海外進出先の国ランキングからみる傾向について

 2019.06.11 

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昨今、国内企業の海外進出は例を見ないほど活発化しており、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックが大きな追い風になっていることが考えられます。実際に、国内企業の海外進出活発化はさまざまなデータから読み取れます。本稿では、JETRO(Japan External Trade Organization:日本貿易振興機構)や外務省などが公表しているデータをもとに、海外進出先国のランキングから見る海外ビジネスに傾向についてご紹介します。

海外進出先国のランキング

それではさっそく、JETROが実施したアンケート調査から海外進出国ランキングをご紹介します。

  • 1位.中国
  • 2位.タイ
  • 3位.米国
  • 4位.ベトナム
  • 5位.台湾
  • 6位.シンガポール
  • 7位.インドネシア
  • 8位.香港
  • 9位.西欧(英国を除く)
  • 10位.韓国
  • 11位.マレーシア
  • 12位.インド
  • 13位.フィリピン
  • 14位.英国
  • 15位.メキシコ
  • 16位.オーストラリア
  • 17位.ミャンマー
  • 18位.ブラジル
  • 19位.中・東欧
  • 20位.カナダ

※有効回答数3,385件、うち海外拠点がある45.1%の企業

引用:2018年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(ジェトロ海外ビジネス調査)結果概要

中国・米国に関しては依然から海外進出先国としてトップにありますが、近年ではそこにタイが上位にランクインしています。なぜ、多くの企業がタイに海外進出しているのでしょうか?

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タイに海外進出する魅力とは?

1.産業の集積地

タイでは自動車産業をはじめ、電気・電子産業、コンピューターなどの工業製品の製造比率が高く、「世界の工場」とも呼ばれています。中でも自動車産業はASEAN地域での最多生産台数を誇りっており、2010年に発効したAFTA(ASEAN自由貿易地域)によってタイの位置づけが大きく変化したことで、世界市場に向けた輸出拠点としてタイを選択する国内企業が増えました。

2.ASEANのハブ

タイは地政学的に優位にある立地です。周辺の国々との分業が活発であり、東アジアは点を見据え、タイ周辺国を一体として捉えた海外進出も盛んになりました。2014年にはタイ・ベトナム・カンボジア・インドネシア半島の南部地域を統制院つなぐ陸路である「南部経済回廊」が整備されたことで、タイを中心に東南アジアの物流環境が改善されています。

3.親和性

タイ国内には約10万人の日本人がいるといわれており、日本食レストランの数は1,700店舗以上ともいわれております。世界で最も日本食レストランの比率が高く、タイの都市部には日本食スーパーも多く揃っています。医療設備も整っていることから、日本人駐在員の環境としても廻ら恵まれているのです。

4.ビジネスパートナーの歴史

タイ王室と皇室との交流の歴史は600年にもわたり、長い間良好な関係を維持しています。また、日本とタイは大規模な戦争をしたことがないことから歴史的な反日感情も少なく、日系現地法人や合併事業のビジネスパートナーとして最適です。さらに、日本とのビジネスの経験値が多い国であり、ビジネス環境にも恵まれています。

5.投資優遇制度

タイ政府では日本等の諸外国の協力や、民間資本の参入を得て道路・電力・通信・港湾・空港島のインフラ整備へ積極的に取り組んできました。高速道路や空港、発電所等の開発が進み、インフラ未整備状況は解消に向かっています。自国産業保護の観点から外国人事業法等による外資規制がある一方で、外資参入により産業を育て、メリットになると判断される従業な業種については投資推奨をしています。

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国内企業が海外進出する大きな2つの理由

国内企業が海外進出するにあたり、考えられる大きな理由は2つあります。

自社の商品およびサービスを開発・販売する市場として進出する

国内市場の飽和状態を受けて、海外市場にビジネスチャンスを見出す国内企業が増えています。日本製品は世界から「Made in Japan」ブランドとして高い評価を受けていることもあり、海外市場に製品を投入する基盤が整えられています。さらに、近年ではECサイト事業が活発になっていることから、海外市場をターゲットとして「越境EC」が盛んになっており、海外市場に向けた参入障壁が以前よりも低くなっています。

自社の商品およびサービスの生産代替先を移転するために進出する

利益率を向上するための取り組みとしてオフショア活用が盛んになっています。国内よりも賃金水準が低い国を生産拠点にすることで、人件費削減を実現し、製品1個あたりの原価を低減します。生産拠点の移転先としてタイを選択する企業も多く、国内生産と同水準の品質を維持することも可能です。ただし近年では、海外現地生産拠点における労務管理が問題になっていることも多いため、生産委託元企業として労務状況をしっかりと把握しておくことも大切です。

タイ以外の海外進出先国について

中国

長年、国内企業の進出先国としてトップの中国では人口13億人強という世界1位の人口による、豊富かつ安価な労働力をベースにした世界の向上として位置づけられています。さらに、世界2位のGDPによって支えられる世界最大のマーケットであり、国内企業にとっては自社商品やサービスを展開する市場でありつつ、自社商品やサービスの生産代替先の双方に該当する魅力的な国です。

米国

海外進出先国ランキング2位の米国に関しては、トヨタやホンダといった自動車メーカーをはじめ、パナソニックやソニーなどの家電メーカーなど国内大手企業の進出先国として人気があります。現地法人化を目指した生産拠点として注目され、人口数も世界3位でありGDPランキングは世界トップクラスです。国内企業にとって米国の存在は、現在でも成長を続ける大きなマーケットであり、圧倒的な購買力を持つ巨大市場でもあります。

インド

開発途上国の中ではインドは特に成長著しい国です。国内企業の進出先国としては年々市場が拡大しており、2030年には人口が15億人に到達すると予測されていることから、中国市場に匹敵するマーケットとして注目されています。また、世界有数のIT大国としての側面もあり、人件費に関しては国内と比較して8割ほど削減できるのもメリットです。

カンボジア、メキシコ、ミャンマー

この3国に関しても年々市場が拡大しています。カンボジアではスズキやヤマハによる自動二輪車の生産拠点が設置されたり、イオングループによるショッピングモールや飲食店進出も活発化しています。国内企業の進出が多いタイとベトナムの間に位置していることから「タイプラスワン」「ベトナムプラスワン」としての注目度も高まっています。

ミャンマーに関してはティラワ工業団地の、着工より3年で外国から約1,000億円もの直接投資を獲得するなど、成長スピードは東南アジアの中でも随一となっています。

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いかがでしょうか?海外進出動向は常に変化しています。いつでも最新情報をキャッチし、海外進出に備えてみてはいかがでしょうか。

もっと見る:国内企業の海外進出動向について

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