戦略的な調達とは?調達業務領域における付加価値業務シフト

 2020.02.17 

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特定の役割を持っている担当部署が、組織にとって重要な位置づけになる現象は昨今のビジネスで頻繁に起きています。近年では調達部門のビジネス戦略への積極的なかかわりが強く求められるようになっています。本記事で紹介するのは、コストセンター視されていた調達部門が、どのようにしてプロフィットセンター(付加価値業務)へシフトするか?です。

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戦略的な調達とは?

製造業における調達部門の一般的な使命は、「必要な資材を適正な価格と品質で、必要な時に、必要な量だけ仕入れて現場に供給する」ことです。しかし、調達部門の業務を「単純な仕入れ」と考え、調達本来の価値を理解しないまま操業しているケースが少なくありません。

製品原価比率の低下、棚卸資産の適正化によって利益率や資本回転率の向上を目指し、製造業における税務的影響が非常に大きいのが本来の調達部門の姿です。たとえば、大手エレクトロニクスメーカーの年間資材調達額は数百億~数千億円にのぼるとされています。そのような状況下において、わずか0.1%でも原価低減目標がクリアされれば、数千万~数億円単位の財務体質改善に貢献します。

このように、企業の財務体質を大きく改善する活動こと「戦略的な調達」となりますが、具体的にこれを実現するには何が必要なのでしょうか?大まかなポイントとしては「データ収集と支出の分析」「サプライヤーの継続的発掘と均一化されたRFx」「スムーズな交渉と契約」「調達の自動化・デジタル化」の4つです。

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戦略的な調達を実現する4つのポイント

1. データ収集と支出の分析

「戦略的な調達」に欠かせないのが、やはりデータの集約です。ビジネス戦略に絡めて調達活動を進めていくためには、調達データをリアルタイムに収集しながら分析活動を繰り返し、何がどこで支出されたのかを正確に把握しなければいけません。ところが、戦略的な調達に必要なデータは調達システムにすべて格納されているわけではなく、在庫システムや生産システム、あるいは販売システムなど至るところに点在しています。それらのシステムのデータを如何にして効率よく収集するか?が喫緊の課題だと言えます。

2. サプライヤーの継続的発掘と均一化されたRFx

現在取引のあるサプライヤーが最適とは限りません。長年の信頼関係があり、これからも同じ会社としか取引しないという信念があれば話は別ですが、狭い日本の中であっても他に優良なサプライヤーは必ず存在します。また、世界的な流通環境が整備されている中、サプライヤーの視野を世界に広げるのも有効でしょう。近年では東南アジアを中心に技術力の高い企業が頻出しており、品質面においても問題ないサプライヤーが存在しています。このため、サプライヤーの継続的発掘は原価低減活動において決して欠かせない取り組みです。同時に重要なのが、調達部門で均一化されたRFx(情報提供依頼、提案依頼、見積依頼)によって戦略的優位性を作り、サプライヤー同士を競合させることです。

3. スムーズな交渉と契約

仕入価格の交渉と契約業務は、可能な限り迅速でなくてはいけません。可能な限りスピード感のある調達業務を実現することで、ビジネスの現状を踏まえながら調達を柔軟に運営することができ、生産・在庫・販売・営業の全体を俯瞰しながらの戦略的な調達が可能にあります。そのために欠かせないのが、調達ワークフローの効率化とデジタル署名プロセスの構築です。

4. 調達の自動化・デジタル化

戦略的な調達を実現するための4つ目のポイントは、ITツールを大いに活用した調達の自動化及びデジタル化です。ITツールによって処理が迅速になると、調達最適化のためのフィードバックグループを構築し、企業にとってより良い調達契約を締結するために、サプライヤーを正しく評価できるようになります。

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調達業務における付加価値業務へのシフト

これまでコストセンター視されてきた調達部門において、調達業務を付加価値業務(プロフィットセンター)へとシフトするために必要なことは何でしょう?まず、戦略的な調達を阻害している大きな原因が、受発注に関する事務処理です。「発注」「納期管理」「検収」とった作業は想定以上に手間と時間がかかるものであり、調達担当者の手を煩わせています。言い換えれば、この部分に改革を起こすことが付加価値業務へのシフトを実現できます。

そこで必要になるのが、「定常取引業務人員の削減」「技術者の調達部門へのシフト、開発購買力の強化」「自働化・デジタル化による調達業務人員の効率化」です。

定常的な取引業務に力を注いでいる人員を極力少なくして、調達本来の業務に集中できる環境を整えられれば、調達部門全体で効率的なフィードバックグループを構築できます。技術者の調達部門へのシフトも大切な要件です。ビジネス戦略に調達を絡めるためには、調達部門におけるITシステムの柔軟性を高めなければいけません。そして最後に、自動化・電子化などによる調達業務人員の効率化を実施することで、付加価値の高い調達業務へのシフトを支援します。

以上のような取り組みによって、戦略的な調達を実現すると以下のような調達環境が実現できるようになります。

  • サプライヤーの効率的な絞り込みによる原価低減活動への貢献
  • 優位的な取引条件による交渉で高品質・低価格な仕入を実現
  • コスト戦略の策定をスピーディに行うことで調達業務の迅速化
  • 市場環境を把握して需要を素早く察知し、必要量だけを仕入れる
  • 中長期的な調達計画に立案・実行でより戦略的な調達活動を
  • サプライヤー評価基準を整備することで仕入効率化

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IT化をご検討ください

いかがでしょうか?昨今の調達部門は、ビジネス戦略への積極的なかかわりによって付加価値の高い業務を遂行するようになっています。しかし、付加価値業務へのシフトを実現するためには調達業務の更なるIT化が必要です。単に発注・納品管理・検収を効率化するためのITシステムではなく、調達をはじめ生産・在庫・販売・営業といった組織全体をまたぐITシステムを構築し、戦略的な調達に欠かせないデータを一手に集約できるようにすることが大変有効です。

本記事で紹介したような戦略的な調達を実現するために、IT化をぜひご検討ください。Oracle ERP Cloudは戦略的な調達を実現するための統合的な基幹システム環境をクラウドサービスとして提供し、IT管理者の負担を大幅に軽減します。また、グローバル規模を視野に入れたITシステムによって、サプライヤーの範囲を海外に広げることも可能です。IT化による調達部門の付加価値業務シフトは、ぜひOracleにご相談ください。

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