実行力のある改善策に取り組めるでしょう。

図や表を利用する

可視化をする際には、図や表などを利用しましょう。単純に文字が羅列されているだけでは、全体像が把握しづらく、各業務のつながりなどが理解しきれないおそれがあります。したがって、誰が見ても業務の全体像がわかるように、スキルマップやフローチャート、プロセスマップなどを活用して、視覚的にわかりやすく示してください。

業務プロセス可視化ツールを導入する

可視化を行う際には、業務プロセス可視化ツールの導入がおすすめです。可視化作業は表計算ソフトでもできます。しかし、業務の可視化に特化した専門のツールは、フローチャートなどの作成はもちろん、仕事の進捗状況を確認したり業務完了までの時間を計測したりと、可視化作業に役立つ機能が数多く搭載されています。

こうしたツールを使えば、営業業務・経理業務・法務業務など、さまざまな業務のフローを効率的に可視化し、その問題点などを分析できます。製品選びの際は、使いやすさ・費用・機能などを十分に考慮した上で選定しましょう。

KPIを活用する

KPIの設定・活用を行うことも重要です。KPIとは日本語にすると「重要業績評価指数」を意味しており、目標の達成度を計測するために用いられます。業務プロセスの可視化は、業務改善などを行うためのスタート地点に過ぎません。可視化によって特定された課題を実際に解決することこそが真のゴールです。

KPIの設定は、このゴールに向けた進み具合を客観的に確認するために重要です。業務改善におけるKPIとして、たとえば業務時間、残業時間、成約率、リピート率などが挙げられます。こうしたKPIを業務プロセスごとに設定することで、何が課題なのかを明確にし、施策の効果や妥当性を適宜確認しながら業務改善を進めることが可能になります。

まとめ

業務プロセスの可視化とは、業務の工程やその流れを視覚的に明らかにする取り組みです。可視化に際しては、誰もが業務の全体像を把握できるように、図や表などを用いてわかりやすく業務フローを示すことが重要です。
業務プロセスを可視化したら、次はそこで明らかになった課題を解決していかなければなりません。業務改善を実際に行うための方法としておすすめしたいのが、「クラウドERP」の導入です。ERPは独立している業務システム間の連携を可能にするITプラットフォームです。ERPを導入することで、組織のシステム基盤を統合し、全社的に足並みをそろえて業務改善を進めやすくなります。

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