貸借対照表(BS)とは?見方や損益計算書との違いを解説

 2022.05.13 

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企業の経理業務に携わっていなくても「貸借対照表」「損益計算書」などの会計用語はよく耳にする用語です。一方で、耳にはするが具体的にどういったものなのか把握していないという方も多いでしょう。本記事では、貸借対照表の概要や要素、見方などを詳しく解説していきます。企業の管理職の方はもちろん、企業で働くうえで知っておくべき内容ですので、ぜひご覧ください。

貸借対照表(BS)とは?見方や損益計算書との違いを解説

貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)の違いとは?

会計用語としてよく耳にする「貸借対照表」と「損益計算書」にはどのような違いがあるのでしょうか。下記でそれぞれの特徴を詳しく解説していきます。

貸借対照表(BS)とは

貸借対照表とは、企業のある時点(決算日など)の財政状態をまとめた表のことを指す言葉です。別名「バランスシート(BS)」とも呼ばれています。貸借対照表を見ることで、企業の資金調達や資金運用などの状況が一目で把握できるのが特長です。

上場企業の場合、貸借対照表の開示が義務付けられています。一方で中小企業であっても、決算の際には貸借対照表を作成する必要があるという点は覚えておきましょう。なお、貸借対照表に計上しなければならない取引のことを「オンバランス取引」と呼びます。対して、計上されない取引のことを「オフバランス取引」と呼びます。

損益計算書(PL)とは

損益計算書とは、会計期間における企業の収益と費用、利益の関係をまとめた表のことです。別名「プロフィット・アンド・ロス・ステートメント(PL)」とも呼ばれています。当期の総売上高を一番上に転記して、そこから「営業外費用」「特別損失」「法人税等」などを差し引き、最終的に企業の当期純利益を求めます。なお、損益計算書を見ることで、企業の業績状況を一目で判断できるようになっているのが特長です。

貸借対照表が「ある一時点」の企業の財政状態を表しているのに対して、損益計算書は「ある一定期間」の企業の経営成績を表しています。この点が大きな違いといえるでしょう。

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貸借対照表(BS)の要素

では、貸借対照表にはどういった要素があるのでしょうか。下記で三つの要素についてそれぞれ解説していきます。

資産の部

貸借対照表の借方(左側)に計上される資産の部には、企業の1年以内に現金化が可能な「流動資産」と長期にわたって企業が所有することになる「固定資産」があります。流動資産は「現金及び預金」「受取手形」「売掛金」「前払金」「商品」などのことです。

一方で、固定資産には、建物や機械などの「有形固定資産」や、意匠権、実用新案権などの「無形固定資産」などがあります。また、有価証券を含めた「投資その他の資産」が含まれることも覚えておきましょう。なお、企業の資産はこれから解説する負債と純資産を合計することで求めることが可能です。

負債の部

貸借対照表の貸方(右側)に記載される負債の部には、企業の1年以内に返済しなければならない「流動負債」と1年以上かけて返済していく「固定負債」があります。流動負債は「買掛金」「未払金」「支払手形」「短期借入金」「前受金」「未払税金」などのことです。

一方で、固定負債としては「社債」「長期借入金」「長期前受け収益」「退職給付引当金」などが挙げられます。負債は別名で「他人資本」といわれることもあります。

純資産の部

貸借対照表の貸方(右側)に記載される純資産の部には、企業の所有者の元手および社内留保する利益(資本金)などがあります。分かりやすく表現すると、純資産は資産から負債を引いた金額のことです。なお、純資産には株主資本と株主資本以外があることを覚えておきましょう。株主資本には「資本金」「資本準備金」「利益剰余金」「自己株式」などが含まれます。

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貸借対照表(BS)の見方

貸借対照表の概要を理解できたところで、次は見方について紹介していきます。貸借対照表の数値を用いてさまざまな指標を算出することで、企業の状態を判断する助けにもなります。そのため、しっかりと内容を理解しておきましょう。

自己資本比率

自己資本比率は、安全性に関する指標として分類されており、確認することで企業の土台が把握できるものです。なお、自己資本比率は下記の計算式で求めることができます。

自己資本比率=自己資本÷総資本×100%

自己資本比率は、企業の返済する必要のない資本比率を表すものであり、値が大きければ大きいほど負債への依存度が低いことが分かります。一方で、自己資本比率が低ければ低いほど、その企業が不安定な経営であることが判断できるでしょう。また、世間一般では自己資本比率が40%以上であれば倒産しづらい企業、50%以上であれば超優良企業だと考えられています。

ただし、自己資本比率が高くても完全に安心できるわけではありません。他の指標も併せて確認しておくことが重要だといえるでしょう。

流動比率

流動比率についても、安全性に関する指標として分類されているものです。企業の支払い能力を判断することができます。流動比率の計算方法は下記の通りです。

流動比率=流動資産÷流動負債×100%

流動比率は、1年以内に支払い義務が発生する流動負債に対して、短期的に現金化できる流動資産の比率を示すものになるので、値が大きければ大きいほど、短期的な支払い能力が高いといえます。一方で、流動比率が低ければ低いほど、企業の短期的な支払い能力が低いということが判断できます。なお、世間一般では流動比率の目安は、130%~150%以上で、200%がよいと考えられています。ただし、こちらに関しても流動比率だけを見るのではなく、他の指標も確認しておくことが大切です。

当座比率

当座比率も同様に、安全性に関する指標として分類されているものです。当座資産をもとに企業の支払い能力を判断することができます。当座資産とは「現金・預金」「売掛金」「短期で現金化できる有価証券」などのことです。なお、当座比率は下記の計算式で求められます。

当座比率=当座資産÷流動負債×100%

なお、流動比率の場合、当座資産だけではなく「棚卸資産」や「その他の流動資産」などを含めるため、より厳格に企業の支払い能力を確認したいときに当座比率が必要となります。

当座比率は100%以上であることが好ましいとされており、値が大きければ大きいほど短期的な支払い能力が高いといえます。一方で、当座比率が100%を下回っている場合は、企業の安全性が低いと判断できるでしょう。また、流動比率が高くなっているのにも関わらず、当座比率が低い場合は、過剰在庫になっている可能性が考えられます。

まとめ

貸借対照表の概要や要素、見方などを解説してきました。貸借対照表を見ることで、企業の財政状態を判断できる他、さまざまな指標から値を算出することが可能です。そのため、企業の経理業務に携わっている方だけではなく、より多くの方が理解を深めていく必要があるといえるでしょう。

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