アフターサービスとは何か?他社との差別化を果たす理由や実践例

 2022.07.14 

  【2024年12月10日開催】Oracle NetSuite 体験会

昨今、カスタマージャーニー全体における顧客体験の重要性が認知される中、アフターサービスの充実に取り組む企業が増えています。そこで本記事では、そもそもアフターサービスとは何かという基本的な定義からはじめ、現代のビジネスにおけるアフターサービスの重要性やメリットについて解説します。業界ごとのアフターサービスの事例についても紹介しますので、アフターサービスの充実を検討中の方はぜひご覧ください。

アフターサービスとは

アフターサービスとは、商品やサービスの購入後に顧客に提供されるあらゆるサービスのことです。カスタマーサポートと言い換えられることもありますが、正確に言えばカスタマーサポートには商品購入前のサービスも含まれるので、アフターサービスとカスタマーサポートは完全に同一のものではありません。

アフターサービスは、商品を顧客に提供している小売業者やメーカーのほか、サードパーティのコールセンターなどによって運営されている場合もあります。アフターサービスの代表例は、保証期間内に不具合の発生した商品の無償修理や、返品・交換対応、商品の使い方に関するレクチャーなどです。これまでのアフターサービスは「壊れたら修理する」という考え方が主流でしたが、最近ではカスタマーサクセスの観点から、「壊れる前に予防する」という考え方をする企業が増えてきています。

New call-to-action
New call-to-action

アフターサービスの重要性

今日ではアフターサービスの提供は珍しいものではなく、独自のサービスを提供する企業も増えてきています。では、なぜ現代のビジネスにおいてそれほどアフターサービスは重要視されているのでしょうか。続いては、アフターサービスの重要性を解説します。

製品に高付加価値をつける

アフターサービスの重要性その1は、製品に高い付加価値をつける必要性が高まっていることです。大量に類似の製品・サービスが溢れている昨今、製品そのものの内容によって競合他社との差別化を図ることは非常に難しくなっています。価格競争に勝とうと価格設定を無制限に下げていくわけにもいきません。そのため、現在の企業は製品の内容や価格面で勝負するのではなく、それ以外の部分で他社との差別化ポイントをつくり、自社の製品に高付加価値をつける考え方に移行しつつあるのです。アフターサービスを重視する企業が増えてきたのは、まさにこうした背景に理由があります。

顧客満足度を向上させる

アフターサービスの重要性その2は、顧客満足度を向上させることです。昨今の顧客は、アフターサービスはあって当然のものと考えており、商品購入の判断基準としてアフターサービスの充実度を重視する人も増えています。商品の不具合は通常ならマイナスポイントですが、そこで迅速かつ適切にアフターサービスを提供することで、むしろ顧客からの信頼を勝ち取れる可能性もあるでしょう。顧客満足度を高める上で重要なのは、「顧客はアフターサービスに何を望んでいるのか」を明確にした上で、その要求を満たすような形でトラブル対応できる体制を構築することです。

リピーターを獲得する

アフターサービスの重要性その3は、リピーターを獲得することです。上記の顧客満足度の向上は、リピーターの獲得につながります。「もしも商品に不具合があっても迅速に修理や交換をしてもらえる」と感じることで、顧客はその企業の商品を安心して継続購入できるでしょう。また、商品の使用法などに関して丁寧なレクチャーをアフターサービスとして行うことで、顧客はその商品の性能をフルに引き出すことが可能になり、結果その商品に対する評価を高めることになります。リピーターを増やすためには、CRM(顧客関係管理)を実施し、それぞれの顧客への対応をパーソナライズすることもポイントです。

既存客から優良顧客へ変える

充実したアフターサービスの提供は、顧客からの信頼を積み重ね、既存顧客を優良顧客へと育成していくための鍵にもなります。優良顧客とは、高額な商品購入や、継続的な商品購入などによって、会社の売上に大きく貢献してくれる顧客のことです。優良顧客は企業ないしはその商品・サービスに対して強い愛着や信頼を寄せているため、こちらから積極的に営業をかけなくても自発的に購入を継続してくれます。また、周囲の人やSNSなどにその商品の好意的な意見を発信してもらえる可能性もあるでしょう。アフターサービスの究極的な目標は、まさにこの優良顧客の育成にあると言っても過言ではありません。

[RELATED_POSTS]

アフターサービスの例

一口にアフターサービスと言っても、その具体的な取り組みは業界ごとにさまざまに分かれます。そこで以下では、業界ごとのアフターサービスの例を解説します。

製造業

製造業におけるアフターサービスとしては、主に以下のような例が挙げられます。

  • 製品の据付・調整
  • 消耗品の補充および部品の修理交換
  • 製品の保守・点検
  • 製品のモニタリングや最適化の支援
  • リース、保険、保証
  • 顧客とのリレーション(関係づくり)

製造業においては、これらのアフターサービスを通して、顧客が製品を継続的かつ快適に製品を利用し続けられるように努めます。特に企業が業務に利用する製品は、故障や不具合によって業務に支障が出ることから、「壊れる前に予防する」という姿勢に基づくアフターサービスの提供が非常に重要です。

建設業

建設業におけるアフターサービスとしては、主に以下のような例が挙げられます。

  • 設備の不具合対応
  • 設備機器の取扱説明
  • キッチンや洗面室といった水回りの点検補助
  • 1年点検などの定期的なアフターフォロー
  • お手入れのアドバイス
  • 今後の不具合等でのアドバイス

住宅などの建造物や施設は、数十年に渡って顧客が利用し続けるものです。したがって、それらを手掛ける建設業は、他の業界と比べて長期スパンでのアフターサービスが要求される業界と言えるでしょう。ここで信頼を勝ち取れば、修理工事などに加え、リノベーションやリフォームなど次の大きな仕事に結びつく可能性もあります。

ERPとCRMの連携で効率的なアフターサービスを

効率的なアフターサービスを行うには、ERPとCRMを連携させるのがおすすめです。ERPとは「統合基幹システム」の略で、企業が保有する情報を一元管理するためのITツールを指します。対してCRMとは、「顧客管理システム」の略で、顧客情報の管理に特化したソリューションです。CRMはSFA(営業支援システム)で代用されることもあります。

たとえば、アフターサービスで顧客先を訪問した際に、必要な部品の在庫状況を把握したくなったとしましょう。しかしCRMは顧客関係の情報を管理するだけなので、こうした際には役に立たず、他の業務システムに照会する必要があります。しかも、他のシステムに照会した後で、次に訪問する際には何の部品を持ってくる必要があるか、今度はCRMなどに入力しておかなければならないかもしれません。

その点、ERPとCRMをあらかじめ連携させておけば、顧客情報と在庫状況を統一されたプラットフォーム上で参照可能になります。これにより複数のシステムを横断する手間が不要になるため、顧客向けの業務プロセスを効率化できるのです。アフターサービスで余計な手間や時間を削減できれば、顧客対応もスムーズになり、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

まとめ

製品そのものの内容や価格による競合他社との差別化が難しくなった昨今、アフターサービスの充実は商品の付加価値を高める手段として重要になってきています。アフターサービスを効率的に顧客へ提供するには、ERPとCRMを連携させることが効果的です。オラクル社が提供するクラウドERPソリューションは、CRM機能も搭載しています。オラクルのクラウドERPを導入し、アフターサービスの効率化に取り組んでみてはいかがでしょうか。

クラウドERPの「6つのメリット」と「注意点」

RECENT POST「ERP」の最新記事


ERP

SAPの2027年問題とは? 対応策や必要な備えなどについて解説

ERP

NetSuiteとSAP: ERPソリューションを比較する

ERP

「ZAC (ザック)」とは? オロ製クラウドERPについて特徴や機能を解説

ERP

勘定奉行のERPとは? 特徴や機能、導入メリットなどを紹介

アフターサービスとは何か?他社との差別化を果たす理由や実践例
わかりやすいマンガ形式で解説!会計ソフトの選び方まるわかりガイド
ビジネスでの時間不足を解消する3つの方法

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング

New Call-to-action